(text、photo:隂山綾)
横浜市青葉区、東急田園都市線のたまプラーザ駅から徒歩10分程度、バス通りを北上すると病院が立ち並ぶ先に個性あふれる飲食店が集まっているエリアがあり、そこに「イタリアンロッジ テン」がオープンしたのは2017年6月のことです。
オーナーシェフの安田天伸さんは、兵庫県の芦屋市で5年、東京の銀座で10年、二子玉川で4年半、それぞれイタリアンのお店で経験を積んできました。そして、満を持して子どものころからの夢だったという自分のお店をたまプラーザに持ちました。
元々料理の世界に入ったのは、安田さんのお父様が飲食業をされていたこともあり、「手に職をつけて、自分のつくったもので人に感動や喜びを提供できるようになりたい」と思っていたことがきっかけだったそう。
イタリアンを選んだ理由は、「カジュアルだが、素材を生かすための技術や工夫が大事になる料理だったから」と話します。
「住宅街の中にポツンと佇む店に温かい光が灯り、いい匂いをさせながら、木のぬくもりあふれる店内で周りに住む人々が大事な人とゆっくり過ごせる場をつくりたい」と、自分のお店のイメージをかねてから抱いていた安田さん。奥様が友人とのショッピングをきっかけにたまプラーザを訪れた時に、抱いていた理想にぴったりの場所だったと言います。並木道に面した落ち着いたまちがとても気に入り、開店からもうすぐ一年が経とうとしていますが、このまちを選んだことに後悔は全くないそう。
お店に来るお客さんの人柄の良さにも魅せられているとのことで、「一番嬉しかったのは、いつも一杯飲みになど立ち寄ってくださるお客様が、お店に寄れないときにも“このお店の明かりが灯っているだけでホッとする”と言ってくれたこと」と、自分たちの理想とするまちでの姿に少しでも近づけていることに大きな喜びを感じているようです。
安田さんの出身地でもある山口県から仕入れている食材もありますが、基本的には近くの川崎市北部市場で仕入れ、季節の食材を大事にした美味しい料理をこだわってつくっています。
「シンプルでもオーガニックで体に良いものをお客様に食べていただきたい」をコンセプトに、ランチのスープやニンジンドレッシングのサラダ等、安心できる材料を使っているとのこと。
自家製のじゃがいものニョッキやイチジクとゴルゴンゾーラのメニューは定番となっており、旬の食材を生かした料理が並びます。
安田さんの思いが通じたのか、お客様のリピーターや口コミでの紹介も多く、想像していた以上に早くまちになじめてきたと感じているそう。
店内はオープンキッチンで、お客様の食べている表情が見られるようにしていて、カウンター席や窓際や奥の個室的な席等、色々なタイプの方が来られるようにと配置しており、山小屋風に自然を見みつつ感じられる店内にと、古木を集めて温かい仕上がりとなっています。
奥様も美術やデザインが好きだった経験を活かし、居心地の良い空間を意識して、グリーンを店内に多く配置したり、立ち寄りやすくなるようガラス張りにして店内が見えるようにしたりと工夫をしてきたそう。
窓にはお客様たちが思い思いに描いた絵やメッセージなども記され、新たなトレードマークともなっています。これからは夏に向けて、並木道に面したテラス席を作ることが目標、と安田さんの夢は膨らみます。
ユリノキ通り周辺の飲食店や隣の接骨院など、オーナー同士の年齢も近く、「ライバルというよりはこのまちを盛り上げていく仲間がいるようで、相乗効果でこのエリアが賑わっていけばうれしい」と安田さんは語ります。
取材を通して、こんな素敵な方たちがまちに越してきて、居心地の良い美味しいお店を開いてくれて、そんな魅力あふれるお店との出会いにより一層このまちが好きになっている自分がいます。良い連鎖反応で、こうして住んでいる人が大好きになるまちが脈々と作られてきているのだなと感じました。
ITALIAN LODGE TEN
〒神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-23-7 倉本プラザビル103
電話:045-507-3799
Facebookページ:https://www.facebook.com/italianlodgeten
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