横浜の恵みを分かち合う|3/2(土)よこはま100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト〜
横浜の農村と里山の景観を楽しみながら、“同じ釜の飯”ならぬ“同じ桶の味噌”を100人で仕込みませんか。料理家のみつはしあやこさんのおむすびと味噌汁を囲みながら、地産の恵みと季節の手仕事のある暮らしを愉しむ仲間を広げましょう。会場はにいはる里山交流センター「つどいの家」です。

老いも若きも、健康に不安のある方も、学生も、世代も性別も人種も越えて、誰でも参加できる手前味噌づくり。「よこはま100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト〜」は、多世代で季節の手仕事を愉しみたいという料理家・みつはしあやこさんの願いから始まりました。
私たちNPO法人森ノオトは、横浜の緑豊かな環境に魅せられ、農的景観と地域の文化を今につなぐ横浜の農家さんたちを9年にわたり取材してきました。「よこはまの地産地消を未来につなぐ」をライフワークに、食べる人とつくる人をつなぐ活動をしてきました。

材料は横浜産の大豆と米糀、日本の海の塩だけ。100人で味噌を仕込み、翌年分かち合う

ごはん、味噌汁、香の物。和食があれば、心満たされ、体も整う。そんな和食の素晴らしさを「和食育こころ」として子どもたちに伝えるみつはしさんと、森ノオトが出会うことで、「よこはま100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト〜」が始まりました。

森ノオトが2017年より実施している「farm to miso」プロジェクト。遊休農地を活用する会の皆さんと。2017年は天候もよく豊作だったが、2018年は異常気象もあり収量は前年の半分以下。農業の厳しさを肌身で感じる1年だった

森ノオトが、青葉区と緑区の若手農家グループ「遊休農地を活用する会」の皆さんにお願いしてつくっていた、横浜産・無農薬の津久井在来大豆。時折畑に行っては、大豆が育つ様子を見つめてきました。
会のリーダーでもある三澤元芳さんのお母様・百合子さんと一緒に、森ノオトの会員で大豆を仕分けました。

収穫した大豆は、固い「石豆」や小さなものをはじいて、形や大きさを揃える。気の遠くなる作業を経て私たちのもとに大豆はやってくる

昨年の糀は、三澤さんのお米で、都筑区の農家・平野フきさんが糀づけをしてくださいました。農家の軒先で糀をつくる時間は、お米の状態や気温と対話しながら、まさに季節を感じるものでした。
今年は、瀬谷区の川口糀店さんに糀をお願いします。

横浜農業界のレジェンド・平野フキさん(右)とみつはしあやこさん(中)。平野さんは女性農家による市を長年牽引してきた。現在はジャムづくりや塩糀づくりなどの加工品づくりに精を出している

瀬谷区で文政年間からの暖簾を継ぐ川口糀店の川口恭さん(右)。道具一つまでこだわり抜き、日々ストイックに糀と向き合う

会場となるにいはる里山交流センター「つどいの家」は、人の和、地域の輪、自然との環を紡ぐことで、里山を未来に伝えようと、里山環境の保全や農のある暮らしを感じられる施設です。美しい古民家・旧奥津邸での季節行事や、新治市民の森での自然体験など、横浜の農的空間のよさを伝えてきたNPO法人新治里山「わ」を広げる会が、「100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト〜」に協力してくださることになりました。
新治里山「わ」を広げる会の事務局長・吉武美保子さんは、青葉区の寺家ふるさと村の初代職員で、今では横浜名物となった四季の家での味噌づくりを引っ張ってきた、まさに「地産地消を伝える」大先輩。横浜の里山・農業・地産地消を結びつける機会を、「手前味噌づくり」という形でつないでいけることに、喜びを感じます。

