「青葉サンデーフリーマーケット」で初めて会った主催者の村田枝里さんは、この寮生のお姉さんのような存在。この場を見守るように、場にいる一人ひとりに声をかけ、ムード作りをしていました。この日、村田さんはてきぱきと場を整えながら、取材に訪れた私を朗らかな笑顔で迎えてくれました。
「留学生って、孤立しがちなんです」と村田さんは話します。
日本に来たばかりの寮生は、日本語に不自由することや知り合いも少ないこともあり、部屋に引きこもりがちになってしまうそう。
村田さん自身にも、オーストラリアへの留学経験があります。そこでは、大家さんを通じて地域の方との交流が生まれ、友達ができて、たくさんコミュニケーションをとることで文化の違いを知り、考え方が広がったと言います。
その後日本に帰ってきて、「今度は自分が恩返しする立場になり、日本の留学生の助けになりたい」との思いから、「青葉サンデーフリーマーケット」は生まれました。
特にアジア圏の留学生にとって、日本の物価は高く、生活していくのも楽ではありません。「フリーマーケットでセカンドサイクルのものを安く購入することができ、地域の方との交流も広がれば」と、村田さんは願っています。
寮から歩いて1分のところにある、ボランティアスクール「横浜みどりの学校ひまわり」はこのフリーマーケットに毎回参加して、活動運営費にあてています。この日は子どもたちとつくった無農薬野菜や鈴虫、九谷焼の食器などが出品されていました。
「横浜みどりの学校ひまわり」では、<地域の子どもは地域で育てる>をモットーに活動をおこなっており、こういったフリーマーケットの場所を通じてボランティアスクールについて地域の人にもっと知ってもらいたいと願っています。
団体のほかに、個人でよく参加している方もいます。
中学1年生の氏田七海さんは、自分で作ったプラバンやレジンで作ったアクセサリーやストラップを今年からこの場所で販売しているそうです。
昨年からフリーマーケットに出店することが大好きになったという七海さん。普段話すことのない大人や他の出店者の方と話をすること、フリーマーケットのためにおつりを準備する過程も楽しいのだそう。
おばあちゃまは、このフリーマーケットが定期開催しているのが嬉しいと言います。「もうすぐ、サンデーフリマがあるから、お野菜を買おう」という様に計画しているそうです。屋内のフリーマーケットだから雨でも開催されるので、予定が立てやすいと話します。
日本に来てまだ1カ月という留学生も遊びにやってきました。
お二人はそれぞれ経済の勉強・建築の勉強をしに日本に留学に来たそうです。
今はまずサマースクールで日本語の勉強をしているそう。陳錫亮さんはフリーマーケットの方々から「あきら君」と呼ばれ、店番のお手伝いもしていました。日本の映画やドラマで日本語を勉強したそうで、SFが好きなんだとか。
フリーマーケットは寮の玄関前でおこなっているため、買い物から戻った寮生や、食事に出かける寮生が気軽に立ち寄れる雰囲気。このフリーマーケットは寮生のお客さん以外にも、「ひまわり」の生徒さんが遊びに来たり、近所の方がふらっといらっしゃったり、出店者さんのお子さんも一緒に参加します。
世代を問わない、学園祭のようなフリーマーケット、一度遊びに行ってはいかがでしょうか。
「青葉サンデーフリーマーケット」
開催日:毎月 第一・第三日曜日 9:00-16:00
場所:インターナショナルコミュニティ青葉寮(青葉区しらとり台53-1)
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