眼鏡もインターネットも「ソリューション・ビジネス」。桜台・YAMASEN ヤマセングラスワークス
スタイリッシュでカッコいい眼鏡をかけた、ダンディーな紳士。桜台の眼鏡専門店「YAMASEN ヤマセングラスワークス」の堀部信夫さんは、青葉台の30代・40代男子の憧れの存在です。単なる「メガネ屋のおじさん」にはとどまらない堀部さんの幅広い見識と経験が、いま、青葉台の街をとても豊かに、元気にしています。そんな堀部さんがいま力を入れていることとは……。

いま眼鏡は数千円出せば買える、「安い、早い」のファストな時代。駅前のテナントビルや街のあちこちに眼鏡の安売りチェーン店が軒を連ねる昨今、桜台のYAMASENグラスワークスは、時代に媚びない、凛とした存在感で、今日もお客様を迎え入れています。

キタハラが青葉台を歩くようになって12年経ちます。その頃からこの眼鏡屋さんはちょっと憧れの存在でした。粋さを感じさせるこじゃれた看板、街に風格を与える佇まい。タウン誌に載るちょっとした広告も、スタイリッシュで、語りすぎず、常に「気になる」雰囲気をまとっていました。

 

YAMASENの堀部伸夫さん。お客様は50代以降の方が多いそう。「いいね!と部下に思われるような眼鏡と出会えます」

 

時を経て2011年、ようやくYAMASENグラスワークスの堀部伸夫さんにお会いできました。きっかけはFacebook。3.11の震災以降、Twitterなどで少しずつ、地域の商店主さんたちがつながる動きを見せていました。

堀部さんが呼びかけ人となって、Facebookに「青葉台でフェイスtoフェイス」というページが立ち上がりました。言わば、インターネット上のオフ会みたいなもの。Facebookでは基本的に顔写真をのせ実名登録のソーシャルメディアなので、「以前から気になっていたお店だけど……」「よくお店には行くけど店長さんとは話したことがない」などという人と人が、Facebookを通じて交流し、またネット上で関係性を深めています。“バーチャル”ではなく、地域での“リアル”なつながりを強力にしてくれるツールなのです。
■青葉台でフェイスtoフェイス

https://www.facebook.com/aobadai.de.facetoface

 

「商品を単なるモノととらえれば眼鏡は安いほうがいい。でも、日々眼鏡をかけて、おしゃれに、快適に過ごしたいのであれば、素材も上質で顔の形に工学的に適するものがよいですね」

 

「青葉台でフェイスtoフェイス」では、これまでに何度かオフ会をしています。森ノオトでも紹介したKEEL’S BAR HOUSE、木の家具屋さんのウッディハートや、向かいのエスニック家具屋のEthnicaなど、もちろんYAMASENグラスワークスもこれまでに会場になっています。普段とはちょっと違う趣で青葉台の人たちが集まり、交流する仕掛けをプロデュースしているのが堀部さんなのです。

「インターネット上の交流って、よく“バーチャル”といわれますが、使う人はみんな“リアル”な存在ですから。リアルがあることを中心にする。そうして人と人がつながり、笑顔になればうれしい」(堀部さん)

 

「眼鏡は一人ひとりに特化した、パーソナルなものです。工学的にフィットすること、メンテナンスをすること、ファッション性、素材、何より安心しておすすめできること……。“自分や家族がかけたい眼鏡”をコンセプトに商品を取り揃えています」

 

今年5月に企画した「Aobadai 100 smiles 青葉台の笑顔をいっぱい集めたい」では、ウッディハートの椅子に座った人の笑顔と、YAMASENで眼鏡をかけた人の笑顔を、たくさん集めました。

 

■Aobadai 100 smiles

https://www.facebook.com/Aobadai100Smiles

 

キタハラもムスメを連れて参加しました。ウッディハートさんのロッキングチェアーに座って、マダムになったつもりで優雅にくつろいでいたら……ムスメが走り寄ってきて一気にお母さんモードに戻り「パシャッ」。

 

YAMASENでは、堀部さんに選んでいただいた眼鏡をかけ、ちょっと知的なマダム風。ムスメも赤いフレームの眼鏡をかけて気取ってみました。堀部さんが構えたカメラは重厚な一眼レフ。動き回るムスメを抱えての撮影は大変だったと思いますが、一瞬のリラックスした表情をとらえて「パシャッ」。キタハラとムスメのこの写真、Facebook上で大評判でした。写真の腕前もすばらしい堀部さんです。

