NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク(以下、農に学ぶ。)の活動フィールドの一つ・どんぐり農園は、寺家ふるさと村の奥、大池の手前の谷戸を入ったさらに奥にあります。この日はよいお天気でしたが、私たちが到着したころは畦に霜がおりていて、足下はぬかるんでいました。
ちょうど竹のやぐらに火がおきたタイミングで、我が家の門松やしめ飾り、そして昨年1年間厄から我が家を守ってくれたお札や破魔矢をやぐらの下に置きました。どんぐり農園には徐々に光がさし、火が強まるにつけ、遠赤外線効果で(笑)カラダが温まってきます。
10分もすると、ゴウゴウと火が燃え盛る音が響きます。火の音ってこんな感じなんだあ、と、つい聞き入ってしまいます。
そのうち、パンパーン! と大きな音とともに、何かが火の中から飛んできました。よく見てみると竹の節。どんど焼きは、この竹が爆ぜる音から来た名称だという説もあります。
やぐらが燃えている間、細い竹の棒の先に針金を引っ掛け、そこにお餅やお団子をくくりつけていきます。神様が天に返り、熾き火になったところで、お餅をじっくり焼きます。神様の火で焼いたお餅を食べる。1年の無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈りながら。何ともありがたい思いでした。
農に学ぶ。代表の木村広夫さんが寺家ふるさと村で自然農を始めたころから欠かさず続けてきたどんど焼き。NPOを立ち上げた2007年から、会員の誰もが参加できる場になっています。農に学ぶ。では会員の有志が前日から集まり準備を始め、なぜどんど焼きをするのか、暦と農の関係を木村さんに学びながら、ともに行事を味わっていきます。
どんど焼きは小正月(1月14日の日没から15日の日没)に行われる行事です。昔は月の満ち欠けで暦を刻み、旧暦での正月は睦月の新月の日でした。元日(新月)を大正月と呼び、小正月(満月)まで門松を飾っていました(今は1月7日までのところが多いようです)。大正月が年神様をお迎えするのに対し、小正月はどんど焼きをして紅白団子などの繭玉を飾り、それを焼いて食べることで一年の家内安全を祈ります。
木村さんは「月の暦と農事暦は重なっています。農に関する行事と節句のつながりを意識すると、私たちがいかに農から学べることが多いか、わかります」と言います。
2014年が明けました。人と自然をつなげる営みの一つが農。森ノオトでは、今年も身近な「農に学ぶ」活動を、応援していきます!
生活マガジン
「森ノオト」
月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる
森のなかま募集中!