焙煎人に教わる、珈琲の美味しい淹れ方。みなづき珈琲・長谷芳教さん
珈琲のテイスティングをしたことはありますか?「みなづき珈琲」の焙煎人、長谷芳教さんが開催する珈琲教室で、初めて飲み比べをした私は、同じ豆でも淹れ方ひとつで様々な香りや味わいになることを知って衝撃を受けました。奥深い珈琲の世界で、「自分に合った、美味しい珈琲の淹れ方」のヒントを長谷さんは教えてくれました。

 

私は、珈琲が好きです。淹れはじめた瞬間から広がる香り。ほっと一息つける味わい。余裕のない日々の中でのささやかな至福のひとときです。

 

私よりも更に珈琲好きで、味にもうるさい夫が、「うまい!」と唸るような珈琲を淹れられるようになりたいな、と、ぼんやりと思っていた時に知ったのが「珈琲の淹れ方講座」。珈琲豆の焙煎人が直接教えてくださると聞いて、興味津々で参加してきました。

 

場所は、町田市の鶴川エリアで、風情ある竹林に隣接した、さわやかな風が通り抜ける素敵な一軒家。「みなづき珈琲」の焙煎人、長谷芳教さんのお宅です。

 

外には薪が並べられていて、木の扉を開けるとお手製の看板、色とりどりのコーヒーフィルター、珈琲の香りが出迎えてくれます。ふと横を見ると、玄関に焙煎機。「みなづき珈琲」で使用する珈琲豆は、長谷さんがここで焙煎しています。

 

長谷芳教さんの奥さまは、森ノオトのリポーターでもあるイラストレーターのながたに睦子さん。看板と手前の絵は睦子さん作。結婚を機にお互いに好きなものを極めようと、芳教さんはコーノ式珈琲塾、睦子さんはイラストレーターの学校に通ったのだそうです。素敵なご夫婦です!

 

物心ついた時から珈琲の香りに囲まれていたという長谷さん。珈琲好きが高じて、学生時代からずっと愛用していた「コーノ式ドリッパー」の販売元である珈琲サイフォン株式会社の社長に弟子入りしました。焙煎・珈琲抽出の技術や理論、珈琲豆について学び、2003年に「コーヒーアドバイザー」の資格を取得します。

 

当時は今ほど珈琲ブームではなく、この資格を取得するのは喫茶店などを開業するプロ志向の人たちだったそうです。長谷さんも一時期はお店を持つことを考えたそうですが、師匠でもある社長からのアドバイスもあり、サラリーマンを続けることを選択。2004年10月には、同社が認定する「コーノ式珈琲塾インストラクター」の第一期生になりました。

 

サラリーマンを続けながら、週末は個展での出張喫茶などの機会が増えてきて、お客様と対話しながら珈琲を淹れる楽しさに目覚めていったそうです。

 

「珈琲を淹れる人には2種類あると思うんですよ。一つは、ラーメンの人気店みたいに、俺の珈琲を味わってほしいという人。もう一つは、お客さんの要望をわかって、それに合わせた珈琲を淹れる人。僕は後者なんです。ネットで、焙煎した豆を販売しているだけの時は、顔が見えなくて、情報も誰のために発信しているのか実態がつかめなかった。Face to Faceだと反応も見られるし、普段は話せないことを話せるのも楽しいですね」(長谷さん)

 

そして、徐々に地元のイベントに関わる機会も増えてきます。

 

地元、町田市で行われる「小野路やまいち」での風景。森ノオト主催のあおばを食べる収穫祭にも出店しています。その他、Vege&Fork Market、青空マーケットinあさお、ひかり祭り(藤野)などにも出店(写真:みなづき珈琲提供)

 

「10年くらいプロ志向の人に教えることをしていましたが、子どもが生まれたことでスタイルが変わってきました。僕は、本物を知ったうえで、家庭用の珈琲の淹れ方も教えられる人でいたい。地元のイベントに出た時に、これだ、と思いましたね。地元の人と交流しながら珈琲を淹れて、地域に関わっていくことが本当に楽しいんですよ。最近は玄関で豆の焙煎をしていると、珈琲屋さん、良い香りだね、なんて声をかけられたりして嬉しいですよ」(長谷さん)

 

プロにも、主婦にも、それぞれの志向に合わせて珈琲の淹れ方を教えることができる、これはまさに私が長谷さんの珈琲教室に参加して感じたことです。

 

私が参加した日は、受講者が7名だったのですが、そのうち2名が専業主婦、他は、珈琲店でのアルバイト経験者、料理研究家、カフェ経営者、喫茶店開業を控えた親子という様々な顔ぶれでした。素人、セミプロ、現役プロ、これからのプロ、という私たちを前に、長谷さんは実演と体験を交えながら、それぞれのレベル感や要望に合わせた説明を見事にしてくれたのです。

 

その講座の様子を写真でご紹介します!

