キンモクセイは中国南部原産で、江戸時代に日本に伝わってきました。中国ではモクセイの樹や花のことを「桂花(ケイカ)」「丹花(タンカ)」と呼び、香り以外でも様々な効能があるとされ、重宝されています。桂花陳酒(白ワインにキンモクセイの花を3年程つけたお酒)や桂花茶(花茶)は日本でもよく知られていますが、他に蜜煮にした香味料・桂花醤、花を砂糖漬けにした桂花糖、花とはちみつを一緒に炊きこんだ蜂蜜桂花飯など、昔から中国では季節を通して親しまれている植物なのだそう。
キンモクセイは漢方の観点からは、お腹を温め寒さを散らすとされ、低血圧の改善・不眠症・健胃・目の疲れ・解毒作用・肝臓の働きを助ける・美白・ダイエット効果などもあるそうです。
なるほどなるほど……。
キンモクセイの香りが好きで、「花びらのシロップをつくってみたい!!」という思いでつくりましたが、まさか花びらに漢方的な意味があるとは知りませんでした。
ここで質問です。下記の写真をご覧下さい。お皿の上のクリーム色のお花は何でしょう?みかけたことはありますか? 答えは……
では、ここから摘みたての花びらでつくったキンモクセイのシロップをご紹介します。
<キンモクセイのフラワーシロップ>
材料
キンモクセイの花びら 50g
てんさい糖 300g
水 300ml
みかんのリキュール 100ml
(桂花陳酒やグランマルニエなどでも)
つくりかた
(1)キンモクセイの花びらのみを摘む。摘んだ花びらをザルに入れて、茎や細かいゴミを振り落とす。これを2、3回繰り返す。
(2)たっぷり水をはった容器に(1)の花びらを入れ、みかんのリキュールのうち半量の50mlを注ぐ。
*リキュールを入れるのは花の香りと風味を損なわないようにするため
(3) 手でゆっくりかき混ぜて、花びらについた汚れや小さな砂等を沈殿させる。浮いている花びらを手ですくってザルにとり、ボウルの水をかえ、(2)と同様に残りのリキュールを加え、もう一度汚れを落とす。
(4) 洗った花びらを手ですくってザルにとり、30分ほど水切りする。
(5)ホーロー鍋に水とてんさい糖を入れ、沸騰直前に花びらを加える。花びらがふつふつしてきたら、沸騰させないようにゆっくりかき混ぜながら、弱火で5分間煮て、火を止める。
(6) キンモクセイの香りやエキスを抽出するため、そのまま人肌になるまで自然に冷ます。
(7) 冷ましたシロップを再び火にかけ、ふつふつしてきたら火を止める。煮沸消毒した保存瓶にシロップをつめて完成。
*山梨県にお住まいの「うにいくら」さんのレシピを参考にさせていただきました。
今回、キンモクセイのフラワーシロップに合わせて、豆乳で仕立てた杏仁豆腐もつくりました。花びらをおそるおそる口に入れた子どもたちの反応にドキドキ……。
「おいしい!!」「明日も食べたい!!」と言う声と満面笑みに私もにっこり。自分で言うものなんですが、とっても美味しかったです。そして、こうして家族と季節を味わうことは豊かでしあわせなことだな……と心から思いました。
この秋、このシロップを使ったお菓子づくりを子どもたちと楽しみたいと思います。
みなさんも来年、ふわりとキンモクセイの香りを感じたら、ぜひつくってみてくださいね。
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