電力自由化目前!みんな電力の新しいCSR「ジョシエネLABO」
ソーシャル・エネルギー・カンパニーを標榜し、太陽光発電やバイオマス発電などの発電事業、小型でスタイリッシュなソーラー発電の開発や、女性アイドルによるエネルギーの啓発事業など、ユニークな取り組みで注目を集める電力業界の風雲児・みんな電力(東京都世田谷区)。12月から女性の学びと活動の場をサポートする新しいCSR「ジョシエネLABO」を立ち上げます。

「電力自由化」ーー。この言葉を聞いたことのある森ノオト読者のみなさん、来年からいったい、何が変わるのかご存知ですか?

家庭で電気を使うには、横浜ならば東京電力と契約するしかありませんでしたが、来年からは新規参入の電力会社と契約することができるようになります。そう、20年前の通信の自由化で固定電話を皮切りに、携帯電話のキャリアやインターネットのプロバイダーを、料金やメニューで自由に契約できるのがいまではすっかり当たり前になったように。そんなふうに、電力会社もサービスやメニューによって好きなところを選べるようになるのです。

パーソナルエネルギー「solamaki」を手に持つ上田マリノさん。本当に薄くて軽い! これからもベランダソーラーなど次々に新しいアイテムを展開予定

どうせならば、新しい電力会社を選ぶ際に、エネルギーに関する基本的な知識を得て、賢く選んで使いたい。家庭のエネルギーを握るのは女性です。女性がスマートにエネルギーを選べるようになれば、家庭も社会も環境も経済も「四方よし」になるのでは……。そんな女性の学びと活動の場をつくろうと、東京都世田谷区に本社をおく「みんな電力」は、会社の社会貢献活動(CSR)の一環としてこの12月より「ジョシエネLABO」をスタートさせます。

「環境エネルギーをテーマにした女性の学びと活動の場をサポートし、知性と教養を高めて自立した女性=“女史”を世の中に生み出していくのが、ジョシエネLABOです」

そう話すのは、みんな電力の広報・PRを担当する元祖エコアイドル・上田マリノさん。上田さんは『環境新聞』で森ノオトを取材してくださったこともあり、各地のエコイベントでの司会やエコライブ活動、環境プランナーで所沢市のマチエコ大使など、エコを切り口にしたアイドルとして知られる環境界の第一人者です。

「いま、女性の自分磨きが流行っていますが、それを環境・エネルギーや社会貢献の分野で展開していきます。毎月第一日曜日を定例会とし、電力の自由化やCSRなど世間で注目されているテーマを中心とした講座と、参加した女性がそれぞれの個性や得意分野を生かして講師になったり、商品開発などのコラボレーションを生み出すことで、女性の自立や雇用を生み出すことにもつなげていけたら」と、上田さんは抱負を語ります。

みんな電力の代表取締役社長・大石英司さんは「環境エネルギーの世界で社会を変えていくには、生活者の意識改革でしかないと感じています。みんな電力が創業以来、太陽光発電や小水力発電、バイオマス発電の電源開発で得てきた利益を、“教育”という観点で社会に還元していきたいと、ジョシエネLABOを応援することにしました」と言います。

みんな電力代表取締役社長の大石英司さん。メガソーラーなど大きな発電ビジネスも手がけるが、個人や家庭向けの環境アイテムの開発、啓発を変わらず重視していきたいと語る。「震災前からコツコツと環境のことをやってきたマリノちゃんの活動を会社として応援したい。電力の自由化がきっかけになり、いつか日本もエコやエネルギーのマインドが変わる日がくるかもしれない」

みんな電力は2011年5月に設立。発電する巻物「solamaki」などパーソナルエネルギーの開発や、女性による環境エネルギーの啓発活動「エネドル」など、消費者向きのユニークなサービスで知られますが、実はメガソーラーやバイオマス発電などの電源開発を主力事業としておこなう立派な電力会社です。震災後に始まった会社ではありますが、創業の理由は、携帯電話の電池切れに悩んだ大石さんが、目の前で小型バッテリーを使って充電する女性を見て「どうやったらこのお姉さんから電気を買えるのか」という個人的な体験がきっかけだそうです。「だから、パーソナルエネルギー事業は、みんな電力の原点でもあるんです」。

みんな電力が開発した電源は、100%再生可能エネルギーで、いまでは事業の8割を占める主力事業ですが、2016年の電力自由化に向け電力小売事業者として新規参入を果たし、来年から、いよいよ新しいビジネスを展開します。元々ITのシステム開発に長けているみんな電力は、「顔の見える電力事業」と銘打ち、スマートフォンで発電所を選べるシステム「エネクション」を開発しました。

たとえば、北原ならば出身地でもある山形県の「ミスりんご発電所」を選ぶことができます。1kWあたりの価格は27円とやや高めですが、発電所オーナーの農家さんのりんごを40%割引で買える……などの特典を選べたり、電気を買ったお金の一部を復興支援に使うなど、さまざまなメニューを選べるのが魅力。「みんなでつくって、みんなで選ぶ。参加型電力会社というのがみんな電力のキーワードです」と大石さん。

今年の3月には、たまプラーザぶんぶん電力メンバーでみんな電力を訪れ、情報交換をおこなった。右はみんな電力の姫井亜希さん

世田谷電力研究会など地域に密着した事業者でありながらITシステム開発で大きく展開していく、みんな電力という新しい電力会社の動きに目が離せません。今後、大手の通信会社による通信と電力のセット販売など、さまざまなニュースが耳に入りますが、電気の世界で「楽しい、明るい、おもしろい」+「ジョシ力」で勝負するみんな電力のマインドは、ほかにはない斬新なもので、ワクワクします。森ノオト&たまプラーザぶんぶん電力の標榜する「エネルギーの世界に 美味しい、可愛い、楽しいを!」と理念が合致するのにも驚きました。

第1回目のジョシエネLABOは、12月3日(日)14:00に世田谷ものづくり学校を会場にスタートします。エネルギーの世界から新しい自分の可能性を開いてみたいジョシ、必見ですよ!

Information

みんな電力

本社

住所:東京都世田谷区池尻2-4-5 世田谷ものづくり学校210教室

http://minden.co.jp

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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