『お母さん版エネルギー基本計画』出版!
森ノオトのメンバーも参加している「あざみ野ぶんぶんプロジェクト」。3.11の震災以降、自分たちの暮らす足下からエネルギーの未来を考え、持続可能な社会をつくる主役になろうと立ち上がった地域の市民たちの活動です。映画『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会から1年、この1年間で開催してきた勉強会の集大成でもあり、生活者視点で考えたエネルギーの未来を提案する小冊子『お母さん版エネルギー基本計画』を自費出版しました。

 

あざみ野ぶんぶんプロジェクトが立ち上がったのは2011年4月18日。東日本大震災と福島原発の事故から1カ月が経ち、窓を閉め切って暮らしていた生活から、ようやく地に足つけ未来向けて動き出す機運が高まってきたころでした。

 

原発事故が起こるまで、日本のエネルギーのこと、政治や社会のことに無関心でコミットしてこなかった、無知だった自らを反省し、持続可能なエネルギーに向け学び、活動をしているスウェーデンと山口県の祝島の人々を描いた映画『ミツバチの羽音と地球の回転』をアートフォーラムあざみ野で自主上映したのが2011年6月30日・7月1日。のべ650人もの人が足を運び、変化の機運と熱気を感じた2日間でした。

 

映画を上映して問題提起して、それで終わりにはせず、継続してエネルギーに関する学びと行動の場をつくりたい、というのがあざみ野ぶんぶんプロジェクトのねらいです。映画上映後、わずか1年の間に、13回もの勉強会を独自に企画し、運営してきました。

 

7月24日、アートフォーラムあざみ野でおこなった『お母さん版エネルギー基本計画』出版記念発表会。

 

2012年3月より準備を始め、4月から3回連続の講座で日本や世界のエネルギー資源や、現在経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本問題委員会で議論されている、2030年の日本のエネルギーの選択肢についての内容、家庭で使われるエネルギーの割合や、エネルギー効率について、キタハラがレクチャーする形で進めてきました。そして、毎回自分の頭で自らがどうエネルギーと接していくのか考えるワークを課し、それを参加者全員で対話しアイデアを共有し、最後に発表する「ワールドカフェ」の手法でシェアしてきました。3階の勉強会で学んだこと、考えたことを、実行委員が「ぶんぶんブックス」という小冊子にまとめ、自費出版したものを、会場にいらした皆さんに販売し、その内容を発表しました。

 

 

発表の後は、参加者全員で、現在政府が意見募集している「2030年のエネルギーの選択肢」についてのパブリックコメントを書くワークをしました。端的に結論をまとめ、その理由を導き出す書き方と、その裏付けとなる動機や理論をキャッチコピー風にまとめる手法を提案しました。会場にいた26名のパブコメがホワイトボードにずらりと並びました。

 

 

そして、参加者全員で架空の電力会社「あざみ野ぶんぶん電力」について語るダイアログもおこないました。5つのテーブルに分かれ、一人ひとりがアイデアを話し、ふせんにメモして、共通点を探り、まとめていくスタイルがぶんぶん流です。

 

実はこの日、政治家、環境に詳しいジャーナリストやライター、自然エネルギーの専門家など、いわゆる「有識者」も多数参加していました。そこにあざみ野近辺在住の生活者が混じり合い、対等に平等に自分の考えを話し合い、アイデアをシェアし合う、ある意味とても画期的な場だったように思います。

 

 

最後に、5つのグループごとに、あざみ野らしいエネルギー社会のアイデアを発表しました。例えば、「シェアするライフスタイル」というキーワード。「家電や道具をシェアするアンテナショップがあるとよいのではないか」、とか、「あざみ野エリアの屋根や壁にたくさんのソーラーパネルがついて、全部合わせてメガソーラーにしよう」とか。

 

それから、アートやデザインの感度が高い青葉区の風土性を生かし、「オシャレなロゴを地域のソーラーに貼る」「カッコイイパネルをつくってモニュメントにする」というアイデア。緑化をエネルギーととらえ高く評価するという案も出されました。

 

 

ほかにも、青葉区を流れる鶴見川や恩田川に小水力発電を設置し新しい時代の「水車」を楽しむ風土づくりや、節電や省エネをポイント化し地域通貨的に使えるスマートフォンのアプリの開発など……。みんなで話したおもしろいアイデアは尽きず、またこれが本当に実現していくのではないかと、ワクワクドキドキしました。

 

キタハラはこの発表会で、「ここで発表された内容はすべてオープンソースにするので、どんどんシェアして持っていってください」とお伝えしました。政治家の方は政策のアイデアとして、メディアの方はネタとして、主婦の方は節電TIPSとして、教育関係の方はコンテンツとして。無限にあふれてくるアイデアの源泉は、参加者一人ひとりの頭に、心にあります。それを引き出し発揮する場を、これからもこの地域に、たくさんつくっていけたら、と感じました。

 

 

この『お母さん版エネルギー基本計画』は、キタハラが文章と編集を担当し、あざみ野ぶんぶんメンバーで切り絵作家の梅原あき子さんが切り絵で図表や挿画を、ヨシムラユウキさんがグラフィックデザインとイラストを担当しました。

 

1冊500円で、区内の協力店舗で販売しています。

 

<販売店>

■オーガニックカフェ・ソワ[礎・波](たまプラーザ駅徒歩3分)

http://wx25.wadax.ne.jp/~morinooto-jp/denennavi/tabearuki/vol5–sowa-.html

■鍼灸治療院・漢方薬局「天命堂」(青葉台駅徒歩8分)

http://ten-mei-do.jimdo.com/

■郵便振替にて発送も受け付けます。

1冊500円(送料100円)

5〜9冊 1冊あたり450円(送料200円)

10冊以上 1冊あたり400円(送料実費)

希望冊数と送付先ご住所・お名前をご記入のうえメールでお申し込みください。

azaminobunbun@gmail.com

☆あざみ野ぶんぶんプロジェクト

http://azaminobunbun.blogspot.jp/

☆お母さん版エネルギー基本計画Facebookページ

https://www.facebook.com/momenergypolicy

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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