季節外れの大雨に降られた1月中旬のある日、キタハラは藤好つむぎさんをフラメシに訪ねました。この4年ほどことあるごとに顔を合わせていたつむぎさんと、実はじっくり話したことがなくて、節分カモカモマーケットの告知取材を口実に「つむぎさん丸裸大作戦」とばかりに押し掛けたのです。
つむぎさんと初めて会ったのは、東日本大震災直後の2011年6月のことでした。わたしはあざみ野ぶんぶんプロジェクトを立ち上げ、映画『ミツバチの羽音と地球の回転』上映会や、エネルギー問題を学ぶ活動をしており、つむぎさんは友人の相原あやさんと一緒に「gomoku+(当時はteam gomoku)」として震災後緊張でこわばったお母さんと子どもの心身をゆるめる整体やリフレクソロジー、放射能汚染を考える講演会などをおこなっていました。
時と場を同じくして、同世代の女性たちが動き出しているのを、頼もしく思いながら、特に言葉を重ねなくても何となく通じる感覚を覚えながらの関係。そんなつむぎさんが、わたしの友人が経営する会社「金子石油店」の飲食事業部長として腕をふるう姿を見るようになったのには、新鮮な驚きがありました。
「元は京都の出ですが、寺家ふるさと村に近い鴨志田町の立地が子育て環境に適していると考え、鴨志田で家を建てることにしたのが震災前。この家に住むと気持ちを固めて、2011年の6月に住み始めました」
つむぎさんが引っ越してきたのと同じころ、フラメシがオープン。近所のお気に入りとして時々通っていたものの、オーナーの金子拓也さんと直接話したのは森ノオトの2周年記念パーティーが初めてだったそうです。
「最初はgomoku+としてイベントをやらせてください、と話していたんですけれど、あやさんがフラメシで働くことになり、一緒にパートとして入ることになったんです」
これまでたくさんの女性たちを見つめ癒してきたつむぎさんとあやさんによって、子どもと母親がくつろぎやすいフラメシに生まれ変わり、そこで働く女性たちがイキイキと輝き出した手腕を乞われ、正社員になったのは2012年の秋のことです。
「夏の終わりにもうひと祭り」のコンセプトで始めたカモカモ祭りや、鴨志田町・寺家町の商店主・経営者たちによる「カモジケ」による節分やフリーマーケットなど数々のイベントを取りまとめ、「自分の住んでいるまちを愛し、盛り上げていくって、こういうことなのか」とイメージをつかんだつむぎさん。金子さんの大きな信頼を得て、今では飲食事業部長としてたまプラーザの「コボルバ」も含めた統括マネージャーの役割を果たしています。
「いま、わたし、すっごく楽しいです」
と言いきるつむぎさん。地元の主婦を中心に動かしているフラメシは、「一見するとスローな雰囲気に見えるかもしれないけれど、みんな、とても熱いですよ! メンバーの好きなこと、得意をのばすことで、一人ひとりの力を最大限に発揮してもらえたらうれしい」
……あれれ、キタハラは一瞬、デジャヴかと思いましたよ。わたしが常々森ノオトでリポーターたちに語っている信念「その人の好きなこと、得意なことを地域に還元する活動そのものが、サスティナビリティ(持続可能性)である」と、つむぎさんが実務でおこなっていることは、まったく共通するものです。
取材中に、大雨のなかびしょぬれになった下校中の双子ちゃんが「母さん、ぬれちゃった」とフラメシにやってきました。やり手のマネージャーから、母親の顔に変わって子どもたちにやさしく声をかけ、また送り出すつむぎさん。
「みんなが知っているフラメシで母さんが働いているのが、子どもたちもうれしいみたい」
自分の暮らすまちで働くお母さん。お母さんの働いている姿が見える。お母さんがまちを元気にしている。イキイキと輝いているお母さんの姿は、子どもたちの誇りに違いありません。
さあ、今年も、邪気を払いに「カモシダ、カモーン!」
さあ、今週末も、鴨志田町で「カモカモマーケット」が開催されますよ! 今年で3回目の「カモジケ豆まき」も同時開催、ブタも鬼もウマもヒトも、みんなで「鴨志田に、カモーン!」
「カモジケ」×「カモカモ」コラボ カモカモマーケット
日時:2015年1月25日(日)19:00-13:00
・鬼の豆まき 1回目11:00- 2回目12:00-
・鬼探しクイズラリー
・豚汁炊き出し
・恵方巻き販売(第2会場の鴨志田総菜店で販売)
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