あざみ野で、うまれて、つながったもの。
ゴールデンウィーク最後の日曜日、アートフォーラムあざみ野で開催されたドキュメンタリー映画『うまれる』の自主上映会に参加してきました。午前の部も午後の部も会場は超満員。キャンセル待ちを求める人の列で大盛況でした。小さな子ども連れでも参加できる「ママさんタイム上映会」、子どもの泣き声や笑い声をBGMに、映画は一人ひとりの心に、静かに染み込んでいきました。

赤ちゃん連れのママやご夫婦で参加された方も多かった

 

この映画『うまれる』の自主上映会は、あざみ野に住む1歳児の母・持田三貴子さんが「映画の感動を地域の人たちに伝えたい!」という熱い思いをもって、自主上映グループ「キラキラ☆マミーズ」を立ち上げて実現しました。誰もが「うまれる」ことをしてきた存在。そして毎日一生懸命生きています。「あざみ野で、うまれる。つながる」がテーマの上映会には、実に多くの人たちが足を運び、自分自身の「うまれる」を見つめて帰っていきました。

 

映画では4組の夫婦にとっての妊娠や出産をテーマに物語は進みますが、実は100組以上の夫婦・家族を取材し、インタビューしたなかで生まれた作品です。

両親の不仲と幼いころの虐待の経験を持つ伴真和さん・まどかさん夫妻に赤ちゃんがやってきて、二人は時に戸惑いや不安を語ります。「赤ちゃんは親を選んでうまれてくる」という胎内記憶のエピソードを軸に、4組の夫婦の物語が紡がれていき、最後に赤ちゃんが産まれてエンドロールに向かいます。

 

 

午前の部と午後の部の間に講演に立った豪田トモ監督は、「伴さん夫婦に会った時に、二人はボクの分身だと思いました」と語りました。幼いころ親に愛された記憶がなく、自分が結婚することも親になることも想像できなかったという豪田監督、「二人を通じて自分と向き合う作業をしていた気がします」と、映画製作のエピソードを語りました。

 

映画完成後のパーティーで監督のお父さんはステージに立ち「息子を誇りに思う」と話したそうです。映画を通じて親との関係を築き直し、そして映画公開と同時に父になった監督。「自分の過去は変えていける。過去を変えると未来も変わる」と感じたといいます。

 

 

プロデューサーの牛山朋子さんとの間に生まれた詩草(しぐさ)ちゃんがステージに駆け寄るシーンも

 

いまではすっかりイクメン代表として、子育てに没頭しながら次回作の準備を進めている監督。「理想の育児は、夫婦仲がカギになる」と話します。その秘訣を「T.E.L.ですよ」と教えてくださいました。

 

T…Touch さわれるくらいそばにいること

E…Express 愛情を表現すること

L…Listen 聞くこと

 

なるほど。これは、妻に対しても夫に対しても子どもに対しても、そして親に対しても共通することかもしれませんね。

 

「産んでくれてありがとう。これを、親に伝えたことはありますか?」

と監督。わたしは……誕生日のたびに思い何度も伝えています(笑)が、会場のなかで手を挙げた人は少なかったように思います。映画を見て感じるのは、「いのちの存在とは、本当に奇跡的だ」ということ。お腹に宿るだけでも奇跡。うまれることも、そして育つことも、たくさんの奇跡が積み重なって、いまにつながっています。

 

「親に、うんでくれてありがとうと言ったら、人生が金メダル級に変わりますよ!」と豪田監督、ご自身が実践したところ、親に気味悪がられたそうですが、そこから「生まれ変わったように、人生のスイッチが切り替わった」とのことです。

 

 

ドキュメンタリー映画は、映画として作品が完成した後も、登場人物の物語は続いていきます。そして、映画には出て来なかったけれども、いまを精一杯生ききっているおおぜいの人たちの人生があって、監督自身の物語を重ね合わせるように、私小説を綴るかのようにこの映画はできています。観る人の人生もまた重なり、人それぞれに心に響くポイントや涙するシーンも異なってくるのでしょう。

 

わたし自身は、上映会場で、自分のムスメを取り上げてくださった助産師さんにお会いして、自分の出産を振り返りながら、いまムスメがここにいてくれる奇跡に、ただただ、ありがとういう気持ちでいっぱいになりました。そして、自分がいまここにいる奇跡と、この地域でたくさんの人たちに出会った奇跡、いのちをつないでくれた両親に……たくさんの感謝がうまれました。

 

あざみ野で、うまれた。つながった。

 

上映会を開催してくださったみなさん、おつかれさま、ありがとう!

 

<過去記事>

5/6(日)子宮生まれのすべての人に贈る感動のドキュメンタリー映画「うまれる」上映会inあざみ野

https://morinooto.jp/morijoho/dengonban/56in.html

この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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