桜がほころび始めたこの日、ドキドキしながら玄関のチャイムを鳴らすと、素敵な笑顔の女性が出迎えてくれました。手づくり石けんを教えてくれる野口幸子さんです。野口さんのお肌がツヤツヤで、「もしや手づくり石けん効果!?」と期待しちゃいました。
部屋に入ると、そこにはお洒落なカフェや雑貨店のようなセンスあふれる空間が広がっていました。
聞けば野口さん、表参道の某インテリアショップでバイヤーとして国内や海外を飛び回っていたそうです。
ある時期オーガニック系商品のセレクトを任された野口さんは、商品知識を深めるうちに肌や環境にやさしい石けんの魅力にはまっていき、自分でつくるまでになりました。
石けんはベースとなるオリーブオイルの他、ココナツオイルやアボカドオイル、米油など自分の好みの油分を用い、多様な組み合わせでつくることができるそうです。
ちなみに野口さんの好きな石けんは? と聞くと、もっちりとした泡立ちのマカダミアナッツオイルが最近のお気に入りだとか。「でも、洗顔にはアボカドオイルの石けんもしっとりして良いし、やっぱり米油も好きかな……。あ、私って凝り性なんです」と笑う野口さん。本当に石けんづくりが好きで、心から楽しんでいるのが伝わってきました。
時にはココアを混ぜてマーブル模様にしたり(これは見た目もスイーツのようで美味しそうでした!)、カレンデュラの花びらを混ぜ込むなど、たくさんのバリエーションの石けんをつくっているそうです。
いよいよ石けんをつくります。今回はオリーブオイルが総量の72%を占める割合で配合されたマルセイユ石けんを教えていただきました。
道具が並ぶ作業台はまるでお料理教室のよう。材料のオリーブオイルとココナッツオイル、パームオイルは全て食用で安心ですが、唯一取り扱いに注意をしなければならないのが、苛性ソーダという劇薬。油分を脂肪酸とグリセリンに分解する“けん化反応”に必要な薬剤ですが、強アルカリ性で万が一皮膚につくと火傷のような症状をおこします。野口さんの教室では、お子さん連れの参加をお断りしているのはこのためです。作業台には新聞紙を敷き詰め、マスクとゴム手袋必須、と野口さんは安全対策にも気を配っていました。
野口さんのレシピの通りにそれぞれのオイルを計量し、水に溶かした苛性ソーダと混ぜ合わせます。この時にオイルと苛性ソーダ(水に溶かすと発熱します)の温度をそろえておくのがポイント。
泡立て器とブレンダーを使いながらよく混ぜると、だんだんトロトロになってくるのがわかります。ホイップクリーム状に「の」の字が書けるぐらいになったら、お好みで精油を加えます。たくさんの中から私は娘たちも大好きなラベンダーを選びました。ふんわりとやさしい香りが漂いました。
あとは牛乳パックに注ぎ込んで家に持ち帰って乾燥させます。乾燥しても、強アルカリから弱アルカリに変化するまで時間がかかるので、使用出来るのは1カ月後です。乾かしている間、精油の良い香りが部屋に広がって、待っている時間も楽しめます。
終了後は嬉しいティータイム。野口さんはハーブにも詳しく、さらに学びを深めるために、この春から教室にも通われるとか。この日いただいたのは、ローズヒップとハイビスカス、レモングラスをブレンドしたハーブティーです。美味しいお茶とお菓子をいただきながら、石けんのことや野口さんのナチュラルライフなどについてお話を聞けて、リラックスして楽しいひと時を過ごしました。
野口さんの教室ではお土産もいただけます。私はアボカドオイルの石けんをいただき、家に帰ってから使ってみました。泡立ちも良くしっかり汚れが落ちている感じがするのに、洗い上がりがしっとりで全くつっぱらない! もうこの使用感に惚れぼれ。毎日使っています。ますます自分でつくった石けんの完成が待ち遠しくなりました。
使っている自分を癒してくれる石けん。センスあふれる空間で自分好みの石けんづくりを楽しんでみませんか?
はじめて手づくり石けん教室
講師:野口幸子さん
場所:藤が丘駅より徒歩15分(お申し込み後に詳しい場所をお知らせします)
日時:応相談。お問い合せください。(所要時間:約3時間)
※苛性ソーダという劇薬を使うのでお子さんの同伴はできません。ご了承ください。
申込み・問合せ:tonericoha@gmail.com
Blog:http://tonericoha.blog.fc2.com/
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