農と食をつなぐ熱血報告

地元Love探検隊

小池一美written by

(今回行った場所はココ!) 青葉区民のオアシス、寺家町。昔ばなしにでてきそうな、懐かしい風景が広がる田園地帯です。寺家町の鶴見川にほど近い畑で、せっせと鍬を振る農家さんがいます。その姿は昔ばなしのワンシーンを切り取ったような光景です。 今回は“鍬一丁で農業”をする粋な農家さん! アグロスつちの里・大橋二郎さんを紹介します。

 

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小池一美の農と食をつなぐ熱血報告Vol.6 アグロスつちの里 大橋二郎さん

大橋さんとレポーターの小池は同じ青葉区在住。しかも徒歩20分ほどのご近所さんです。でも最初の出会いは意外な場所……なんと山梨県甲府市でした。お互い山梨県主催の有機農業の交流会に出席していたのがきっかけです。小池の名札に「横浜市」書かれていることに気づき、大橋さんから話しかけてくださいました。ご縁とは不思議なものです。まさか甲府でご近所さんと巡り会えるなんて。

 

その時に頂いた名刺が印象的でした。カレンダーの裏紙を再利用した、柄が一枚一枚異なる、オリジナルの名刺を使われていたからです。環境意識の高い方だと、感じました。

その名刺には『「土」をつくり、「野」菜を育て、「里」(環境)を守りアグリセラピーをめざす』と記載されています。農業をするうえで大切な3本柱をあわせて土野里(つちのさと)――そう、大橋さんの畑の名前、「アグロスつちの里」なのです。ちなみにアグロスはラテン語で農場という意味です。

 

はにかんだ笑顔が素敵な大橋さんは鍬を持った姿が似合います

 

大橋さんは現在65歳。土木系技術者として全国各地を飛び回っていたサラリーマンを63歳で退職し、3年前に就農しました。藤沢市で1年間の農業研修を受けると同時に、寺家町に畑を借り、現在は畑2反、田んぼ4反を借りながら、年間40品目の野菜やお米を栽培しています。

 

サラリーマン時代から環境に対する関心があり、情報収集をしていた大橋さん。しかし、実際に環境のために何もしていないことに、自問自答をする日々を送っていました。そして、森林ボランティアで間伐をしたり、森里海連環学を学びながら、地球へ恩返しするために自分に何ができるか考えたそうです。

 

「もともと、ものづくりに関心がありました。野菜づくりも、米づくりもものづくりだ、と考え、農業をやろう!と決めました」(大橋さん)

 

有機栽培を始めたのも、環境意識の高かった大橋さんにとって自然な流れでした。

 

寺家町の鶴見川に程近い畑。ここは同じ寺家町のなかでも特に寒い土地だそうです。11月下旬ですでに氷が張るほど!同じ青葉区でもこんなに温度差があるのですね

 

有機農業の本質は、化学肥料を使わない、農薬を使わない、ということではなくて、微生物や共生植物(コンパニオンプランツ)など、命あるものでつくることだ、と大橋さんは話してくれました。

 

「人間だって自然の一部。微生物の力は無限大だよ。微生物を、農薬で土から失くしちゃいけないよ」(大橋さん)

 

「アグロスつちの里」の名に込めた思いそのまま、土を育ててこその野菜づくりなのです。

 

大橋さんの畑で使う肥料は、おから・ヌカ・籾殻などを使ったぼかし肥料を独自に作っています。籾殻は微生物の巣となり繁殖し、肥料が分解発酵するのに適しています。微生物をたっぷりと含んだ土は団粒化して風が吹いても飛びません。

 

大橋さん手づくりの肥料。おからは地元のお豆腐屋さんからいただいているそう

 

命あるものの力による、有機的な野菜づくりにこだわる大橋さんは、なんと鍬一丁で畑仕事をこなしています。

取材でお邪魔したときも、夕日を浴びながら鍬で畑を耕す大橋さんの姿が最初に目に飛び込んできました。それは昔ばなしに出てきそうで、タイムスリップしたような懐かしい光景でした。その美しいシーンは今でも目の裏にハッキリ焼きついています。

 

会社を退職する時に、大橋さんは「日本の農家の半分を有機農家にしたい」とあいさつされたそうです。そして「この地域でひとりでもふたりでも、多くの有機農家が増えてほしい」と話します。

 

有機的な農業をめざす大橋さんは、人とも有機的なつながりを大切しています。取材中でも、たくさんの農家さんの名前が出てきました。ネットワークを大切にし、どの農家さんに対しても敬意を持って接しているように感じました。

ちなみに、このレポートvol.4で紹介した「草の畑」の川口さんから種をいただいたというバジルやパセリは、コンパニオンプランツに使用されていました。

地元で種のバトンが交わされて、いのちが繫がれていることは個人的にもうれしいことです。

 

川口さんからいただいた種で育てたバジル

 

「ガソリンも使いたくないから本当はリヤカーで引き売りをしたいんだ。そうやってお客さんの顔をみながら野菜を販売できるのがよいと思う」と話す大橋さん。リヤカーで引き売りをする大橋さんの野菜を、地元で買える日が楽しみです。

 

大橋さんの野菜はアグリス成城の朝市で毎月第2、第4日曜日(10:00?14:00)に販売されています。

なお、あざみ野南に11月にオープンした『コマデリ』(あざみ野南1-16-8大谷ビル1階)のお弁当には大橋さんのお米、さとじまんが使われています。

 

大橋さんへのお問い合わせは090-3315-4445まで。

 

hitomi’s point

取材に伺った11月下旬、畑にバジルがあるのには驚きました。そのバジルを大橋さんが「持っていっていいよ」とおっしゃってくださったのですが、時間の都合でその日に収穫することができませんでした。そして翌朝収穫に伺うと……なんと霜にかかってしまい、前日の半分以上が黒ずんでしまっていました。収穫時期の見極めの重要さを認識した瞬間でした。それでもまだ使えそうなバジルをありがたくいただき、ジェノバソースをたっぷりとつくることができました♪

大橋さん、この季節に貴重な路地のバジルをありがとうございました!

ライター紹介

小池一美

横浜市青葉区出身。森ノオトのレポーター、走るロコキッチン「コマデリ」、焼き菓子販売「トミーヤミー」の3本柱で青葉区と関わりながら暮らしている。AGRUの小川穣さんとのユニット「labo2(ラボラボ)」では、食の素材をたのしむ、地域をたのしむ活動を展開中。森ノオトでは農家訪問レポートや、地域の人と農をつなぐマルシェ分野を担当。 ■Facebookページ「コマデリ」

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