今年は全国各地で局地的な豪雨が頻繁に起こっていますね。1時間に50ミリどころか、100ミリを超す激しい雨、そして風。道路は瞬間にして水浸しになり、数メートル歩くだけでも全身がずぶぬれになってしまいます。それなのに、隣の市ではまったく何ともなかったり……。
一昨年、東京都内の下水道のマンホール内で作業をしていた5名が流される事故が起きたのは記憶に新しいところですが、今年も九州地方を中心に激しい豪雨が続き、先日は中国でも大規模な土砂災害が起こるなど、その傾向は世界的に広がっているようです。
「ゲリラ豪雨」という表現がすっかり定着しましたが、瞬間的に激しい雨が降り、それが甚大な災害を引き起こしてしまうという意味では、まさに「ゲリラ的」とも言えます。スコールとも言えるような風雨の強さに、日本が熱帯化してしまったのではないかと思えるほど。
さて、この「ゲリラ豪雨」ですが、地球温暖化との関係が指摘されています。
近年、このような突発的な豪雨や猛暑、台風の巨大化、水不足など、異常気象が多くなったと実感している方も多いと思いますが、それらは全て温暖化と関係があるのでしょうか?
答えは……「今のところはまだわからない」というのが本当のところです。
以前、日本、カナダ、イギリスの気象予報士が地球温暖化と気候変動について語るイベントの取材をしたのですが、その際、予報士たちは口を揃えて「日々の天気の積み重ねである“気象”の一つを、気候変動という大きな流れに直接結びつけることは危険である」と述べました。
その日起きた豪雨は必ずしも温暖化が原因であるわけではない。ただ、データが積み重なることで、異常気象の一つひとつにある法則性が見つかり、大きなトレンドを形成していけば、地球温暖化という気候変動との明確な関連が見つかる可能性はあります。
例えば日本では、この10年の間に1時間に50ミリ以上の雨が降る回数はこの10年で3000回に上るといい、100ミリを超える極端な豪雨はこの30年間で2.3倍に増加しているそうです。
このことから、「極端な豪雨が増えている」というのは、一つのトレンドとして認めることができそうです。
これまでは、わたしたちの生活が日々の気象に影響を及ぼすなどということは考えられなかったことですが、「ゲリラ豪雨」などの異常気象と地球温暖化の関連が証明されれば、「地球温暖化の原因は人間活動」である以上、わたしたちにもそれを止める責任が生じてくるわけです。
※この記事はWaveよこはまのブログに執筆したコラムを再編集したものです。
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!