子育てにやさしいまちをつくろう! 地域版子育てツアープロジェクトをレポート
森ノオトと青葉区こども家庭支援課が協働で実施してきた「Welcomeあおば子育てツアー」。今年度、このツアーが、地域の子育て支援施設や支援者、ママたちの力を合わせた地域版子育てツアーとして実施されました。青葉台・すすき野の2つの地域でのツアーの様子をレポートします。

森ノオトは、青葉区こども家庭支援課と協働で、「Welcomeあおば子育てツアー」を2017年から5年にわたり実施してきました。区内で第一子を子育て中の方、転入してきたばかりの親子を対象にして、地域の子育て支援施設や幼稚園や保育園の見学、キッズフレンドリーなお店や、地域の魅力的な人たちを紹介するまち歩きです。同じ年頃の赤ちゃんを育てる、地域のママやパパがベビーカーを押しておしゃべりしながら、自分たちの住むまちの魅力に触れて、子育て仲間と出会えるようにと願いを込めて、丁寧に育んできた事業です。

 

ツアー企画参加のメンバーの皆さんへ「子育てツアーのつくりかた」をテーマに私宇都宮がツアーづくりの例を紹介

青葉区では、「子育てにやさしい地域づくり」につなげたいと、2020年度から「地域版子育てツアー企画」を始めました。ツアーを地域の子育て支援施設や支援者、子育て当事者であるママたちが主体となって実施し、森ノオトは、ツアーづくりのレクチャーや「どんなツアーをつくりたいか」というアイデア出しのワークショップ運営を担当しました。青葉台エリアとすすき野エリアの2エリアでのツアー企画の様子を紹介します。

 

ママたちがつくるママのための「あおば子育てさんぽ」@青葉台

 

青葉台エリアのまち歩き企画の中心になったのは、青葉台エリアで未就学児を子育て中のママたち。子育て真っ最中の先輩ママたちだからこそ、ちょっと前の自分が知りたかったこと、同じく小さな子を育てるママたちに教えたいまちの情報、をベースにして企画が進みました。コースの決め方、紹介する場所をどう選定するかなど、試行錯誤しながらも、青葉台地域ケアプラザ、さつきが丘地域ケアプラザ、地域子育て支援拠点ラフール、青葉区が連携してサポートに入りながら、2021年の10月の秋晴れの下、ツアーが実施されました。

青葉台エリア企画メンバーのコース下見の様子。「みんなで集まって話すだけでもリフレッシュになった」(写真提供:青葉区こども家庭支援課)

 

集合場所となったのは、地域子育て支援拠点ラフール。参加者は緊張した表情で、小さな赤ちゃんを連れて集まってきます。それを今回のツアーのスタッフの先輩ママたち優しく声かけをしながら出迎えます。

スタッフのママたち手作りの地域マップやコース紹介、参加者の自己紹介の後、ラフールを出発!ベビーカーや抱っ紐で赤ちゃんを抱えながら、環状4号線に沿った歩道を十日市場方面へと向かって歩きます。地域の公園をめぐりながら、パレット一時保育室なないろに見学に立ち寄りました。ゴールの青葉台地域ケアプラザを目指しながら、時折立ち止まって、まちの美味しいお店情報やほかの公園情報なども紹介していました。

スタッフのママたちも抱っこ紐で自分の赤ちゃんを抱っこしながら歩いた


 

今回ツアー企画の中心となったママは、「よいツアーができるのか不安になったこともあったけど、まずは初回だし!と切り替えていました。マップづくりも企画したみんなのアイデアがたくさん出て楽しかったし、やれてよかったです」と汗だくになりながら、企画から実施までやり切った充実の表情を見せていました。

 

地域情報たっぷりと多世代でつながる子育てツアー@すすき野

 
すすき野地区のツアーは、主任児童委員、子育てひろば支援者、現役子育てママ、すすき野地域ケアプラザ中心となり、青葉区がサポートする体制で、2021年の1月から毎月1回のペースで集まって企画を進めていきました。地域活動の中心にいる方たちによる、厚みのある地域情報とネットワークを生かした企画は、初日からコースのアイデア、訪問先の選定、スケジュール計画までトントンと進んでいき、その頼もしさに横で見ていて私も思わず唸ってしまいました。

