「えっ、あんな所に田んぼがあるんですか?」とビックリ情報を教えてくれたのは、森ノオトでもお馴染み、ウィズの森マルシェに出店している「森の扉」の野原典彦さん。毎月第2第4日曜日が定例活動日とのことで、さっそく3歳と1歳の子どもを連れて、開墾体験に行ってきました。
あざみ野駅から向ヶ丘遊園駅行きのバスに揺られ9分、「覚永寺」で下車。県道13号線沿い、人気のパン屋があり交通量も多いこの場所から歩いて10分程の場所に、田んぼ作りを体験できる場所「Ozakuyato Satoyama」があります。ここはかつて尾作谷戸(おざくやと)と呼ばれ、近くには薩摩藩の灯篭など歴史も深い土地柄とか。
案内してくれたのは5歳になる子どものお母さんでもある武重茜さん。お子さんと近くを散歩中この活動に出会い、活動4年目。田靴と白のオーバーオール姿がオシャレです。
Ozakuyato Satoyamaの開墾当時から関わる田中英司さんによると、この活動は周辺道路にまで倒れた孟宗竹の片付け、間伐から始まったといいます。付近に広がる耕作放棄地を、竹林と雑木林に抱かれた豊かな森水も保有する里山に再生し、多様でたくさんの人たちが楽しく遊び、学び、継続できることを大切にしたい……。「少しずつ、無理なく」を掲げているのは、ほとんどが素人で週末やお休みを利用し活動しているから。水路の確保、あぜ道、田んぼ作りもいろんな方に聞いて、試行錯誤しながら経験を重ねてきたそうです。
今回が2度目の参加という大窪奈美子さんは、5歳、3歳の2児のお母さん。参加のきっかけは地元の市民農園仲間にこの活動を教えてもらったから。子ども達がとても楽しんでいるので、続けようと思ったそうです。他にもお孫さんと一緒に参加のお祖父さん、1人でフラッと来たという男性、ご近所さんから、車で1時間以上かけて来ている方など、様々な方がいました。
田中さんは「来る人それぞれ目的は違う」と話します。癒し、泥いじり、自然が好き、田んぼを作りたいなどさまざまですが、共通項はお米を作っていること。楽しいから続けたいというスタンスは、参加していた方の「生活の一部」という言葉からも伝わりました。
「収穫したお米そのものが、次の年の種になる。次の年にもまた種を植え苗を作る。その種が田んぼの具合、気候などを受け継いでいく。生きものとして苗が成長していく姿を通して、私たち人間も同じ生きものであると気づくことができる」と話す田中さん。田んぼの活動をしていると、日本特有の米文化や村社会も、私たちの暮らしに根付いていることがわかり、そこから学ぶことも多いと言います。
これから田植え、稲刈り、脱穀など、一年を通じて田んぼに関わるこの活動で、私がいちばん楽しみなのは収穫祭。昨年は採れたお米でおにぎり、きりたんぽを作り、家庭料理を持ち寄り、音楽を奏で、竹で工作をしたりと、とても楽しかったそうです。さまざまな人たちと自然を通じてふれあい、つながれる、とても貴重な里山が身近にあることを幸運に感じ、輪を広げていきたいと感じました。合い言葉は「週末、田んぼ行こっ」ですね。
参加希望の方はFacebookで「Ozakuyato Satoyama」を検索、ご連絡ください。開催日は毎月第2第4日曜日10時頃からですが、時期によっては毎週開催中。雨天中止は当日8時頃に判断となります。
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