2014年3月、横浜市でIPCCの総会が開催されます。IPCCとは「Intergovernmental Panel on Climate Change=気候変動に関する政府間パネル」という国連の機関で、世界的に活躍する専門家たちが、地球温暖化に関する科学的な知見を集め、研究する機関です。
IPCCの報告書は各国政府の環境政策に大きく影響します。「地球温暖化」というキーワードが広く世に知れ渡り、企業の環境貢献活動が目立つようになった2007年、2008年ごろは、まさにIPCCによる「IPCC第4次評価報告書」が発表されたタイミングです。
2014年は「IPCC第5次評価報告書」が発表されます。横浜で開催されるIPCCの総会では、特に地球温暖化によるわたしたちの暮らしへの影響と、適応策について話し合われます。
さて、読者の方で「適応策」という言葉を目にしてピンとくる方はどれほどいるでしょうか。ちょっと難しいですよね。
地球温暖化対策は大きく二つに分かれます。
「緩和策」とは、地球温暖化の影響を少しでも減らすために、省エネや節電、CO2を吸収する森林を増やす、あるいは森林の荒廃を防ぐ、自然エネルギーを増やしていくなど、時間はかかるけれども根本的に温暖化を解決していこうとする対策のこと。
一方「適応策」とは、地球温暖化の影響はもはや避け得ないものとして、いま目の前に迫る危機をどう回避していくかということ。身近な例で言えばゲリラ豪雨への対策や、急な水害の対処のために堤防を強化する、伝染病の予防などが挙げられます。
病気を例にすると、「緩和策」は病気にならないためのカラダづくり、体操や食生活の改善など。「適応策」は病気になった時にクスリを飲んで熱を下げる、いわば対症療法的な対策と言えます。
いまのうちにこのキーワードをおさえておくと、世の中の環境に関する動きがとてもよくわかるようになると思います。そして、キタハラは来週、事前の勉強もかねて横浜市温暖化対策統轄本部が主催するこちらのイベント
【中央図書館 de YES】地球温暖化をもっとよく考えるための最新科学知見 ー異常気象と人類の選択ー
に参加してきます!
国立環境研究所気候変動リスク評価研究室長で、YESアンバサダーでもある江守正多氏は、世界的に活躍する温暖化の専門家。わかりやすい語り口で、メディア等でもたびたびご出演なさっている方です。「IPCC第5次評価報告書」の執筆者でもある江守さんが、2013年9月に発表されたばかりのIPCC第1作業部会の内容を踏まえつつ、温暖化の仕組み、現状、将来予測について、最新の科学的知見に基づいてお話をされます。また、講座では、温暖化のリスクや異常気象と温暖化の関係についても紹介されるとのこと。
来年は、森ノオトでも「温暖化」「適応」という言葉を、数多く使うことになると思います。
暮らしのエコを、市民生活や、子どもたちの未来のためにどう伝えていくか、この講座でしっかり学んできますので、皆さん、お楽しみに!
そして、自らが最新の環境問題の知見を学びたいという方は、ぜひこの講座にご参加ください。
講座についての詳しい内容はこちら ↓
http://www.city.yokohama.lg.jp/ondan/yes/pdf/h25/131112emori.pdf
【中央図書館 de YES】地球温暖化をもっとよく考えるための最新科学知見 ー異常気象と人類の選択ー
日時: 2013年11月12日(火)14:00-15:40
場所: 横浜市中央図書館 地下1階ホール
定員: 100名
申し込み先:横浜市温暖化対策統括本部 YES事務局
電話 045-671-4107
FAX 045-663-5110
*申込時に、「講座名、参加日、参加者全員の氏名・住所(お住まいの区まで)・電話番号」をお知らせください。
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