「子どもは外で遊ぶことで本来の生きる力が育つ!」天野秀昭さん講演会レポート
2013年12月6日(金)、青葉台地域ケアプラザで青空自主保育ぺんぺんぐさ主催、天野秀昭さんの講演会を開催しました。当日は満員御礼! 立ち見御免の大盛況。小さなお子さんを連れたお母さんたちもたくさん参加してくださいました。 天野さんの盛りだくさんなお話な中から、ほんの一部ですがご紹介します。(written by 秋山貴子)

先日森ノオトでも告知させてもらった天野秀昭さん講演会「外で遊んだほうがいいの?〜子どもの根っこは遊びで育つ。心も、体も、脳も育つ〜」が、青葉台地域ケアプラザで開催されました。私自身も天野さんのお話を直にお聞きするのは初めてで、感動で心が震えるよ! という話も耳にしていたので、ワクワクしながらこの日を迎えました。

 

講師の天野秀昭さんは、日本初のプレイパークである羽根木プレイパーク(東京都世田谷区)の創設に携わり、初の有給プレイリーダーにもなった方。長年、子どもの遊びと関わり合いながら、子どもの育つ姿を目にしてきました。

子どものやりたいことは基本的に何でもやれるようにしよう! とスタートしたプレイパークでは、水遊びや泥遊び、木登りをはじめ、のこぎりや金槌といった工具や廃材を自由に使えたり、火おこしができたり……と、普通なら「危ないから」という理由で子どもから遠ざけられる遊びの材料が豊富にあります。

 

子どもの遊びの世界に大人が入ると口うるさいしマイナスになることばかり、とおっしゃる天野さん。でも、プレイリーダーという立場から、子どもの遊びに大人が関わることの意味を、子どもの視点から模索してきました。

 

講師の天野秀昭さん。「カッパでもハゲでもおやじでも、好きなように呼んでください」と話す、とっても気さくなおじさんでした

 

子どもにとって、「遊ぶ」って何なんでしょうか?

それは、「やってみたい」という子どもの動機に他ならないと天野さんは言います。そしてそのやってみたいという動機、情動こそ、子どもの内側から湧いてくるもの、その子自身なのです。幼児期にこの情動がきちんと保証されないと、その子が思春期を迎え自我が芽生えたときに、自分の判断基準がもてなかったり、自分の生きる意味が見いだせないなど、非常に生きにくい思いをすることに……。プレイパークでそういった思春期の子ども達の姿を多く目の当たりにし、幼児期のもつ遊びの意味の深さに気付いた、と天野さんは話していました。

 

この情動は、体の発達についても密接に関わってきます。たとえば歩き出したばかりの子どもは、やってみたいという一心で挑戦し、何度も失敗を繰り返しながら、歩くことを体で獲得します。走るということも同じです。最初はあまりスピードも出ないし、背も小さいので、たとえ転んでもたいしたケガにはなりません。子どもの発達に応じて、それなりに転ぶ体験をしていれば、転んで大きなケガをすることから身を守る、という自己防衛力を自然に学んでいくのです。でも、走ると危ないからと言って転ぶ体験があまりできないまま体力がついていくと、大きくなっていざ転んだ時に手が出せず、頭をぶつけたり歯を折ったりという大ケガにつながってしまうそうです。

天野さんは、「親が子どもにできる一番の安全の保証は、子どもが自分で自分の身を守る力を備えること、これに勝る安全対策はありません。子どものやってみたい情動を、大人の感覚で制御してしまうことで、いかに子どもがもつ本来の育つ力を削いでいるか」とおっしゃっていました。

 

3歳になった息子の姿を見ていても、大人からしてみればなんでわざわざ危なっかしいことに挑戦するのか、という行動ばかり。もちろん本当に危険が伴う可能性があるときは声をかけるけれど、いろんなことを試し試し遊んでいるうちに、親が思っている以上に様々なことが出来るようになっているものです。また、出来た時の得意そうな満足気な顔を見ていると、天野さんの言う生きる力って、こういう日々の何でもない遊びのなかで培われていくものなのだろうなあ、ふと振り返ってみて感じました。

 

また、今回の講演のテーマでもある「外で遊ぶ」ということについて、外と家とでは体に対する刺激がどれだけ違うかを例にあげてお話ししていました。

「脳や体のアンテナが活発に働き、体が最もつくられていくその時代が、まさに幼少期。その幼少期に使われるべき体の機能が使われないと、臨界期に脳細胞は死滅してしまいます」

たとえばデコボコの地面を歩くということひとつとっても、それだけで子どものバランス感覚を根本的に変えていきます。いろいろな自然環境で遊びながら体の中の様々な機能が育っていくのだそうです。

