2日間午前午後の部上映、計4回すべてで鎌仲監督のトークつきというてんこ盛りの内容でしたが、何と650名もの方にあざみ野にお越しいただきました。(写真・松山ちかこ)
2日間で650名。下はゼロ歳の赤ちゃんから、上は80歳以上の方が複数名と、まさに老若男女が会場を埋め尽くし、みなで「地域から、足下からのエネルギーシフト」を考えるよい機会になりました。
ミツバチ上映会の成功要因を考えるに、何と言っても、鎌仲ひとみ監督ご本人が会場に足を運んでくださり、生のメッセージをお届けできたことにあります。
計4回の上映すべてでお話ください……今日本で最も多忙な映画監督である鎌仲監督に無理なお願いをしたのにも関わらず、快くOKしてくださいました。
4回とも、会場の雰囲気や、私たち実行委員とのやりとりのなかから、今いちばん必要なお話をしてくださったように感じます。
初日は、鎌仲監督のドキュメンタリー映像作家としての原点である「ヒバクシャ 世界の終わりに」を撮影するなかで、湾岸戦争で落とされた劣化ウラン弾で多くの子どもたちが被ばくしいのちを落としていく状況を目の当たりにし、「これ以上被ばくで子どもたちを死なせたくない」その思いから12年間で3本の映画を撮ってきた、というお話をされました。
そして今、日本で起こっていること……
史上最悪の原発事故が起こり、今なお事態は収束していないのにも関わらず、いまだに多くの日本人が「原発がないと経済成長できない」とそれに固執する現状。
鎌仲監督はこれを「何十年も渡ってコマーシャルの力で日本人を洗脳してきた。日本人の根っこに深く染み着いた原子力プロパガンダの霧を今こそ払っていくべき」と力強く指摘しました。
また、「わたしたちが声を出さないからこそ、原子力利権者がやりたい放題している。今、地域の中で普通の女性たちが声を上げ始めた。ネットワークの力で自治体を動かし、戦略をもって真の民主主義を実現していこう」とメッセージをくださいました。
鎌仲監督は、透き通る明瞭な声で、熱く、しかし冷静に、ご自身で見てきたメディアが報道しない現実を示してくださいました。
「生の言葉」ほど、人の心に深く染みていくものはない、と、会場の皆さんの表情を見ながら感じていました。
6月30日・7月1日の2日間、あざみ野は熱気と、思いやりと、感動と、共感と、勇気と、希望に満ちていたように思います。
東電福島第一原発での事故で、社会を知りたい、生き方を変えよう、そんな想いを持った方々の、第一歩だったのかもしれません。
上映会を終えてみて、「これがゴールなのではなく、スタートなんだ」ということも、改めて痛感しました。
今回は、わたしたち自身で地域の未来をつくっていくための一石を投じたにすぎません。
むしろこれからの地道な活動ことが、本番なのだと思います。
鎌仲監督には「まずは3年よ。3年続けば、5年、10年と続いていくから」と、励ましの言葉をいただきました。
10年経ったころ、「あの日あざみ野から始めたロコ・エネシフト。意外と早く実現できたわね」と、祝杯をあげる日が来るのでしょうか。
森ノオトのメンバーから3人が参加したあざみ野ぶんぶんプロジェクト。
今後も森ノオトとゆるやかにからませながら、「地域の、足下からのロコ・エネシフト」の動きをレポートしていきたいと思います。
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