ソーラーシェアリングとは、農地の「上」で太陽光発電をしながら、「下」で野菜を育てる、つまりお日様パワーを2倍利用しましょう! というユニークなアイディアを実現したものです。
発明者である、CHO研究所の長島彬さんは、生命の歴史や自然界の観察データを根拠に、農家の自立と活性のため、すみやかな自然エネルギーへのシフトのために、ソーラーシェアリングという方法をすすめています。
農作業の邪魔にならないように2,5m以上の高さに架台を組み、一定間隔ですき間をあけて太陽光パネルを取り付ける、というのが基本の構造です。パネルとパネルのすき間から十分に光が差し込むので、野菜がすくすく育っています。
植物にとって太陽の光は欠かせないものですが、あまり強すぎても困るもの。光の強さがある点を超えると、光合成(=呼吸)をしなくなるという実験結果があり、「実は、植物たちは光を避けるための工夫をさまざまにしているんです。」と長島さん。
パネルによって出来る適度な日かげがかえって植物を守って良く育つこともあるそうで、現在植物の種類を変えて、各地で生育状況のデータを集めています。
架台に使われている単管や金具はホームセンターでも買えるポピュラーで安価なもの。電気や建設の知識がある人と、DIY好きな仲間が集まれば、自分たちで設置から撤去までできる、とても魅力的な工法です。通常のコンクリートブロックを使用してがっちりつくってある架台と比べると、一見頼りなく見えますが、全体をつないでバランスをとっているので強度も十分にあります。
架台の設置にかかるコストや手間を、より簡易に、安価にしていくのが自然エネルギーを広く普及するために必要」「売電収入によって農家が補助金なしで自立できるようになる」と、なんだかいいことづくめ。
農地や耕作放棄地をつぶして巨大なメガソーラーを立てるよりも、スマートで豊かな発電方法で、これはもしや、田畑の多い森ノオトエリアのまちにもぴったりではないかしらと、かなりワクワクしてしまうのですが、課題もあります。
一つは法律の問題で、農地を別の用途に使うため農業委員会に一時転用の申請をしなくてはならないこと。
農地と登録されている土地では「営農」がまず第一なので、ソーラーシェアリングによって売電収入があるから農業しない! となったら本末転倒です。そこで、収穫量が2割以上減り、その後も収穫量が改善されなかったらソーラーシステムを撤去しなくてはなりません。またこの申請は3年ごとにしなおす必要があります。わたしは農地法って何?と調べはじめたら、迷宮に入りこんでしまったかのように頭がくらくらしました。
ちなみに、写真のように、支柱が埋まっている部分の面積の合計が農地転用の対象となるそうです。コンクリートと砂利で土台を作ってその上に置く方法もあります。この作業をどう捉えるか、土地への影響を考えてこれを余計な作業とみる方もいるかもしれません。
また、細長タイプのソーラパネルは海外製のもので、日本メーカーのように保障がつかない等、自己責任、安価で手づくりの要素が強い点も、安心安全をどう考えるかで好みが分かれるところだと思います。
その他、最近のゲリラ豪雨の影響、雷の影響など、分かっていない事もあり、細かな不安や課題はあるかもしれませんが、それでもやってみたい! という方が増えるといいなと思いました。興味のある方は、ぜひたまプラ電力と一緒に発電所建設してみませんか? そうした希望に答えられるように現在準備中です。
青葉区周辺の農地や市民農園で、駐車場で、ソーラーシェアリングのある風景が当たり前にしたい。自然エネルギー100%のまちを、ワクワクしながら作りましょう。