NPO法人森ノオトでは、青葉台周辺のエコな情報を発信するメディア事業をコアにしながら、地域に「エコの種まき」をしていきます。
3年ちょっとメディアを運営して感じるのは、「メディアとはネットワークの核である」ということ。森ノオトのメインターゲットはこの地域で土とつながりながら豊かな暮らしを送りたいと志向する人たち。持続可能性や未来世代への責任を感じ、日々の消費行動を自ら考え選択するようになる子育て世代の女性にファンが特に多いようです。「お母さんたちに観てほしい」「女性に来てほしい」「地域を愛する人に参加してほしい」……そんな自主イベントの告知依頼も増えてきました。
森ノオトのサイトリニューアルにあたり、これまでに発信してきた900の記事を分析しました。
「農」「田んぼ」「農家」「地産地消」「自然素材」「子育て」など「田舎暮らし」を連想するビッグワードが並びます。ですが、森ノオトで発信しているのは渋谷から30分、横浜からも30分のエリア情報。平日は都心で働きながらも、土日には土とふれあい緑に囲まれて暮らすことができます。地方に移り生き方を180度ガラリと変えるダウンシフトなライフスタイルが注目されるなか、それに憧れても仕事など様々な現実のなかですべての人がそれを選択することもできない、そんな状況で、森ノオトエリアならば「おりきらずに、おりていける」ライフスタイルが実現できる、それがこの地域の最大の魅力ではないかと感じています。
それに、青葉台周辺には、なんて魅力的な人たちが住んでいるのか、と日々実感しています。明るくて個性豊かでアイデアと行動力に満ちあふれ、地域を元気にしたいと楽しさを生み出せる人たちに囲まれて暮らしている。いつも、あのお店に行っておしゃべりして元気をもらおう、と「商品以上の幸せ」をもらっています。
森ノオトがNPOになると、何が変わるの? なんでNPOなの?
ここは、NPO法人化に向けて1年準備をするなかで、とても迷い悩んだ部分でもあります。たとえば、いままでのように個人事業の範囲で委託を受けて運営することも可能でした。株式会社にして広告収入を得ながら営利事業として運営していく手もあり、また合同会社や一般社団法人などの法人格を検討したこともあります。ただ、森ノオトが目指す「地元にエコの種まきをして、都市生活者のライフスタイルが自然や地球と調和するよう、ゆるやかな変化が起きる情報を発信する」というビジョンそのものが地域の公益事業であり、そのコンセプトを実現するために多様な主体が参画できる枠組みが「特定非営利活動法人」だったのです。
むしろ、これまでの活動や発信の価値を一つひとつ吟味していくと、たまたま公益の分野にあたることをやっていた、という方がしっくりするかもしれません。
森ノオトでは今後、「メディア事業を通じてまちづくりのプレイヤーを増やしていく」ことに取り組みます。具体的には、「森のリポーター」活動を充実させていくこと。
子育て世代の女性は、地域にいる時間が長い。この地域に暮らすお母さんたちが子どもを連れて動ける範囲は、森ノオトの取材エリアと合致します。徒歩で動ける、あるいは電車やバスの乗り換えがなく(少なく)、子どもの成長を一緒に喜び合えるような関係性を育める場所に、自然と足が向いてきます。
記事を読む立場から、記事をつくる方に参加していくと、地域との関係性が密になり、自分がまちの一員で一因でもあることが身近になります。お店に行ってただモノを買い、食べる一方通行の関係から、会話が生まれ愛着が育まれる。メディアに参加する=地域に参加する。森ノオトのリポーター活動を続けていて、そんな変化をリポーター一人ひとりに見るようになりました。
リポーター一人ひとりの創造性、企画力、提案力にも驚かされてきた日々。「いま、ここ」から半径を少し広げ、「明日、未来」まで見据えたやさしさ、思いやり、行動を、まちづくりに生かすことができたら、きっと、もっと、まちはよくなる。そう信じています。彼女たちのチカラがが発揮できるような枠組み、プラットフォームをつくりたい、と考えています。
「自然共生」「地域循環」「持続可能性」のキーワードで活動をしている人たちとコミットしながら、暮らしの中から社会を楽しくするアイデアを発信し、人と人を結びつける「コト・バ」づくりに着手していきます。
これまで多くの読者の方に支えていただき、ありがとうございます。そして、今後も特定非営利活動法人森ノオトをどうぞよろしくお願いいたします。
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