 

家具は、そんなに頻繁に買うものではない。3歳のムスメは家具屋さんでいろんな椅子に座り、家具に彫られた彫刻をみては「ウサギさんだ!」「お馬さんだ!」と大喜び。家具屋さん=楽しい場所になりました。

 

眼鏡もそう。3歳のムスメにいまはまだ必要ないかもしれない。だけど、眼鏡屋さんのカッコいいおじさんに会うと、いつもやさしく声かけてもらえる。そんな経験が子どもたちの“信頼”の根っこを育んでくれるんだと思います。

 

直接のお客さんじゃなくても、気軽に立ち寄ってほしい。ちょっとおしゃべりしませんか……。地元に立ち寄れる場所がたくさんあると、それだけで、笑顔と、安心が生まれます。

 

 

眼鏡ファッションを彩るアイテムも豊富に。「青葉台のお客様は上質な暮らしを楽しんでいる方が多くいらっしゃいますね」

 

話は眼鏡に戻ります。YAMASENが桜台にオープンしたのはいまから28年前。YAMASENの社長と奥様、そして堀部さんと3人で立ち上げたお店です。実はYAMASENには眼鏡専門店だけではない、もう一つも二つも、別の顔があります。いまから20数年前、日本で発売されたばかりのMacintosh(いまはiPhoneやiMac、MacBookAirなどで知られていますね)を取り扱う専門店であり、インターネットのプロバイダーでもあったのです。

 

いま、印刷物をつくるのはDTP(Desktop Publishing)といって、パソコン上のソフトで画像を処理したり組版をする技術で、デザインといえばMacというイメージが定着しています。また、インターネットがこの世に登場して20年くらいですが、堀部さんはMacに魅せられた20数年前、インターネットもDTPも黎明期からビジネスとして手がけてきた実績の持ち主なのです。

 

いまでもインターネット関連のソリューション・ビジネス(システムによって問題解決を図るビジネス)に携わり、写真撮影やビデオ編集などもお手の物の堀部さん。「ここに先達がいた……!」と驚く人も多いでしょうね。

 

堀部さんはカメラの腕前もプロ級。小さな時から撮影が好きで、静止画、動画、どちらも手がけてきた。「父譲りのゼンマイの8mmを小さなころからいじっていたな。一眼レフもおもちゃ代わりで、自分で現像をやったり」と、さすが!

 

「眼鏡もMacも、ソリューション・ビジネスであるという意味で、私の中では一体でした。これからは、自分がこれまで手がけてきたこと、覚えたこと、知識や経験を、できる限りみなさんに提供して、みんなの役に立ちたいと思っています」と堀部さん。

 

 

いまは、Macで簡単に動画の編集をする手法を地域の仲間に伝えています。堀部さんがつくった動画は、Facebookで時々発表されます。あのパン屋さんや、あの家具屋さんが、走ったり驚いたり笑ったりの、幻のアクションムービーもあったっけ……。

 

 

「みんなが映っている動画で、楽しんだり、遊んだりしながら、みんなが“伝えたい”と思っていることをうまく伝えるお手伝いができたら……」

 

 

青葉台を元気にするソリューション、ここにあり!

 

キタハラ’s eye
12年前のタウン紙記者時代から、時々気になってはのぞきこんでいたYAMASENさん。いまも昔も変わらぬスタイリッシュさ、洗練された雰囲気。ようやく30代も半ばになって、「いい眼鏡」をあつらえたいと思うようになりました。だって、Aobadai 100 smilesで堀部さんに撮っていただいた自分の写真、ちょっと知的なマダム風で、「こんな風なおばさんになりたいなあ」という理想の姿だったのですから!

 

堀部さんのMacやインターネット、DTPへの深い造詣は、話を聞きながら圧倒されるばかりでした。わたしがMacにさわるようになったのはiMacデビュー時からなのでまだまだひよっこ。それどころか永遠にイノベーターには近づけません。お話の隅々に、黎明期を知る人ならではの深い深い愛情が感じられて、もっともっとお話をうかがいたい! と思いながらお店を後にしました。

 

青葉台の30代40代男子憧れのダンディズムと、青葉台ステキマダム予備軍の目指す「大人」として、これからもよろしくお願いします!

Information

YAMASENグラスワークス

住所:神奈川県横浜市青葉区桜台29-16

TEL :045-982-5156

営業時間:10:00〜19:30

定休日:毎週水曜日、第1・第3火曜日

 

 

http://www.yamasen.co.jp/

 

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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