横浜の農を盛り上げたい!地産地消の体験型イベント大成功
知る、味わう、楽しむ、買うー。会場は、地産地消をテーマにした百貨店の催しもののよう。横浜の農の生産者たちと出会ったさまざまな立場の女性たちが、横浜の地産地消をもっと広げたいと願って、体験型イベントを合同で企画しました。企画者たちの情熱のこもった「横浜の地産地消と出会い、未来につなぐ文化祭」の様子をお伝えします。

餃子のビンゴに料理体験、農家さんのトークショー、野菜や農産物加工品の販売……。2019年2月23日、「横浜の地産地消と出会い、未来につなぐ文化祭」の会場となった横浜市青葉区のアートフォーラムあざみ野3階は、色とりどりの地産地消にまつわる企画が繰り広げられました。

 

このプロジェクトは、2018年9月からの「横浜の地産地消を未来につなぐ連続セミナー+文化祭」の発表の場として開かれました。連続セミナーでは、メンバーたちがさまざまな現場で横浜の地産地消を発信しているゲスト講師から経験談を聞いたり、自身の食生活を見つめたりしながら、企画を練り上げてきました。「マイ農家さん」を探して会いに行き、打ち合わせを重ね、試行錯誤しながら本番を迎えたのです。

 

イベント当日は、親子連れら140人を超える来場者を迎え、さまざまな角度から地産地消を発信し、楽しく学べるプログラムを提供しました。

 

みつはしあやこさん(料理家/「和食育こころ」、出張手前味噌教室主宰)は、青葉区の女性農業者・三澤百合子さんを招いた「加工品開発ヒストリー」のトークショーを、「地産地消グラノーラ」のワークショップ付きで展開しました。

「三澤さんと出会い、地産地消へ意識や思いが、がらりと変わった」とみつはしさん。三澤さんの収穫物を使ったグラノーラ作りは、子どもたちも体験できる内容で大好評

荒木のりこさん(お料理教室「nori★nori★kitchen」主宰)、 なかおわかこさん(酵母パンとゆるマクロビ教室「わかぱん」主宰)は、「斉藤農園(都筑区)の美味しい旬野菜&”ぶんこのこんぶ”(金沢区)でパパッとクッキング」を企画しました。

都筑区仲町台エリアで、地域に根付いた農業を営む斎藤農園さんの野菜とともに、金沢区で養殖された生昆布を紹介。迫力ある生の昆布に一同目が釘付けに

 

竹澤寛子さん(会社員、2児の母)は、佐藤農園野彩家(緑区)の野菜を使った「ぎょうざでビンゴ!~食べるって大切~」に取り組みました。

餃子の中に入っている野菜を当てるビンゴは、親子連れでも大盛り上がりで「家でもやってみたい」との声も上がった。佐藤農園の佐藤克徳さんの「食べるのは簡単だけど、作るのは大変だよ」とのメッセージが参加者に響いたよう

 

はまふぅどコンシェルジュの荒井優紀子さんは、「出番です。遊休農地」というタイトルで、動画上映と遊休農地を活用する会代表・三澤元芳さん(青葉区)とのトークを展開しました。

耕作されていない農地の活用について、畑に足を運んで取り組みをきめ細やかに取材した映像を上映。三澤さんには「遊休農地の土の状態は?」「体験できるイベントは?」などと、参加者から質問が飛び交った

 

関口春江さん(エリア活用プロデュース、空間デザイナー/「753プロジェクト」メンバー)は、「発酵から地産地消を考える」をテーマに、川口糀店(瀬谷区)の甘酒と佐藤農園野彩家(緑区)の野菜でスムージー作りのワークショップをおこないました。

「日常に発酵を取り入れると、食材を無駄にしない、生活に四季が入ってくる、など恩恵が受けられる。ぜひ取り入れてみて」と語りかけた関口さん

 

池田美智恵さん(会社員、マルシェボランティア/はまふぅどコンシェルジュ)は、山本久美子さん(アルバイト)とともに、小松菜農家・小山晃一さん(港北区)を囲んで「小松菜丼」を味わってもらうプログラムを企画しました。

小松菜を生で味わう「小松菜丼」に巡り合い、その驚きが感動に変わったという池田さん自身の経験が、この企画の原点。池田さんの熱意を受け、農家の小山晃一さん(中央)が登壇し、地産地消レストランを営む椿直樹さん(右)がレシピを提供した

 

山本久美子さんと宮内愛子さん(主婦)は、展示「横浜市の地産地消まるわかりガイド~今日はなにを食べよう~」に取り組みました。

青葉区、緑区、都筑区を中心に横浜の地産地消にまつわるスポットを丁寧に紹介。来場者からは、おすすめの地産地消の情報を寄せてもらった

当日は、料理家の田部井美佳さんが「ハイランドケーキ」の焼き菓子を紹介したり、コマデリのお弁当の販売、今回の企画にかかわる農家さんの農産物や、ジャムやドレッシングなどの農産物加工品などの販売ブースを設け、ほぼ売り切れとなるほどの盛況ぶりでした。

新鮮な野菜やこだわりの加工品が大集合し、買い求める人で大にぎわいとなった

トークゲストの三澤百合子さんが、季節の花やこんにゃく芋で物販コーナーを彩った

 

この企画を主催したNPO法人森ノオトは、2016-2018年度にかけて、横浜市経済局と協働で、地産地消の調味料講座や、女性農業者を招いた旬の料理体験会を開き、地産地消を広く伝える事業を進めてきました。これまでのイベントを企画、運営する立場から、今年度は、企画する「人」を育てることに焦点を当てて取り組んだのです。

 

新しい挑戦に、森ノオトのスタッフも「どんなふうに形になるのだろう」と、ドキドキしながらのスタートでした。森ノオト理事長の北原まどかは「その場限りの講座でなく、体験がきっかけで自分ごととして地産地消にかかわる方を増やしたい。事業を一緒に動かす仲間をつくりたい、という思いで企画した」と意図を話します。

 

2月の本番を終え、連続セミナーの最終回が3月5日に開かれました。自らの思いを企画の形にまとめ、農家さんに思いを伝えて協力してもらい、イベントを実現させていくことはそう簡単ではなかったと思います。「横浜の地産地消を語るときに、誇りを持って伝えている自分がいる」と話す池田美智恵さんの言葉が印象的でした。

昨年9月からの取り組みを振り返る受講者たち。自身の企画のほかに、ほかのメンバーの企画をサポートする横のつながりが自然と生まれていた

 

全体の振り返りの最後に、これからどんなふうに地産地消に関わっていきたいかという問いかけがありました。

 

「子どもたちと畑を結びつけたい」

「料理教室で地産地消を伝えたい」

「横浜の畑、田んぼに関わっている人の動画を撮りたい」

「地産地消と節句を結びつけたい」

「気づいてもらえる場作りを」

 

それぞれが、企画の実現を通してこれまで以上に自分の軸足を固め、地産地消をどう自分なりに伝えていくか、思いを深めていったようです。地産地消への学びを深めた多彩な女性たちが、これから地域で横浜の農とどのように向き合っていくのか、森ノオトも応援を続けていきたいです。

文化祭メンバーのこれからの活動もお楽しみに!

Avatar photo
この記事を書いた人
梶田亜由美編集長/ライター
2016年から森ノオト事務局に加わり、AppliQuéの立ち上げに携わる。産休、育休を経て復帰し、森ノオトやAppliQuéの広報、編集業務を担当。富山出身の元新聞記者。素朴な自然と本のある場所が好き。一男一女の母。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく