どんど焼きに月の暦を想う。農に学ぶ。のどんど焼き!
毎年小正月(1月15日)ごろに横浜北部や川崎西部のあちこちで行われる「どんど焼き」。書き初めやお札、お守りなどを火にくべ天に返し、その火でお団子を焼いて一年の家内安全と五穀豊穣を祈願する行事です。1月12日、NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワークのどんど焼きが、寺家ふるさと村で行われました。

NPO法人農に学ぶ環境教育ネットワーク(以下、農に学ぶ。)の活動フィールドの一つ・どんぐり農園は、寺家ふるさと村の奥、大池の手前の谷戸を入ったさらに奥にあります。この日はよいお天気でしたが、私たちが到着したころは畦に霜がおりていて、足下はぬかるんでいました。

 

竹で組んだやぐらに書き初めや門松などを置く

 

ちょうど竹のやぐらに火がおきたタイミングで、我が家の門松やしめ飾り、そして昨年1年間厄から我が家を守ってくれたお札や破魔矢をやぐらの下に置きました。どんぐり農園には徐々に光がさし、火が強まるにつけ、遠赤外線効果で(笑)カラダが温まってきます。

 

昨年、厄年だった私たち夫婦を守ってくれたお札を天に返す。なんだか厳粛な気持ちに

 

10分もすると、ゴウゴウと火が燃え盛る音が響きます。火の音ってこんな感じなんだあ、と、つい聞き入ってしまいます。

そのうち、パンパーン! と大きな音とともに、何かが火の中から飛んできました。よく見てみると竹の節。どんど焼きは、この竹が爆ぜる音から来た名称だという説もあります。

 

勢いよく燃え盛る火。さらに15分ほどすると、竹のやぐらが少しずつ倒れてきて、1時間もすると熾き火になる

 

やぐらが燃えている間、細い竹の棒の先に針金を引っ掛け、そこにお餅やお団子をくくりつけていきます。神様が天に返り、熾き火になったところで、お餅をじっくり焼きます。神様の火で焼いたお餅を食べる。1年の無病息災、家内安全、五穀豊穣を祈りながら。何ともありがたい思いでした。

 

農に学ぶ。木村さんの自然農の小豆でお汁粉。カラダの芯から温まった

 

農に学ぶ。代表の木村広夫さんが寺家ふるさと村で自然農を始めたころから欠かさず続けてきたどんど焼き。NPOを立ち上げた2007年から、会員の誰もが参加できる場になっています。農に学ぶ。では会員の有志が前日から集まり準備を始め、なぜどんど焼きをするのか、暦と農の関係を木村さんに学びながら、ともに行事を味わっていきます。

 

どんど焼きは小正月(1月14日の日没から15日の日没)に行われる行事です。昔は月の満ち欠けで暦を刻み、旧暦での正月は睦月の新月の日でした。元日(新月)を大正月と呼び、小正月(満月)まで門松を飾っていました(今は1月7日までのところが多いようです)。大正月が年神様をお迎えするのに対し、小正月はどんど焼きをして紅白団子などの繭玉を飾り、それを焼いて食べることで一年の家内安全を祈ります。

木村さんは「月の暦と農事暦は重なっています。農に関する行事と節句のつながりを意識すると、私たちがいかに農から学べることが多いか、わかります」と言います。

 

木村さんは、種まきや田植えの時期と月の暦の関係について熱く語っていた

 

 

2014年が明けました。人と自然をつなげる営みの一つが農。森ノオトでは、今年も身近な「農に学ぶ」活動を、応援していきます!

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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