エコDIYを効果測定!横浜国立大学との共同研究、スタート!
最近、森ノオトが若返っています! 森ノオウチにフレッシュな大学生3名がちょこちょこ出入りしてくれています。その理由は……エコDIYの効果測定のため。横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科の学生さんたちによる研究がスタートしています。

7月某日の森ノオフィス天井温度。45℃超えています……

 

連日の真夏日&時々猛暑日、森ノオウチはとても暑いです。森ノオウチはコマデリハウスとシェアしており、建物の西側を使っているのですが、窓を閉め切っていると、2階は45℃を記録することも。風通しがよいので、窓を開ければさわやかな風が流れますが、それでも、35℃を超えると、エアコンなしで仕事をするのはとても厳しい状況です。

日本の既存住宅のうち、約40%が無断熱の住宅であることを考えると、これだけ暑い夏をどう乗り切るか、日本の重大課題である気がします。その解決策の一つとして、森ノオトが取り組んでいる「エコDIYまちづくり」。これまで、グリーンカーテンのワークショップ、みかんぐみ・竹内昌義さんと語る「最高のエコハウス」、そして「天井断熱DIYワークショップ」をおこなってきました。その効果は、体感的には、あるような気がします。

 

森ノオウチのあちこちに、温湿度計があって、今の体感をデータで知ることができる

 

でも、「なんとなく涼しい気がする」だけでは、「エコDIYは効果ありますよ!」というには説得力に欠けます。何らかの根拠がほしい。きちんと効果を測定し、分析をしたい。サーモグラフのついたカメラを購入し、温湿度計で記録をとろうとは思うのですが、何せ、取材や打ち合わせで外出し、決まった日の決まった時間にオフィスにいるわけではありません。効果測定には、「定量的データ」といって、同じような条件下で、一定の間隔で、一定の期間集めた情報を分析する能力が必要です。これは、残念ながら、森ノオトに欠けている部分です。

そんななか、森ノオトのNPO会員でもある山崎誠さんが、「佐土原先生に相談してみては?」とアドバイスをくださいました。佐土原聡先生は、横浜国立大学地域実践教育センター長で、都市環境工学が専門です。2013年に森ノオトが主催した「あおばECOアカデミー」で「環境・防災・エネルギーの視点から総合的な都市・地域づくりに向けて」という演題でご講演くださいました。そのご縁で、佐土原先生が横浜国立大学理工学部建築都市環境系学科の吉田聡准教授、田中稲子准教授をご紹介くださって、住まいと環境を学ぶ学生さんたちが、森ノオトのエコDIYを卒論、修論のテーマに選んで、参加してくれることになったのです。

 

左から、麦谷英里加さん、佐藤文乃さん、吉田聡先生、久野佑馬さん

 

大学4年生の佐藤文乃さんは「家庭でのDIYの効果と経済性をテーマに研究したい」と言い、同じく4年生の麦谷英里加さんは「DIYでの改修における省エネ性と快適性についてと、DIYによって建築と環境がつながるといいな」と話します。また、修士2年の久野佑馬さんは、団地でDIY断熱窓をつくった経験があり、エコDIYの実践者としては大先輩。「エコDIYワークショップの前後で、どれだけの意識変化があるのかを調べたい」と言います。

7月9日、この日はあいにくのお天気でしたが、吉田先生、佐藤さん、麦谷さん、久野さんが森ノオウチにやってきて、たくさんの機材を取り付けてくれました。温湿度計は、1階西側の森ノオウチ、東側のコマデリキッチン、北側の洗面所、浴室、トイレ、2階西側の森ノオフィス、東側のコマデリハウス、天井裏に。窓側面と天井面にはサーモショットを、ガラス面の表面温度を測る温度データロガーは、1階西側の窓面、壁面と、1階と2階のエアコン、そして天井面に設置。そして、グリーンカーテンの内部と外部に温度計を設置、雨天時に水から機器を守るために、佐藤さんと麦谷さんがDIYした「放射シールド」を取り付けました。

吉田先生は、あくまで黒子として、3人の学生を温かく見守りつつも、高い背丈を生かして天井裏に機器を設置。また後ろから傘をそっと差し出してサポート。建物の省エネや、ヒートアイランド現象(エアコンの排熱などで地球温暖化以上に周辺環境が温まってしまう都市部特有の現象を指す)が研究対象で、エネルギーの面的利用、地域冷暖房などの分野にお強い吉田先生は、エコDIYについて次のように期待感を寄せてくださいました。

 

設置計画書と機器を対応させながらの確認作業

 

「高気密高断熱で、いい設備を入れている住宅は、省エネで快適ではあるけれど、閉じた空間では人と環境との関わりが少なくなってしまいます。省エネを実現しながらも、人々は周囲の環境を感じながら生活することが求められます。DIYをする時にも、建物の内部だけではなく、周りの環境、空気を合わせて考えることが大切ですね」

1時間半ほどの設置作業を終えたころ、ちょうど正午になりました。佐藤さんが「あ、今からデータの収集が始まります!」とうれしそうに声を上げました。そう、7月9日12:00から、15分刻みでデータが蓄積され、エコDIYの効果が測られていきます。特に、グリーンカーテンの効果と、天井断熱の効果を中心に見ていくとのこと。

 

「発砲ポリプロペンシートをホットプレートでやわらかくして、空き缶で力を加えて、DIYした放射シールドです!」(麦谷さん)「DIY、めっちゃ楽しかったよね!」(佐藤さん)

 

エコDIYまちづくりを通して、森ノオトの活動にアカデミックな要素が加わりました。何より、何事にも興味を持って、イキイキと活動してくれる大学生との交わりは、とても刺激になるし、私たちにとっても大きな勉強になります。この機会を大切にし、また、学生さんたちのためにも、エコDIYをしっかり育てていきたいなあと思っています。

 

7月前半までは日照時間が少なく、断熱ワークショップ前に猛暑のデータを取れるか心配だったが、心配ご無用、暑い暑いデータをちゃんと取得できました!

この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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