ごみゼロって気持ちいい!「あおばを食べる収穫祭」ではリユース食器を使います
今年の「あおばを食べる収穫祭」では、ごみが出ない楽しさ、気持ちよさをみんなで味わいましょう。飲食ブースでは基本的にリユース食器を使用し、さらにマイ食器持参の方には10円分の地域通貨をプレゼント! 

昨年のごみの量はたったこれだけ! 紛失は1つもなく、青葉区住民の意識の高さを垣間みられた

昨年の「あおばを食べる収穫祭」では、2,000人ほどの来場者が訪れ、飲食店はすべて完売、スタッフはお昼ごはんを食べる暇もないほどの忙しさで、うれしい悲鳴でした。そんなに賑わうイベントでは、主催者はたいてい、トラックが満杯になるほどのごみの処理に追われます。イベントなどの事業系ごみ処理にはお金もかかり、またごみが出ているだけ資源も使い、燃やすために化石燃料を使い、CO2を排出し……。「楽しさ」の裏側にある「ごみ処理」という現実に、主催者は頭を悩ませています。

 

森ノオトはエコをキーワードに活動している公益法人です。ごみを出すほどに「未来世代への思いやり」というキャッチフレーズと矛盾が出てしまいます。森ノオトでマルシェをするからには、徹底してごみを削減しようという気持ちが、最初からありました。

 

そこで昨年は、リユース食器貸し出し事業をおこなっている青葉区のNPO法人Waveよこはまの協力を得て、デポジット制を導入し、リユース食器を使ってみました。

 

アースデイ東京のような、エコに関心のある人が集まるイベントでは、いまでこそリユース食器は当たり前になりつつありますが、森ノオトでは地域密着型、できる限り地域の、普通の人たちに来場してほしいと思っています。「地元の普通のお祭り」で、初めてリユース食器にふれ、「そういえば、ごみを捨てなくてもいいんだな」と気づいてほしい。普段当たり前のように捨てているごみを、工夫次第で減らすことができるんだ、ということを「あおばを食べる収穫祭」で体験してほしいのです。

 

やむを得ず出る惣菜系ごみも、ブースで徹底的に分別して重ねることで「かさ」を減らし、コンパクトに

 

リユース食器を使う時には、デポジット制といって、預かり金100円を支払います。

 

例えば、コマデリさんのブースでカレーを買うとします。通常600円で販売しているカレーに、リユース食器の預かり金として100円上乗せして、700円をお店に支払います。食べ終わったらリユース食器返却場所に食器を持っていき、ウエス(古布を切ったもの)で食器を拭き、返却した時点で100円が返ってきます。

 

ドリンクも同様で、500円の生ビールを飲む時に預かり金100円を上乗せして600円で購入し、飲み終わったらリユース食器返却場所へ。そこで100円が返ってくる仕組みです。

 

生ビールをおかわりしたい場合は、あえて新しいカップを借りなくても、自分が飲んだカップに入れてもらえば、500円でビールを飲むことができます。例えば3杯飲んで、最終的に返却する時に、借りた1

デポジット制の仕組み。お皿と一緒に、未来への愛あるお金が循環していく

 

また、今回はマイ食器を持ってきた方には、マルシェで使える10円ぶんの地域通貨を差し上げます(1食につき10円)。マイ食器はリユース食器よりもさらにエコ! 自分のお気に入りのお皿やカップで地産地消&オーガニックなごはんを食べれば、美味しさも格別!?

 

先ほどの、同じリユースカップで生ビールを3杯飲む場合は、2杯目以降は「マイカップ」と同様の扱いとし、1杯につき1回、地域通貨をプレゼント。ただし会場でレンタルしたリユース食器は、最後に必ず返却くださいね。

 

デポジット制の仕組み。お皿と一緒に、未来への愛あるお金が循環していく

 

ちなみに、リユース食器の使用に際しては、出店者の皆さんにも多大なご協力をいただいています。普通のイベントでは紙コップや紙皿を使うことがほとんどだと思いますが、レンタルのコストがかかり、デポジットの仕組みを伝える手間があっても、あえてリユース食器を使うことで、「普段、当たり前にごみを出すことを、一緒に見直したい」という思いを共有しています。

 

なお、リユース食器を使う店舗は、その場で加工・配膳できる料理を提供するブースに限られ、食品衛生上、店舗加工したものを持ち込むブースはリユース食器ではなく、お惣菜や個包装した商品の提供となります。

 

(例:ケータリングカーのカレー、大鍋から盛りつける豚汁、生ビールやコーヒーなどはリユース食器。パッケージされたお弁当、焼き菓子、ケーキなどは包装された食品での販売です)

 

リユース食器やマイ食器を使うと、普段イベントで当たり前に出るごみの行方に、自然と関心が向くように

 

「環境のことを考え、ごみを減らしても、どれくらいの効果があるのかわからない」

 

「わたし一人がマイバックを持ってレジ袋を減らしても、意味がないんじゃない?」

 

一人ひとりの小さな一歩は、成果が見えづらく、それゆえに生活者の環境行動の成果を「見える化」するのは難しいと言われています。

 

しかし、昨年の「あおばを食べる収穫祭」では、あれほど盛況だったにも関わらず、リユース食器の使用とごみの徹底分別で、最終的にイベント全体では、家庭用の45Lごみ袋わずか4袋におさまりました。

 

同規模のイベントで紙皿、紙コップを使い、ごみを捨てたら、おそらく2トントラックで往復するようなごみの量になったのではないか、とWaveよこはまの方から言われました。

 

たった1日のイベントでも、徹底的にごみを減らせば、これだけの効果がある! 「環境行動への効力感」を示すことのできたいい前例になったと思います。

実は、リユース食器を使用するために私たちと出店者の皆さんが負担するコストは、紙皿や紙コップを買って使い捨てるよりも、高額だったりします。でも、なぜ取り組むのか?

 

「ごみ=未来への負債」を回避する選択肢があるのに、コストを理由にそれをしない選択肢は、森ノオトにはありません。「リユース=未来への貯金」と考え、地域の皆さんに「いつもの当たり前」を見直すきっかけをつくりたいと考えています。

 

 

神奈川県や横浜市の環境貢献団体に送られる賞を多数受賞しているWaveよこはまの理事長・金子拓也氏(前列右から2番目)がリユース先生として講演

 

「あおばを食べる収穫祭」当日は、ステージで10:15から「リユース先生 - ごみゼロって気持ちいい! – 」をテーマに、NPO法人Waveよこはま理事長の金子拓也さんに講演をしていただきます。講演といってもまったく堅苦しくない、参加者の皆さんと一緒に楽しめるクイズ形式です。

 

リユース食器を使いながら、環境のこと、未来のこと、みんなで一緒に考えてみませんか?

Information

森ノオトpresents あおばを食べる収穫祭2014

http://wx25.wadax.ne.jp/~morinooto-jp/news/2014morimarche01/

日時:2014年11月23日(日・祝)10:00-15:00

※雨天時は翌日開催

場所:藤が丘駅前公園

主催:特定非営利活動法人森ノオト & コマデリ

協賛:藤が丘商店会

後援:青葉区

<みどりあっぷ計画に基づく事業>

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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