 

たしかに、外にいるとそれだけで、寒かったり暖かかったり、鳥のさえずりが聞こえてきたり、草花の匂いがしたり、日差しがまぶしかったり、大人は当たり前のことすぎてあまり意識しないけれど、幼い子どもにとっては本当に五感がフル回転で体得しています。きっと大人の何十倍もの感度でいろいろな細胞が働いて、たくさんの刺激を受け取っているんですよね。

 

会場には乳幼児連れの方のためのマットスペースを2カ所。お子さんをあやしつつも、みなさん真剣にお話を聞いていました

 

最後に、「子どもは子ども時代にしかできないことが山ほどあって、成熟した子ども時代が必要なんです。人間には本来、生きる力が遺伝子に組み込まれていて、子どもは、自分自身が育つために必要があって、遊びのなかから「危ない」「汚い」「うるさい」ことをやっているのに(天野さんはAKUと名付けていました)、大人がしつけと称して子どもを管理することで、自分の命を自分で確認することもできなくなっています」と天野さん。

 

自分で生き抜く力をどうやったら伸ばしていけるのか、子どもが育つってどういうことなのかを、改めて大人が、社会が、根本から考え直さなければならない時にきているのだ、とおっしゃっていました。

 

「とは言っても、やっぱり親はわが子に対してだけは視野が狭くなるもの。うちの子は誰かが育てて、他の子を私が育てる、というくらいの気持ちがいいんですよ。子どもにとって親が何人もいるような状態が、親にとっても子どもにとっても、どれだけゆとりをもたらすか。親もね、よそのうちの子を見ると心が広くなって、それを通じてわが子の理解も進むんです。うちの子はバカだと思っていたけど、もっとバカな子が他にもいっぱいいたとか(笑)、うちの子育てこんなんでいいかしらと思ってたけど、あんなでも育つんだ、とかね(笑)。親だけで子育てなんて大変。たくさんの人たちと子育てを共有してください。子育てなんて、この時期は本当に短いから、共有しないと味わえない、面白いことがたくさんありますから……」

 

余談ですが、天野さんのお子さん達は、天野さんが立ち上げた自主保育(偶然にもその自主保育の名前もぺんぺん草!!)で育ち、小学校に入る前日までずーっとプレイパークで過ごしたのだそうです。そんなお子さん達も、今では立派な大人となり、自分に子どもができたら自分も同じような子育てをしたい、あの時代は自分の大切な宝物だ、とおっしゃっているそうです。

 

私も、わんぱく息子の育児に日々奮闘しながら(笑)、自分の子どもにそんな風に思い出してもらえるよう、子ども時代を思う存分遊んで過ごしてほしいなぁと思っています。同時に、楽しくみんなで子育てを共有できる環境がもっともっと広がっていくといいなと、天野さんのお話を伺って改めて思いました。

私自身、親子で自主保育に参加するようになって、わが子の成長と共に、よその子達の成長や関わり合いを実感できる嬉しさや楽しさ、そして、わが子を他のお母さん達に見守ってもらっている安堵感を覚えました。自主保育の仲間が私とは違った視点でわが子を見てくれることで、何かあっても親子で抱え込むこともなく、すごく子育てが楽になったし、何よりぺんぺんぐさに通うことが楽しいし面白いなーと思えるようになりました。自然の中で、子ども同士で活き活きと楽しそうに遊ぶ姿を見ると、本当にみんなが伸び伸びと思い思いに育ち合っていけばいいな、と切に思います。

 

なんと、ここ横浜はプレイパークのメッカとのこと! 現在21カ所のプレイパークがあります。青葉区には3カ所、しらとり台第一公園、あざみ野西公園、新石川公園で開催されています。

 

青空自主保育ぺんぺんぐさでも、月に1回オープンデイ「あそぼう会」という外遊びと育児相談の会を開催しています。元気に外をかけまわるようになった子はもちろん、まだ歩けない赤ちゃんでも、親子で、他の親子達と一緒に外で過ごすのはとても気持ちが良くて、心身ともにリフレッシュできますよ! ご興味がありましたら、ぜひ足を運んでみてくださいね♪

Information

青葉区冒険遊び場づくりの会

http://aobaasobiba.tiyogami.com/

青空自主保育ぺんぺんぐさ「あそぼう会」

1月24日(金)、2月17日(月)、3月14日(金)

桜台公園(横浜市青葉区桜台)にて、9:30〜13:00

申込み・問い合わせ:Mail aoba.penpengusa@gmail.com

青空自主保育ぺんぺんぐさブログ

http://jisyuhoikupenpengusa.blogspot.jp/

Facebookページ

https://www.facebook.com/AozorajisyuhoikuPenpengusa

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