手前味噌づくりの冒頭に吉武さんの話を聞いて、横浜の里山環境について学ぶ参加者たち

昨年の3月3日(土)、手前味噌づくりに参加した人たちは、地元横浜の人、東京からの人、横浜在住のインド人グループ、農業に関心のある学生さん、そして私たちスタッフまで含めて100人を超えました。
初めての味噌づくりを楽しむご家族や、小さな手で一生懸命味噌玉を丸める幼児、赤ちゃんを背負いながらがんばるお母さん、お孫さんの様子を見ていたら自分も参加したくなったおばあちゃん……。たまたま一緒のグループになった人たちと会話を交わし、味噌を通じた交流があちらこちらで見られたのは、収穫でした。

昨年はインド人グループも交流参加。緑区にはインド企業やインド系インターナショナルスクールがある

みつはしさんが徳島県の職人さんに頼んでつくった、100kg入る桶。それぞれ仕込んだものを各自で持ち帰るのではなく、一つの大きな桶にみんなで味噌を仕込み、「また来年会おう」という約束をして、別れます。仕込んだ味噌が熟成される一年後にまた会う楽しみができる、味噌を通じた地域交流をしたい、という思いを込めています。

つぶした大豆は丸めて「味噌玉」にする

今年は、12:30から「つどいの家」で、昨年仕込んだ味噌でつくった味噌汁とおにぎりの軽食を囲みながら、味噌のシェアと、味噌について語る会を開催します。今年初めて参加する方もご一緒にどうぞ。
その後、みんなで2019年の味噌をつくりましょう。

今年は味噌仕込み会の前に、昨年仕込んだ味噌でつくった味噌汁と、みつはしさんが心をこめてつくったおむすびとを囲んで、交流会をおこなう

手前味噌が結ぶ、地域の輪。一人ひとりが日々の食事を通して、横浜の地産地消を未来につなげていきたい。そんな思いを込めて、今年も「100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト〜」を開催します。ぜひ、ご家族で、お仲間と、お一人でも、お越しください。

企画メンバーの山本久美子さん、みつはしさん、森ノオトの北原、新治里山「わ」を広げる会の吉武さん、和食育こころスタッフの池田良子さん

 

Information

100人のひとしずく〜手前味噌プロジェクト2019〜

 

日時:2019年3月2日(土)

 

昨年の味噌のシェア会(軽食付き)12:30〜13:30

今年の味噌の仕込み会 13:30〜15:00

 

参加費:

味噌のシェア会(軽食代として)お一人あたり1000円

味噌の仕込み会 一家族あたり2000円

・軽食不要の乳児は参加費無料です

・軽食には料理家・みつはしあやこの特製おむすびと味噌汁をご用意します。

・翌年の同時期にシェア会+味噌づくりの会を行います。

・一家族あたり約500gの味噌をお持ち帰りできます。

 

持ち物:エプロン、三角巾、マスク、味噌汁用のお椀、箸、手ふきタオル、汚れものを持ち帰る袋、大豆をつぶすためのすりこぎや麺棒。汚れてもよい服装でお越しください。

 

会場:にいはる里山交流センター「つどいの家」
横浜市緑区新治町887

http://www.niiharu.jp

アクセス:JR横浜線「十日市場」駅南口より徒歩15分

東急田園都市線「青葉台」駅もしくは「十日市場」駅より市営バス23系統「三宝中央」行き「杉沢」バス停より徒歩6分(運行時間は1時間に1本程度です)。会場には駐車場はありません。公共交通機関か徒歩でお越しください。

公園は一般の来訪者も多く訪れます。手前味噌づくりの様子もオープンにして見学・交流いただく形になります。また、広々としたスペースで里山景観を楽しめますが、お子様の行動につきましては保護者の方の責任で、危険のないよう目をお配りいただけますよう、お願いいたします。イベントの前後は、新治市民の森の散策や旧奥津邸の見学などをお楽しみいただけます。

 

申し込み方法

申し込みフォームでのお申し込みをお願いいたします。

https://goo.gl/forms/Eh9kzQzauHWM0BMq1

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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