えっ、麻の実って食べられるの? 好奇心に連れられて参ったは高津駅からすぐ、下町風情の商店街の一角に佇む小さなバー「Bagus(バグース)」。うっそうと茂るシュロの木々と藤棚をくぐって重い扉を開くと、レゲエのメローなサウンドが響きわたります。ひょうたんのライトから漏れる光に包まれた、何とも落ち着く空間です。
「レゲエのミュージシャンは、アイタルフードと言って、いのちある食べ物を壊さずに食べることを大切にしています。大地と宇宙がつながっている音楽がレゲエで、その精神は食にも通じるところがあります」
こう話すのは、オーナーの上野輝江さん。ジャマイカで菜食を学び、麻の実という素材に出会ってから、動物性食品を使わずにオーガニックな食材をシンプルに調理した料理を店で出すようになりました。さしずめ、バグースで出している料理は「食材のいのちを大切に引き出す」レゲエ料理とも言えそうです。
好評を博しているランチは日替わりで、ワカモレ(アボカドのディップ)ののったタコライスや、麻の実カッテージチーズ風の冷製ジェノベーゼ、麻の実ハンバーグなど。スープ、野菜のソテーやサラダ、デザート、ドリンクがついて1200円。これらの料理は肉、卵、乳製品、砂糖を使わないためとてもヘルシーでありながら、麻の実のコクとうまみでしっかりと満足感を味わえます。一番人気のハンバーグは雑穀米、麻の豆腐、炊いた高キビを混ぜるなど、一つひとつの料理に手間と愛情を込めてつくられているのがよくわかります。
野菜の新鮮さ、味の濃さも特筆すべきところ。スタッフのクリさんの実家から直送される無農薬の野菜や豆は、プレートにキラキラと彩りを添えます。繊維質やビタミンEが豊富で、玄米と組み合わせればそれだけで完全食になるという麻の実の効果で、食べながら美しく、健康になれるのもうれしいところ。
もちろんバーがメインなので、夜の雰囲気も満点。麻の実豆腐や麻うどん、麻のビールなど、アラカルトで麻の実料理を堪能できます。深夜2時まで営業しており、「夜中でもヘルシーな料理が食べたい!」という人にもおすすめ。
大切な方とのゆる〜い時間に、一人で静かな時間を過ごしたい時に、気軽に訪ねられる一軒です。
*キタハラ’s eye*
バグースのお料理は、動物性食材を使っていないのにどっしりと食べごたえがあって、とても満たされます! 毎回麻の実を炒ったり搾ったりと、ものすごくていねいな調理プロセスを踏んでいて、それがすべて味に反映されています。心のこもったお料理は、食べる人を癒す。つくり手のバイブレーションが感じられるんです。ああ、ヘンプ料理が食べたくなってきた……。
Bagus(バグース)
住所:神奈川県川崎市高津区二子5-6-8 小出ビル1F
TEL:044-811-4264
OPEN:平日11:00〜15:00(14:45LO)、17:00〜2:00、休日11:00〜2:00
定休:月曜ランチ
席数:店内カウンター6席、テーブル6席、テラス4席
駐車場:なし
アクセス:東急田園都市線高津駅徒歩2分
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