ツアー企画を考えるワークショップ。まずはマップの上に地域にどんな子育てスポットがあるか付箋に書き出していく


 
迎えた2021年10月のツアー当日は、小雨が降ったりやんだりの不安的な天気で、予定していたよりも短縮バージョンのコースに変更となりましたが、7組の親子が参加し、秋のすすき野のまちを歩きました。

「嶮山小学校を卒業したんです〜」という参加者も。数年後に子どもが通うことになるかもしれない小学校を見学できるのは、ママたちにとって貴重な経験


 
すすき野地域ケアプラザを出発した一行は、まず嶮山小学校へ。普段あまり入る機会のない小学校の敷地内を抜けると授業中の子どもたちの声が聞こえます。𡸴山公園の緑道を抜けて、今度はすすき野保育園の園庭へ。なんと年長さんがソーラン節を披露して歓迎してくれました。
 
コミュニティカフェたまりんばでは、お茶で一息つきながら休憩タイム。再び降り出した雨を除けながら、すすき野地域ケアプラザへ帰ってきました。

 

すすき野地域ケアプラザで交流タイム。参加者から「小児科はどこに行けばいいでしょうか?」という質問に先輩ママが答えている様子

最後はツアーで紹介しきれなかったまちの情報を紹介したり、参加者からの質問コーナーなどの交流タイム。参加者からは「同世代のお母さんたちと出会えて嬉しかった」「保育園の園庭開放の情報がとてもよかった」「青葉区で子育てしやすいまちなんだ、と感じた。積極的にいろんな場に参加したい」と話していました。
 
すすき野エリアのツアー企画の中心になった方は「参加者が集まらなかったらどうしようと不安もあったけど、参加者のママたちからも楽しかったと感想をもらって、とにかくやってよかったです。このツアーが地域の行事としても定着していくといいし、関心のあるママたちに今度は企画側へと入ってもらいながら、続けていけるといいなと思いました」と、次の展開にも期待を込めて感想を話してくれました。
 
青葉台、すすき野のどちらのエリアも、最初の企画から半年以上かけて、下見や広報をしつつ丁寧に準備をして本番を迎えました。企画者たちの「このまちの魅力を子育て中のママたちに伝えたい」という熱意は、きっと参加した親子にとって、まちに歓迎されている実感として届いたのではないか、と思います。
 
青葉区との協働事業のWelcomeあおば子育てツアーをゼロから作ってきた私自身にとって、このツアーが「子育てにやさしい地域づくり」の効果があることを確かに感じながらの5年間でした。
 
まちを歩くことで、点在している地域の子育て資源をマップでつなぎ、まちの魅力とともに伝えられること。子育て中のママたち同士、また支援者とつながるきっかけになり、孤独感を和らげること。ツアーの訪問先として受け入れてくれる地域施設が、子育て世代の利用しやすさを意識すること。私自身も青葉区で子どもを育てる当事者として、「こんなに子育てを応援してくれる人たちがいるんだ」と、豊かな子育て資源にたくさん出会えたことが財産です。
 
今回取材した地域版子育てツアーの企画者からは「自分が子育てしながら知った情報や体験が、次のママたちの役に立つことで還元できるのがうれしかった」という声もありました。例えば、春の転入シーズンになると地域のあちこちで、そこに住んでいる人がガイドとなって、引っ越してきた親子などに地域を紹介するツアーがあったとしたら……。参加した親子が次は企画者となって、ツアーが毎年の恒例となっていったら……。今回の地域版子育てツアーの取材を通してそんな期待を感じています。
 

* * *

 
青葉区ではこの度、子育てツアーの企画から、当日の様子、参加者・企画者の声をまとめた「子育てツアーつうしん」を発行。つうしんが欲しいという方、「ツアーを自分の地域でもやってみたい!」という方、青葉区こども家庭支援課までお問い合わせください。 

Information

青葉区こども家庭支援課 

045-978-2456

この記事を書いた人
宇都宮南海子事務局長/ライター
元地域新聞記者。エコツーリズムの先進地域である沖縄本島のやんばるエリア出身で、総勢14人の大家族の中で育つ。田園風景が残る横浜市青葉区寺家町へ都会移住し、森ノオトの事務局スタッフとして主に編集部と子育て事業を担当。ワークショップデザイナー、2児の母。
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