青葉区の花壇づくりの現場を訪ねて。 花いっぱいの花端会議ウィークこぼれ話
11月7日から15日の9日間は花端会議ウィーク。期間中、青葉区内24カ所で行われた花端会議の様子を、フラワーダイアログのSNSページで紹介しました。投稿からはこぼれ落ちた話の中から、他のエリアでも参考になるような取り組みをピックアップして紹介します。

恩田駅が最寄りの、あかね台熊の谷(くまのやと)公園は、バス通り沿いの花壇や入り口にいつも花が植えられていてきれいだと評判で、花端会議マップにも載っています。公園愛護会会長の佐貫賀丈(しげとも)さんは毎日のように付近の公園をめぐっています。「(宅地)開発から時を経て、この辺りの自然環境が回復してきたんです」と、わが事のように語り出し、珍しいきのこが生えてきた話などを、色々教えてくれます。

そして、公園愛護会の日頃の活動のほかにも、熊の谷公園のご近所の方が、自主的にボランティアで清掃やごみ拾いをしたり、花の手入れをしており、様々な人が、それぞれの関わり方で、美しい公園をつくりあげています。

 

まん中が佐貫さん。左はあかね台一丁目自治会長の新倉さん、右は環境推進部長の薬師寺さん

 

あかね台熊の谷公園のある、あかね台一丁目自治会では、他の多くの自治会と同じく、新型コロナウイルス感染症の影響で今年、地域のお祭りをはじめ交流行事がほとんどできなかったそうです。そのような中でも、地域のみなさんに明るい気持ちになってもらえるように、公園に新しい花壇を作る計画をたてました。10月には新たに開墾した場所に春に芽吹く球根のバラまきをして、11月の花端会議ウィーク中には、区役所から配付される花苗等を植えて道路沿いに小さな花壇ができました。今年、自治会の環境推進部長になった薬師寺さんが、付近にある「あかね台こどもの遊び場」を利用する親子への声がけをするなど、広報の工夫をしたところ、20人以上が集まり、共に土に触れ、汗を流しました。

 

作業に積極的に参加していた、男の子。「この子が植物が好きなので、お知らせを見て、行く?って聞いたら、行きたいって言うので家族で参加しました」というお母さんの言葉に納得です

 

花や緑が大好き!そんなシンプルな理由こそが、世代を超えてつながれる核心部だよな、とあらためて感じました。

 

次に紹介する美しが丘第六公園も、花壇が美しい公園です。こちらは、女性たちが主体となっている公園愛護会ならではの、きめ細やかさや優しさを感じさせる花壇づくりが特徴です。最初は花壇づくりの知識がなかったので、土木事務所の公園愛護会コーディネーター、永井万里さんにつくり方を教えてもらい、永井さんのススメで他地域の視察に行くなど、学びの姿勢が素晴らしいです。毎週金曜に集まって定例作業をしています。花端会議ウィーク中も定例の活動が行われていました。

 

美しが丘第六公園愛護会のつくる花壇は、近隣地域の方々の癒しになっています。奥に見える平津SUNサロンも地域住民の力で建てたもの。元の公園を知る人からは、信じられないくらい環境が変わってきれいになったという声を聞きました

 

今年、コロナ前から自治会と企画していた、初めてのイベント「花壇フェア」を113日に行ったところ大盛況だったそうです。近隣の住民124名もの参加があり、密を避けながら花壇づくりをして花苗をそれぞれが持ち帰ったのだとか。そんな理想的な花端会議が行われていたことを知り感動しました。みんなで楽しむために、花壇づくりの知識が全くない人も受け入れ、丁寧に教えあい、「自分の花壇」にならないよう配慮しているとのことで、他の愛護会や自治会でも参考になるようなモデル的な活動の一つです。

 

今では、メンバーがそれぞれ自宅で種から花苗を育てています。同じ種でも、環境によって育ち方が変わるのが面白いのだそう

 

とはいえ、メンバーは全員で10名ほどと少なく、「月に一度、年に一度でもいいから、一緒に活動してくれる人がいるとうれしい」と愛護会会長の西岡麻里子さんは言います。

西岡さんは、コロナ禍の外出自粛で緊張感が漂う中、仲間と土いじりする時間が救いになったそうです。リモートワークの広がりで改めて地域の資源やつながりの大切さに気づいた人が、花端会議を通して、もっとつながりを深め、地域活動に参加するきっかけになれば、コロナ禍における生活の変化の中にもささやかな光を見つけることができるのではないでしょうか。

 

実は、藤が丘公園では、まさにそんな事が実際に起こっていました。40代の女性が二人、コロナ禍での運動不足を解消するべく公園に通っていたら、公園愛護会の方に声をかけられて活動に参加するようになったのです。藤が丘公園愛護会のInstagramページも開設されました。藤が丘公園は、自然豊かで森ノオトのライターにもファンが多い公園です。メンバーが少ないといつもこぼしていた平均年齢70代の愛護会の皆さんにとっても、うれしかったことと思います。これを機に、明るく楽しい愛護会のイメージが根付くことを願っています。

 

ところで、多くの愛護会がメンバー不足に悩む中、あえて正規メンバーは増やさずに自治会の一部門として、定例活動の参加者を増やしている愛護会もあります。市ヶ尾下根公園愛護会では、小学生にも活動に参加してもらおうと、登下校の見守りの際に看板を掲示し、活動参加を呼びかけました。町内会の助成も受けて、参加者にはお茶やジュースを配るなどの楽しみも用意して、子どもたちの参加を無理なく促しています。子どもたちが参加すると、そのお父さんやお母さんも参加することにつながり、当日は30人近くの参加がありました。

 

11月8日の活動日には、小さな子どもも含め30人近くの方が広い公園を手分けして清掃して、花苗の植替えも楽しく行われた

 

「できる人ができるときに」をモットーにしているので、特に悩みはないという愛護会会長の佐藤昇さん。佐藤さんは毎日の見守りを欠かさず、水やりに来る女性が数人いることで、日々の手入れが自然と行き届いています。コアメンバーが、自宅の庭から株分けして持ち寄った花が、公園に馴染むように植えられていたりと、自然や人との交流が無理なく行われている様子が伝わってきました。

 

最後に紹介するのは、公園愛護会とは違い、サークル活動として月200円の会費制で運営されている、えだガーデニングクラブ(以下、EGCと記載)の活動です。荏田地域ケアプラザの職員さんが発起人となり、講師を公募したところ、応募してこられたのが、フラワーダイアログあおばでも、たねダンゴ作り(令和2年3月)の講師を依頼した新井裕之さんでした。EGCは、花が好きな方の集まりで、活動開始してから8年経ちました。この団体は、年間計画に則って、よこはまイングリッシュガーデンに視察ツアーに行ったり、育苗した苗をお祭りで販売して収益を得たり、近隣エリアに花壇を増やしたりと精力的に活動しています。

 

EGCは、公益財団法人横浜市緑の協会が管理する「よこはま緑の推進団体」に登録しています。花苗や球根等を安く購入できる支援を受けたり、「よこはま花と緑の推進リーダー育成講座」に参加して緑化技術を学ぶことができます。団体登録は一年毎の更新で、報告書を提出があるなど、愛護会同様、事務作業が発生します

 

喜寿を迎えたばかりだというEGCの代表の細野敏夫さんは、体の動きも頭の回転も早くてお元気です。平均年齢70代の活動ですが、20名ほどの花好きなメンバーが3班に分かれて作業を分担しており、特に困っていることはないそうです。「強いていえば、代表を継ぐ人がいないことかな?」と笑いながらおっしゃっていました。

 

しかし、これは案外深い話です。どんな組織や活動でもそうですが、代表になる人を自然と支える仕組みや文化がある状態を、地域でいかにつくっていくのか?というのは、なかなかの難題ですよね。

 

花端会議ウィーク期間に、森ノオトのライターが取材で区内各地を巡ったことで、今後の、花と緑の風土づくりのための課題と希望の両方が、実感を伴って見えてきました。花と緑の活動に共通する課題や、きらりと光る独自の工夫などを掘り起こし、発信できたことが、花端会議ウィークの大きな成果かもしれません。

 

花端会議ウィーク中に発信したSNS投稿のURLの一覧

(フラワーダイアログのFacebookページ内の記事リンクです。)

 

千草台クラブ https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/179620340420255

泉手向公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/17989379039291

子どもの国駅前ロータリー https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/179951640387125 

田奈第一公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/179930633722559

美しが丘中部自治会館 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/179945927054363

保木公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180198497029106

すすき野公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180183833697239

市ケ尾下根公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180217503693872

荏田第五公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180567706992185

青葉スポーツプラザ https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180595686989387

荏田猿田公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180839446965011

青葉区役所(あおば花と緑のサポーター) 
https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/180871006961855

荏田地域ケアプラザ(えだガーデニングクラブ)

https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/181162183599404

荏子田太陽公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/181185936930362

ドレッセあざみ野 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/181209913594631

鴨志田第五公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/181571720225117

美しが丘第六公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/181812843534338

松風台第三公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182106296838326

環状4号沿い花壇 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182129666835989

美しが丘公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182122816836674

田奈第二・第三公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182392263476396

藤が丘公園 https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182424026806553

もえぎ野ふれあいの樹林  https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182408696808086

あかね台熊の谷公園

https://www.facebook.com/flower.dialogue/posts/182436463471976

Information

フラワーダイアログあおば特集ページ:http://morinooto.jp/special/hanatomidori/ 

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梅原 昭子
この記事を書いた人
梅原昭子理事/事務局長/ライター
引き算の編集が好きです。できないこと、やりたくないことが多過ぎて消去法で生きています。徒歩半径2キロ圏内くらいでほぼ満ち足りる暮らしへの憧れと、地球上の面白い所どこでもぶらりと行ける軽さとに憧れます。人間よりも植物や動物など異種から好かれる方が格上と思っている節があります。
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