エレキガール、メイクする! 「Maker Faire Tokyo 2015」レポート
エレキガール、ついに東京ビッグサイトに姿を現す!? 2015年8月1日(土)、2日(日)、森ノオトエネルギー部/たまプラーザぶんぶん電力のスピンオフグループ「森ノエレキラボ」で「Maker Faire Tokyo 2015」に出展しました。

「メイクフェアまであとわずか! それまでに自作のシステムを完成させよ!」

森ノオトの日々の業務の裏側で、ひそかに進んでいたミッション。

「えー、キタハラさんがメイク? 森ノオトもビューティー系に乗り出したか!?」……って、別の意味のメイク(化粧)と勘違いされたりもしましたが、しっかり「メイク」の潮流にのってきましたよ!

 

山田あさかちゃんがつくってくれたエレキラボTシャツに身を包み、ブースの前で記念撮影。右側の男性が私たちの師匠・井上さん

 

「Make」とは2005年創刊のアメリカ発のテクノロジー系DIY工作専門雑誌で、モノづくりやテクノロジーが大好きな人たちが自作のシステムを披露し、遊ぶ世界的なコミュニティに成長しています。日本では2008年にスタートしたファンのイベントが広がりをみせ、2008年より電子工作愛好者の一大イベント「Maker Faire Tokyo(メイカーフェア東京)」として知られるようになりました。

エレキ女史こと梅原昭子さんが、知らぬ間に応募していた「Maker Faire Tokyo 2015」、ここに至るまでの半年を振り返ります。

ことのおこりは今年初頭、たまプラーザぶんぶん電力で、女性が気軽に持ち運びできる薄型で軽量の独立型ソーラーシステムを開発しようと、梅原さんが個人ブランド「SYNTONY(シントニー)」さんと接触を始めたこと。これまで、独立型ソーラーシステムをつくるワークショップを数々おこなってきましたが、バッテリーの重さから持ち運びが困難で、部屋に鎮座するもそれなりのスペースをとるので、「モノ」としての魅力にはイマイチ欠けるなあと感じていました。

SYNTONYのシステムは、さすがプロダクトデザイナーが手がけているだけあるなあと、細部までこだわりを感じられる機能美に、たまプラーザぶんぶん電力のメンバー一同、惚れ込んでしまいました。

こんな素敵なデザインで、薄くて軽くて持ち運びができれば万々歳! こうしてスタートしたのが「(仮称)SYNTONY たまプラモデルプロジェクト」です。

 

3月からは打ち合わせ場所を森ノオウチに移して、毎月1回の開発会議をおこなってきた。自動車メーカーのエンジニアの方々が仲間に加わり、小さなパーツを組み立てながら、あーでもないこーでもないと、打ち合わせに花が咲く日々

 

4月には試作品初号機ができ、ノートパソコンよりも少し大きいくらいの太陽光パネル+システムがコンパクトに布製の鞄におさまった

 

5月に入り、キタハラはオフィスに眠っていた10年前のiMacを掘り起こし、iMacにソーラーシステムを搭載できないかと提案したら、ソーラーパネルとサイズがぴったりで、一同大感動! 同時に、梅原が「Maker Faire Tokyo 2015」への応募に動き出した

 

6月、できあがったiMac Solarを見て、にんまりの図。メイカーフェアへの出展も決まり、ゴールが明確になると、集中力が高まってくる

 

7月26日は、午前中にDIY断熱ワークショップをおこない、午後からメイカーフェアに向けた最終調整を。キタハラも何とか作品を間に合わせるべく、次女をおんぶしながらハンダ付けに挑戦!

 

こうして迎えたメイカーフェア。出展名は「森ノエレキラボ」です。

「みんなで遊びながら、楽しく、かっこよく、エネルギーシフトしたい……」

エネルギーを自分でつくってつかう文化を広める、くらしに寄り添うカスタマイズ可能な発電所。独立型ソーラーシステムのワークショップを、よりブラッシュアップしていき、いずれは「再生可能エネルギー関連の開発に特化したファブラボをつくれたら」と、妄想がふくらみます。

 

あざみ野ぶんぶんプロジェクト時代から一緒に活動していた野口幸子さん、青木真紀さん、森ノオトの新メンバー・今里元子さんもスタッフとして入ってくれて、さまざまなお客さんと交流した

 

当日、会場でセッティングをしているそばから、ものづくりびとたちの熱気と、モノ自体のおもしろさにすっかり取り付かれてしまったキタハラと梅原。ブース番もそこそこに、交代しながら会場を巡りました。

 

会場に到着してすぐ、ロボットに話しかけられるキタハラの次女。まんざらでもなさそうで、ニコッ

 

野菜をさわると音が鳴る、野菜シンセサイザー!?

 

廃ブラウン管が楽器に! 人のカラダも電解質で、電気を通す性質があるのだが、左の女性と右の女性がタッチすることで、ブラウン管から通電して音を鳴らしている

 

頑丈さと大容量、そして美しさを兼ね備えたSYNTONYさんの独立型ソーラーシステム

 

私たちの師匠2名(杉野さん、福重さん)が参加している「@ち〜む」さんの発電凧。空飛ぶ凧が発電しながら空中撮影するって、とことん楽しい!

 

メイカーフェアの会場を練り歩くと、そこに「エコ」「エネルギーシフト」などといった文言はほとんど見当たらず、ひたすら電子工作を楽しみ遊ぶ、そんなムードにあふれていました。

そうか、基本は「楽しい」から続くんだよなあと思いながら、「サスティナビリティ=楽しさ」の根本原理をあらためて見直しました。

「再生可能エネルギーをMakeする」

という梅原さんのキャッチコピー。エネルギーシフトの潮流は、オルタナティブ(既存の概念とは異なる新しい価値を生み出し実践すること)ではありますが、そこに「楽しい、美味しい、可愛い!」の要素を加えていくのが森ノオト流です。

あざみ野ぶんぶんプロジェクトを立ち上げた時の初心を忘れずに、森ノオトやたまプラーザぶんぶん電力、そして森ノエレキラボとつらなる動きを、大切に育て、芽吹かせていきたいものです。

 

iMac を改造したi solar 20は、見た目があまりにナチュラルすぎて、ソーラーパネルだと気づきにくい(笑)。さらに昇圧コンバーターでMacBookAirに充電できると説明して始めて「おお!」と歓声が

「森ノエレキラボ」による新しい独立型ソーラーシステムのワークショップも、随時開催していきますので、楽しみに待っていてくださいね!

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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