庭や花壇を介したコミュニケーションっていいな。 「オープンガーデンあおば2022振り返り交流会」を終えて
2022年11月3日から13日にかけて青葉区で初開催された「オープンガーデンあおば2022」。イベントを終えて、12月10日に青葉区役所で行われた、振り返り交流会の様子をレポートします。

この日はコートを着て歩くと汗ばむようなポカポカ陽気。振り返り交流会には、オープンガーデンに会場として参加した28か所の会場から、17組19名の方が参加し、熱く活発な意見交換がなされました。振り返り交流会の冒頭で、主催者である青葉区から参加協力への謝辞と実施報告がありました。

青葉区では、参加者の募集から、6月に実施したオープンガーデンを知るイベント「青葉区でオープンガーデンをはじめよう!」の開催、パンフレット制作、広報を行いました。交流会では、開催期間中に区職員がすべての会場を巡って作った写真入りの資料も配付されました

SNS等を利用して広報に協力した森ノオトからは、SNSでの発信とその効果分析を発表しました。

 

2020年に開設したフラワーダイアログのSNS公式アカウントでは、毎週木曜日に定例発信を行っていますが、オープンガーデン期間(11月3日〜13日)を含む1カ月間は集中的に投稿を行いました。

 

集中投稿期間中は、【たまプラーザ・あざみ野地区】【市ケ尾地区】【藤が丘地区】【青葉台地区】のエリアごとに担当を振り分けて、事前に参加会場を実際に歩いて見つけたまちネタを合わせて投稿するスタイルで、毎日投稿しました。Instagramの情報集計では、リールなどの動画も含むと32投稿。投稿を見た人の数を示すリーチ数の合計は3,603人でした。

集中投稿期間中にフォロワーが44人増え、1つの投稿に対するいいね数も、それまでの30〜40くらいから40〜60つくようになりました。年間で150人増を目指し、後半、年度末までにフォロワー数を380人以上にすることを新たな目標に設定!

そのほか、「実際に見に行きました!楽しかった!」と写真を個別メッセージで送ってくれた人がいたり、「全部は見に行けなかったけど写真で楽しませてもらいました」とか、「出身が青葉区で、今は遠方にいるけど、懐かしい地名がたくさん出てきて、とてもいい企画でした」という声が届いていたという報告もしました。

 

その後、4つのグループに分かれての対話と交流の時間では、前半はオープンガーデンの準備期間や、開催期間中に実際にやったこと、あったこと、感じたことを、後半は、もし、今後も開催されるとしたら?という仮定の話として、やったらどうかな?やりたい、または、できそうなことを出し合いました。

各グループのファシリテーター役が意見をまとめ、最後に話し合われた内容を共有しました。個人宅や、公園内や道路沿いの地域のコミュニティ花壇、地区センターなどの施設でボランティアさんがつくる花壇など、手入れをする花壇は会場それぞれでしたが、それぞれが熱い思いを持って、いつも以上にこまやかに手入れをされていたという舞台裏の話を聞くことができました

開催前から、秋は花がない時期だと多くの方が不安を感じていましたが、「メンバーで苗を持ち寄るなどして花を用意した」という会場や、「夏の花が意外に長く咲いてくれたりして助かった」という会場、「区役所や緑の協会、里山ガーデンのリユースで花を分けてもらった」という会場など、各会場で工夫して取り組んでいました。

 

「秋の紅葉とセットで楽しめたのがよかった」「雨の心配をあまりしなくていいのがよかった」と秋ならではの楽しみがたくさんあったという声もありました。

公園から出る枝で草木の名札を作ったという藤が丘公園。花壇が少し寂しい時期だから、1年間の花の写真をまとめた大きな看板を作ったという市ケ尾町公園、「タネ団子を植えたり、ジョウロを置いてみんなが自然と水やりしたり、自然な交流が生まれた」というあざみ野南大六天公園など、訪れる人の目を楽しませる工夫をしたことや苦労を分かち合います。その他、どのグループからも、落ち葉の季節だから、いつも以上に掃除に精を出したという声が聞かれました

 

区役所からの配付資料で、他の会場の様子を見て、それぞれの現場を知る機会にもなりました。中には全会場をまわったという方も数名いらして、青葉区の広さを感じたという声もありました。「やったらどうかな?」という未来の話の中では、「まとまったエリアで公開されているとうれしい。高齢者ものんびり見て周れるツアーなどがあるといい」「パンフレットの地図にも行き方が詳しく書いてあるといい」という声も