 

まずは、自己紹介。普段の珈琲の飲み方や、好みなども話しました。ここで、参加者がお互いに知ったうえで、それぞれの方が淹れた珈琲をテイスティングしていくことになるのです

 

2人ずつ我流で珈琲を淹れて、飲み比べをしていきます。同じお豆なのに、驚くほど違うのです!! 飲んだ後に、思わずお豆を二度見してしまいました。お湯の量、注ぎ方、抽出にかける時間……淹れる人が変われば味も変わるのです。本当にびっくりです。

 

珈琲のテイスティングの合間に、器具の説明。メーカーによって水の落ちる穴の数や、形状にも違いがあります。水の落ちる時間や落ち方、風味まで変わるのだそうです。長谷さん愛用のコーノ式フィルターの特徴や、その意味についても伺いました。器具も奥が深い!!

 

長谷さんが珈琲を淹れてくれる時には、みんな思わず立ち上がり、動画を撮っていました。長谷さんが淹れると、中心から泡がぷくぷくっときれいに膨らんできます。この泡に雑味が含まれているのです。

 

こちらも長谷さんが淹れている様子。泡がとっても綺麗にでてきています。銀色に輝くドリップポット。種類によって形状が違い、お湯の落ち方が違うのだそうです。長谷さんのこだわりと知識の深さに脱帽です!すべてのものには意味があるのですね。

 

ペーパーフィルターにも違いがあります! 漂白と無漂白、折り方や折ることの意味も教えていただきました。布で淹れるネルドリップの特徴や、昔の珈琲の淹れ方……長谷さんの話は聞けば聞くほど奥深いのです!!ちなみにこちらのイラストも睦子さん作

 

もちろん私も淹れてみました。難しい……。お湯がゆっくり美しく注げず、どさっと一気に落ちてしまうのです。しかもなかなか中心が膨らんでこない! 焦って迷いながら淹れているのが、よくわかる味だったそうです。笑

 

この他にも、豆の保存方法、お湯の温度、入れるスピード、コーヒーメーカーとドリップの違い、珈琲豆の種類と特徴、豆のひき方と違い、ミルについて、そして珈琲の飲み方や器具の歴史……盛りだくさんに教えていただきました。

 

玄関にある焙煎機の前で。自宅を作ってくれたウィズの森さんにお願いして設置したそうです、お豆を注文するとその都度、焙煎してくれます。豆の状態をみながら火力や排気を調整してじっくり焙煎するのは、とても楽しい作業なのだとか。講座に参加すると、自家焙煎の珈琲豆をお土産にいただけます!

 

「美味しい珈琲って、人によって違いますよね。状況によっても違う。すぐ飲むのか、ゆっくり時間をかけて飲むのかでも違うし、一緒に食べるお菓子がガトーショコラなのかチーズケーキなのかでも、合う珈琲の味は変わります。季節によっても変わる。僕は、夏はすっきり、冬はこくのある珈琲が好きなんです」(長谷さん)

 

睦子さんが焼くパンやお菓子に合わせた珈琲を淹れるのも、長谷さんの楽しみの一つなのだとか。

 

長谷さんの講座では、例えば、何ccを何秒かけて淹れる、といった正解を導き出すわけではありません。全体への染み渡り方、泡の膨らみ方など、お湯の量や注ぎ方によっての反応の違いや理論を説明してくれるので、本当にわかりやすいのです。

 

そして、正解がないからこそ、純粋に珈琲と向き合い、味わい、楽しむ姿勢が引き出されたような気がします。

 

珈琲好きな方なら、一度は長谷さんのお話を聞いてみると良いかと思います。

 

講座後、珈琲の奥深さと楽しさに開眼した私は、結婚10周年の記念に珈琲セットを新調することに決めました! 今は珈琲を淹れる時間が楽しくてたまりません。

 

「みなづき珈琲」の次回の出店は、8月28日に町田市の「しぜんの国保育園small village」で行われる音楽と展示の祭典「サウンド園庭2016」です。また、生田緑地のピクニックデーにも出店予定だそうです。
長谷さんが淹れた一杯をいただける貴重な機会、私も今から楽しみです!

Information

みなづき珈琲

HP http://minazuki.blossoms-design.com/

Facebook  https://www.facebook.com/minazukicoffee

長谷さん焙煎のお豆は、HPから注文できます。

長谷さんの珈琲教室も、HPに申し込み方法が掲載されています。

http://minazuki.blossoms-design.com/coffee_seminar.html

 

サウンド園庭2016
http://toukoukai.org/wordpress/sizen/2016/07/01/small-village-expo2016/

 

佐藤 夕蘭
この記事を書いた人
佐藤夕蘭ライター
平凡な名字だから名前は華やかに…と、親から贈られた名前「夕蘭(れりあ)」のような才色兼備、現在はシンガーソングライターとしても活躍中。元キャリアコンサルタントで、現在はママだからこそできる地域支援をテーマに「小杉ママのチャリティーリユース」を地元武蔵小杉で展開。
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