お茶の水のGAIA、西荻窪のほびっと村、表参道ならクレヨンハウスやナチュラルハウス、三軒茶屋のふろむあーす、そして港北ニュータウンのPLANT’S。各地に点在するエコロジーショップは、オルタナティブ・カルチャーの拠点とも言えます。たまプラーザならば間違いなく「礎波(そわ)」でしょう。オープンしてまだ2年ながら、今やこの地になくてはならない存在になった自然食品店、自然派雑貨店でありオーガニック・カフェです。
この店の若きオーナー・岩崎玲子さんは、学生時代からこれらのスポットに吸い寄せられるように通い詰め、そのままそれが生業に。勤務時代から物販を担当し、仕入れや商品陳列のキャリアを積んできました。岩崎さんの長年の経験とセンスからか、小さなお店に所狭しと並んだ食品や雑貨は回転がよく、店の隅々までいい気が巡っています。手作り雑貨と器、調味料と乾物とナチュラルスイーツ、肌着と本と化粧品など、関連するものに次々と手がのび、ついつい財布の紐がゆるんでしまいます。
「私、学生時代にカフェでいい時間を過ごさせてもらったんです。だからでしょうか、一店員として店の空気にとけ込み、お客さんに居心地のいい空間を提供したくて」
岩崎さんは特に雄弁に語るわけでなく、穏やかにほほえみながら毎日店に立ち続けます。しかしながら店の商品は岩崎さんが吟味し、厳選したものばかり。問われれば商品の背景や生産者の思いまで熱く語ってくれます。その心意気が実に気持ちいい。
礎波のごはんは、トマトチキンカレー以外はベジタリアン仕様。この日いただいたのはエスニックピラフ(1000円)で、ひまわり、くるみ、かぼちゃの種やアーモンドなどのナッツ&シード類と豆類、根菜をじっくり炒めたスパイシーでコクのあるピラフと、クレソン、水菜、クスクスのサラダにベジブイヨンスープがセットになったもの。ほかにもお総菜中心の玄米定食や玄米おむすびなど、毎日食べても飽きのこない、ほっとするごはんが魅力です。
「お菓子一個、パン一個を買いにきてくれるおばあちゃんがいる。なにを買うわけでなくただ顔を見せてくれる中学生。おなかの大きかった妊婦さんが、何ヶ月か後に赤ちゃんを連れてカフェでのんびり一息つく……。お客さんの顔を見ていると、この店が地域のファミリーに根付いてきた実感があります」
岩崎さんはそう言ってほっと息をつきます。まるでサザエさんに登場する「三河屋さん」のように自転車でお客さんの元へ配達に出るなど、自然食の目利きとしてすっかりこの街にとけ込んでいる様子。今後はクルマでの引き売りも構想中だとか。
田園都市のオルタナティブ・カルチャーを引っ張る礎波から、今後も目が離せません!
日替わりの玄米定食(1000円)は、毎日食べたくなるような素朴なお惣菜が魅力だ。土づくりからこだわった野菜の力強さを実感できる。カフェで出す料理の食材がお店で手に入るのもうれしい
*キタハラ’s eye*
実はキタハラは妊娠中、助産院の指導で動物性の食品と砂糖、乳製品を絶った食生活を送っていました。その助産院と提携医療機関がたまプラーザにあったため、健診の後はその足で礎波に寄ってお茶をしたり、砂糖不使用のナチュラルスイーツを買いこんでおりました。取材の日もカフェで顔を会わせたのは、同じ助産院の妊婦さんやOGさんたち。初対面同士でも何となく雰囲気でわかるもので、会話が弾みます。お腹から出てきた赤ちゃんたちの同窓会(?)もしばしば行われているそうです。
礎波 –sowa-
住所:神奈川県横浜市青葉区美しが丘5-1-5-110 第3吉春ビル
TEL:045-904-1286
OPEN:11:30~22:00
定休:火曜
席数:テーブル10席、カウンター3席
駐車場:1台
アクセス:東京田園都市線「たまプラーザ」駅より徒歩3分
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