『気候変動 +2℃』
著者:山本良一(責任編集)、Think the Earth Project
出版社:ダイヤモンド社
発売日:2006年4月
価格:1260円
「地球の気温は、この100年間で0.76℃上がった」
こう言われても、ピンとこない人は多いと思います。
しかし、平熱が36.5℃の人の体温が0.76℃上がったとしたら、37.26℃。だるくて、ぼーっとして、ちょっとつらいはず。
今の地球は、そんな状態と言えます。
そして、IPCCの報告によると、2100年までに地球の温度は最大6.4℃上がるとか。
体温に換算すると……、42.9℃!!
この体温が続けば、まさしく生命の危機。
地球は今、そんな状況におかれているのです。
『気候変動 +2℃』のタイトルにある+2℃は、「人類が越えてはならない一線」と、編者であるThink the Earth プロジェクトの上田壮一氏はまえがきで語っています。
わたしたちの暮らしによって、地球の気温上昇はすでにとどめることのできない流れとなっています。
でも、100年後に+6.4℃までにはならないよう、人類が一丸となって地球温暖化防止に力を注ぐことで、+2℃までのラインを維持することができるはず……なのです。
本書は、右ページに地球の地図、左ページに地球の歴史、温暖化のインパクト、コラム、未来を変える取り組みで構成されています。
ページをパラパラとめくると、1950年から2100年までの150年間の地球の気温の変化が如実にわかります。
地図上に表示される色は、1900年との気温の差。赤から黄色になるにしたがって気温が上昇していることがわかります。
ページを繰るたびに、黄色いもやがかかっていく地球……。どこか、おそろしさを覚えるのは気のせいでしょうか。
気温は、目には見えない。だからこそイメージするのは難しい。
でも今、誰もが「暑い」「何かおかしい」と感じているはずです。
その直感、危機感を「行動」に移さなければ、わたしたちの子どもたちの未来は、ない。恐ろしいですが、目を背けてはならない「不都合な真実」と言えそうです。
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