ママも子どもも楽しめるリトミックとランチ。南町田「のあの箱庭」
【森ノオトリポーター養成講座修了レポート(10) 写真・文/齋藤由美子】
「自分の好きなものをくっつけただけなんですけど」と笑顔で話すのは、南町田にある自宅でリトミックとマクロビオティック料理の会を開いている有本有香さん。3月初旬のこの日、リトミックの会があるというので、1歳の娘と一緒に参加してきました。

東急田園都市線の南町田駅から徒歩10分。住宅街にあるマンションの一室を訪ねると、ほんわかとした雰囲気の女性と、元気な女の子がお出迎えしてくれました。リトミックの先生・有本有香さんと、娘で助手の音逢(のあ)ちゃん(3歳)です。

 

さあ、これからリトミック!しかし子どもは風船に気を取られ……

 

ここでは、不定期で月3回、リトミックとマクロビオティック料理のランチ会や料理教室を行っていて、地元はもとより、遠くは渋谷からも情報を聞きつけた子連れママさんたちが通ってきます。

私の娘はまだ片言しかしゃべれない1歳。ほとんどの会話が「ママ」「あ!」「うー」で成り立っている、ほぼ「いくらちゃん」(アニメ『サザエさん』に出てくる赤ちゃんのキャラクター)状態です。十数年前にマクロビオティックを実践したいと本を数冊買ったものの、肉や乳製品にお別れを告げきれず、そのまま肉食生活に戻ってしまった私。

こんなメンバーでよいのかしら? と、ちょっとドキドキしつつの参加でしたが、有本さんの雰囲気そのままのゆったりした空気に包まれ、すっかりくつろいでしまいました。

 

お母さんがピアノの先生だったという有本さん。小さい時から音楽が身近にある環境だった。遊びの一貫でピアノを弾いて楽しんではいたものの、本格的に音楽の道に進もうと勉強を始めたのは高校生の時

 

高校生当時、のどから血の味がするほどひどかったという花粉症の症状を抱えていた有本さん。食生活を見直し、乳製品や肉、白砂糖をやめる生活に切り替えたところ、劇的によくなったそうです。

その後は音楽大学に進み、卒業後は、恩師の音楽教室でリトミックの先生をしながら、マクロビオティック料理を生活に取り入れていましたが、音逢ちゃんの出産を機にリトミックの先生はお休みをしていました。

「友達から料理を教えてほしいと言われて。人に喜んでもらえるなら」と軽い気持ちで料理教室をスタートしたのが2013年6月。

家を選ぶ時から漠然と何かをみんなでできる空間にしたいという思いがあったことから、料理教室と同時にママたちがくつろげる場所になればと、自宅でのリトミックとランチ会も始めました。

子どももひと遊び終えて落ち着いてきた頃に、有本さんがピアノを弾き始め、ゆるゆるとリトミックが始まりました。

リトミックは、「音楽やリズムに合わせて体を動かすことで、音感やリズム感、表現力のほか、想像力や注意力、集中力など、あらゆる能力を引き出すための教育法」だそうですが、我が家の「いくらちゃん」にはまだついていけないのでは? と思っていました。

この日は、有本さんのピアノに合わせて、一緒に歌ったり、リズムをとったり。

案の定、1歳児の娘がそんな思い通りに動いてくれる訳もなく……。でも、急にリズムに乗ってみたり、時々おもちゃに気を取られてみたり。ヒヤヒヤしている親はおかまいなしに、本人なりに楽しんでいる様子。

まもなく3歳になる女の子は歌やリズムを難なくこなし、それをみながら1歳児が真似をして……。さすが! とてもほのぼのした時間でした。

 

1歳児もなんとなくリズムにあってきた

 

とっても楽しそう!

 

ひと通りクラスをやった後は、有本さん特製のランチをみんなでいただきます。

この日のメニューは、土鍋のカレーピラフにズッキーニのパンケーキ、ジャガイモのドレッシング和え、ファイトケミカル野菜スープ、イチゴ豆乳プリン、夏みかんでした。

とにかくおいしい! マクロビオティックは体によさそうだけどおいしくないという刷り込みは、料理人(私)のせいだったのね、と改めて反省するほど(笑)。偏食盛りの娘がどれもばくばく食べたことにもびっくり。何を隠そう、あまりにおいしくて、写真を撮るのをすっかり忘れてしまい、家に帰って真っ青! それくらい美味しかったってことでお許しを。もちろん、みんな笑顔で完食でした。

 

ちなみにスープは野菜だけで、調味料は何も入っていないそう。野菜ってこんなに甘くておいしいんだ! とびっくりでした。

 

有本さんが料理をする時に心がけているのは、体の声を素直に聞くこと。風邪っぽい症状が出た時には梅干しが食べたくなったり、体が冷えている時にはパンではなくお米が食べたくなったり。野菜中心の食生活をしているとおのずと体が欲しているものがわかるようになってくるのだそうです。

「ゆるやかな感じでやっているからこそ見えてくるものがある」という有本さん。

参加者には色々な職や趣味を持つママさんがいて、普段は隠れている顔を知ったり、新たなつながりができることも楽しみの一つだとか。

自分にも娘にも無理のない形で、地域の人たちが顔見知りになる場所が作れたらと話してくれる通り、この日も、美味しい料理を食べながら、トイレトレーニングや幼稚園のこと、仕事のことなど、とりとめもなくおしゃべりを楽しみました。

リトミックは確かに習い事だけど、ここは「教室」というのとも違い、行政の子育て支援ともまた違う。有本さんの醸し出すゆるやかさが、初めての参加でもついついくつろいでしまう、そんな居心地のよい空間を作っているように感じました。

有本さんって、子どもを怒ることってあるんだろうか? ……と、全くそういう姿が想像できないくらい穏やかな優しい雰囲気を漂わせている有本さん。

この空気感が、何より心と体にじんわり効いてくる気がします。娘のリトミックをタテマエにしつつ、また癒されに行きたい、そんな素敵な隠れ家でした。

Information

のあの箱庭

http://ameblo.jp/softcafe/

※開催日は不定期で、月に3回程度です。開催する日が決まるとブログに掲載してあります。

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この記事を書いた人
齋藤由美子ファクトリー事業部マネージャー/ライター
森ノオトの事務局スタッフとして、主にAppliQuéのディレクションを担当。神々が集う島根県出雲市の田舎町で育ったせいか、土がないところは落ち着かない。家では「シンプルな暮らし」関連本が十数年にわたり増殖中。元アナウンサーで、ナレーターやMCとしての顔も持つ。小6女子の母。
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