 

開催のPRをするため、自ら外に出て「ぜひ見て行って!と道ゆく人に積極的に呼びかけました」というビオラ市ケ尾地域ケアプラザ。「目に止まる小物を使った装飾や、植え替えをがんばったら子どもたちに喜んでもらえた」という若草台第一/第二公園、「毎日誰か担当を決めて参加者に声がけしていました」というもえぎ野ふれあいの樹林と、そこに初めて行って感動した!という方も。それぞれのおもてなしの心、頑張りに、感謝と応援の気持ちが自然と湧いてきます

 

各会場を見に来た方々との小さな交流の報告もありました。自分の手がけた花壇に気がついて、声をかけられたら誰でもうれしいもの。「一人で活動しているから、もっと具体的な感想を聞けたら励みになる」という声もあり、交流が見える化する仕組みとしてポストのようなものを設置するのはどうか?開催期間を長くして公開日を分散するのはどうか?といった意見も出ました

今回、個人宅の庭を公開した方は3名で、そのうちの2名は森ノオトとのつながりがきっかけで参加を決めた方です。そのうちのお一人、松尾圭威子さんは森ノオトの新人ライターで、SNS投稿も担当し、自宅のお庭も公開、交流会にも参加と大活躍。「たくさんの方が見にきてくれて、花と緑、庭を介してのコミュニケーションってすごくいいなあと思った。開いたことで僅かですけど、見知らぬ人との垣根のようなものが低くなった気もします」と参加したことでの自身の変化を語ってくれました。エントリーの際には、周りの友人にも出ようよと参加をおすすめしたけれど、みんな断られてしまったそうです。

 

エントリー募集が始まってから、森ノオトでも、これまでに取材して素敵な花壇をつくられている公園やつながりのある個人の方々に声がけをしましたが、個人宅の場合は、住所を公開するのに勇気がいるようで、断られるケースがほとんどでした。

 

交流会の中でも、「素敵なお庭の推薦制度があっいたら良いのでは?」という意見があり、そのような仕組みもあったら面白そうです。

 

公園などのコミュニティ花壇では、いつも公開しているから、わざわざ参加するのは億劫ということでエントリーされないところも多くありました。しかし若草台第一/第二公園の愛護会の方が、ハッと気づかれて、「花の植え替えをコアなメンバーだけでやってしまったけれど、そこに地域の方が参加できるようにイベント化することもできたかもしれない」と話されていたと聞いて、良いアイデアだなと感じました。

 

青葉区では、今後も引き続きオープンガーデンを開催していくかどうか未定だとのことですが、いろいろと手探りな中でも、当初の想定を超える28か所の会場が参加し、第1回のオープンガーデンを大きなトラブル等なく開催できたことは、大きな一歩だったと言えます。交流会に参加できなかった団体も含め、会場として参加した方々が次回の開催に対しても前向きであったことも印象的でした。

 

今回のオープンガーデンは、「花や緑を愛する心でつながり、小さな交流がたくさん生まれること、青葉区での暮らしがより楽しくなることを願って」開催されました。課題や不足はあれど、交流会の様子からも、その目的は十分に達成されたのではないかと思いました。

Information

イベントとしてのオープンガーデンは終了しましたが、SNSでは、いつでも、どこからでも、写真で振り返って楽しむことができます!

 

フラワーダイアログあおばのSNS公式アカウント

IG: https://www.instagram.com/flower_dialogue/

FB:https://www.facebook.com/flower.dialogue

Avatar photo
この記事を書いた人
梅原昭子ライター
引き算の編集が好きです。できないこと、やりたくないことが多過ぎて消去法で生きています。徒歩半径2キロ圏内くらいでほぼ満ち足りる暮らしへの憧れと、地球上の面白い所どこでもぶらりと行ける軽さとに憧れます。人間よりも植物や動物など異種から好かれる方が格上と思っている節があります。
未来をはぐくむ人の
生活マガジン
「森ノオト」

月額500円の寄付で、
あなたのローカルライフが豊かになる

森のなかま募集中!

寄付についてもっと知る

カテゴリー

森ノオトのつくり方

森ノオトは寄付で運営する
メディアを目指しています。
発信を続けていくために、
応援よろしくお願いします。

もっと詳しく