先日、青葉区役所で開催された「クールアース講座」で、客船のクルーズに同行して撮影をしている写真家の水本俊也さんの講演を聞き、私たちの日常とつながる世界の環境を感じました。(text: 高橋陽子)
私はエコに興味があり、日常の中でもできる限りエコを実践しています。お買い物にはエコバッグを持参、できるだけ過剰包装を避け、ゴミと資源は分別、無駄な電気も消して回って……。
でもこうした行為は、時に家族や周りの人達に受け入れられないこともありますよね。
「そこまでしなくってもいいんじゃない?」
「そんなに頑張っても何にも変わらないよ」
こう言われたことが、誰にもあると思います。
「努力」と言うほど無理しているつもりはないけれど、地球のためになると思って頑張っている毎日。エコバッグも分別も、続けることで日々のリズムになってきました。
でも「本当に、地球のためになっているの???」と、ふいに疑問を感じるときが、やっぱりあります。
そんなとき、私達の日常の先にあるもの、日々の積み重ねで守りたいものを意識することも大切かなと思わせてくれた講演会がありました。
1月23日に青葉区役所で開催されたクールアース講座「この地球のささやき〜南極から伝える〜」です。
クールアース講座とは、青葉区役所が主催している連続講座。様々なテーマで地球温暖化について考えるきっかけを提供しています。今回は写真家・水本俊也さんの講演でした。
水本さんは客船写真師を経て、クルーズに同行するカメラマンとして活躍されています。船や海をテーマにした写真を撮り、作品はカレンダーになったり、ツアーパンフに使われているそうです。クルーズに同行するお仕事で、南極にも度々訪れている水本さん。講演では写真を見せていただきながら、南極半島の様子についてのお話がありました。
TVドラマでも話題になった南極大陸と違い、南極半島には雪のないところもあり、比較的スムーズに上陸できるそうです。同行したクルーズでは時間を決めて上陸し、野生のペンギンの姿を間近で見ることもできると聞き、驚きました。上陸する際、動物を驚かせないためにあまり近寄らないようにと注意があるようですが、好奇心旺盛なペンギンたちは向こうから人に近づいてくるのだとか。おとなしく観察しているとあっというまにペンギンに囲まれることもあるそうです。
一時期は上陸後に簡単なテントを張って過ごすこともできるツアーがあったようですが、今後は徐々に規制が厳しくなっていくのを感じる、と水本さんがおっしゃっていました。
詳細なデータを集めるお仕事ではなく、ツアーに同行するカメラマンの水本さん。どれだけ地球が傷ついてきているか、というお話よりも、美しい自然の姿をたくさん見せてくださいました。そして、美しい自然と私達の日常は、どちらも同じ地球上にあることを、私は改めて感じることができました。
ペンギンたちが好奇心旺盛なままに暮らせる南極と、私たちが暮らす青葉区。この二つは違う星にあるのではなく、同じ地球にあること。我が家のリビングやキッチンと、南極とがつながっていること。今日の吹いてくる風には、もしかしたら南極の空気が混ざっているかも? その反対もありえるかも? ……こんなことをつらつらと考えていたら、いつの間にか「よし、やっぱり頑張ろう」と思えてきました。
生活に追われていると、つい視界が狭くなってしまいます。ときには空を見上げて広い世界を思う時間があってもいいですね。
水本さんの美しい写真の数々は、ホームページでも掲載されています。ペンギンの姿のかわいらしさに、母性本能をくすぐられる人も多いはず!ぜひごらんください。
http://www.waterbook.net/index.htm
FMサルース84.1MHz 高橋陽子(たかはし・ようこ)
青葉区在住のフリーアナウンサー。青葉区のコミュニティFMラジオ局「FMサルース84.1MHz」で番組「ロダンタイムズ」水曜日・木曜日を担当。2010年夏、エコ検定に合格して念願の「エコピープル」に。「もっともっとエコな出会いを求めたい!」と、番組では本人が出会った地元のエコなコト・ヒト・モノが続々登場中。
FMサルース(周波数:84.1Mhz)
番組「ロダンタイムズ」放送時間:毎日15時~17時 たまプラーザテラスのサテライトスタジオから生放送
番組へのメッセージはmsg@fm-salus.jpまで。
Ustreamではスタジオの様子を中継しているほか、Twitter(@fmsalus)でもアクセス可能。
http://www.fm-salus.jp/
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