(text&photo:ながたに睦子)
私がせりがや冒険遊び場のプレイベントの記事を森ノオトに書いたのは、去年の9月のこと。それからちょうど1年が経ちました。毎月のように楽しげなワークショップが開催されたり、未収園児のお母さん向けの「子育てカフェ」や、思春期のお子さんを持つお母さん向けの「思春期講座」など、せりがや冒険遊び場(通称「せりぼう」)は、地元の子どもたちはもちろんのこと、地域の大人たちや、隣接する市から遊びに来る人々にも、すっかり親しまれた場所となりました。
9月下旬のある週末、この日は、せりぼう1周年の記念イベント「せりぼうまつり」が行われるとのことで、私たちもせりぼうをお祝いすべく、家族で遊びに行ってきました。楽しげな様子を、フォトレポートと共にお届けします!
岡本さんによると、せりぼうは長期休みの時などは、平日でも1日に300人ほど訪れることもあると言います。特に気候も良い春休み頃は毎日のように子どもたちであふれ、賑やかだったとか。
岡本さんによると、この1年間で、常連と呼ばれる子どもたちもどんどん増えていったとのこと。今回のお祭りも、歌を作ったり、看板やポスターを作ったりと、子どもたちとプレイリーダーが一緒になって準備を重ねてきました。私と岡本さんが話している間にも、「ねえねえ、うさぎー!」と、代わる代わる子どもたちが話しかけにきて岡本さんは大忙し。学校での出来事や友達の話をしたり、ニコニコ笑ったり、愚痴を言ったり。そこで子どもたちが見せる表情は、家庭や学校で見せるものともまた違った、リラックスした表情のように思いました。
せりぼうは、1年の間に子どもはもちろん地域の大人たちにも支えられながら育ってきたようです。この日も、せりぼうをサポートするたくさんの大人たちの姿が見られました。
この日は、一緒に行った娘もとても楽しそうに、いろいろなコーナーを回っては遊びに興じていました。気がつくと、公園に遊びにきていた地元のおじさんに紙飛行機の飛ばし方を教わっていて、そんな姿を見ているととても微笑ましく感じたものでした。
最近は、私たちが幼かった頃に比べ子どもたちの遊ぶ環境は変わり、自由に遊べる空き地も減っていき、大人が気軽に子どもに声をかけられなかったり、ガキ大将のような年上の子に小さな子どもたちが付いていって遊びを覚えていくような姿も、あまり見られなくなりました。ですが、せりぼうでは、高学年の子が小さな子に遊びを教えたり、大人と子どもが一緒になってベーゴマを楽しんだりしている風景が、ここかしこで見られました。
また、子どもと遊んでいると、つい、「そこへ入っちゃだめだよ!」「それは危ないからやめなさい!」などと口を出してしまいがちで、本来、自ら遊びを生み出す能力を持っている子どもたちから、その機会を奪ってしまっているような気もします。せりぼうで遊ぶ子どもたちを見ていると、大人は付かず離れずの距離を保ちそっと見守り、子どもたちも自由に手や足を動かしている姿をたくさん見かけうれしくなりました。また日頃、口や手を出しすぎている自分をちょっと反省もしました。
この日は、本当にのびのび遊ぶ子どもたち、そしてそれを笑顔で見守る大人たち、また、童心に帰ったような表情で子どもたちと戯れる大人たちの姿も見られ、私はとても暖かい気持ちになりました。常設のプレイパークがなかった町田市に、せりぼうができて1年。ここに来れば、いつでも知った顔に出会える。せりぼうが、家とも学校とも違う自分の大切な居場所になっている。常連の子どもたちにとって、せりぼうはもはやなくてはならない場所なのだろうなと感じました。
また、せりぼうに遊びに来る、子育て真っ最中や、子育て卒業組の大人たちも、そのような子どもたちの姿を見て心を穏やかにしているのではないだろうかと、そんなことも思いました。
せりぼうでは、毎月のように、ワークショップや講演会、手作り工房など楽しいイベントが行われています。みなさん、ぜひ遊びに来てください。これからも、町田市民のみならず、広く大勢の人たちに愛される冒険遊び場として、せりぼうが育っていきますように!
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