「子育てしやすいまち・(自称)ナンバーワン!」と、住民たちがいつも胸を張って笑顔で行き交うまち・鴨志田町。青葉台駅からはバス便ですが、寺家ふるさと村に近く、緑が豊かで落ち着いた街並みが人気の「カモジケ」エリアでは、「鴨志田中央」の交差点付近を中心に、いつも、何か、楽しそうな雰囲気で満ちています。
その仕掛け人の一人が「カモカモ母さん」こと藤好つむぎさん。ブタのいるガソリンスタンドで知られる金子石油店の飲食部門を統括し、月に1回のカモカモマーケットや、鴨志田町・寺家町の有志で地域を盛り上げるイベント「カモジケ祭り」などを取りまとめています。
「うちの子、ここの子、みんなが育つのを待っていた」と、笑顔で語るつむぎさん。実は、カモカモマーケットは、親が出店する横で子どもが看板娘になっていたり、運営メンバーの子どもたちも親と一緒に裏方としてがんばっていたりと、常に「家族」が一緒になってつくっているマルシェなのです。
カモカモマーケットが始まって4年、当時は未就学児だった子どもたちにとっての憧れの的だったのが「fuwa*moco」さん。手編みのシュシュで初出店した小学校4年生は、今年の春から中学3年生で、年に2、3回出店するなかで、めきめき腕を上げてきました。作品のバリエーションも増えて精巧になり、編み物だけでなく、UVレジンのヘアアクセサリーや、建築材料をフェイクスイーツのマカロンのホイップクリームとして活用するなど、あっと驚く精巧な作品は、小学生たちから「フワモコさん、まじ、すごい」と尊敬の眼差しを集めていました。
「みんな、気に入ってくれるかなと、ちょっと心配だった」とはにかんだ表情で話してくれた女の子は、普段は両親と一緒に野菜を売っているこの春5年生の看板娘さん。保育園に通う妹さんも手伝ったという手作りのキーホルダーや缶バッジは飛ぶように売れて、売り子をしながら作品の仕上げをする場面も。「ネイルでラメをつけると、バッジがキラキラして可愛くなるの」と教えてくれました。
この春から新4年生になる「むくどり」さんは、フェルトでつくった人の顔のブローチを販売。シュールでユニークな顔立ちは大人からも大絶賛で、「人の顔がついているものが、こんなに人気だなんて」と本人も驚いた様子。
「お年玉で裁縫セットを買って、自分のお小遣いで安全ピンを買ったんです。きれいに、みんなに喜ばれるようにと思って、つくりました」と、しっかりとした受け答えで、「たくさん売れたら、fuwa*mocoさんのアクセサリーを買いたいな」と話してくれました。
私は、毎日暮らしている場で、大人がはたらく姿を感じながら、子どもが地域社会の中で自分たちを発信する場がこの鴨志田町で生まれていることに、とても感動しました。
子どもたちが自分で作品を設計し、時間をかけて準備をして、材料の仕入れや販売価格を考え、集客の努力をし、お客さんに自分の作品の魅力を伝え、売ったあとは次の企画をまた考える……これこそ、生きた教育だと思うのです。
子どもたちを主役にするためには、子どもに伴走する親の姿勢も大切で、「こども店長」の企画は、一朝一夕でできることではありません。
「春休みというタイミングで、満を持してスタートできてよかった」と、藤好さんは言い、「子どもがこんな風に張りきる姿を見られて、我が子を見直した」とお子さんに寄り添っていたお母さんもうれしそうでした。
評判と注目度の高かった「こども店長特集」ですが、今後は、春休みなど年に1-2回程度の開催を検討していくとのこと。
小さくとも、長く、休まずに続けて、少しずつ進化している「カモカモマーケット」の今後に、期待大です!
カモカモマーケット
次回は4月24日(日)10:00-13:00
https://www.facebook.com/kamokamomarket
第1会場:Hula-meshi(フラメシ)前(横浜市青葉区鴨志田町561-1)
第2会場:鴨志田惣菜店前(横浜市青葉区鴨志田町567-13)
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