ほうじ茶チーム初企画!絵本座談会 ライターおすすめ「おいしい絵本」後編(大きい子、大人向け)
前編に続き、子育て・教育がテーマのほうじ茶グループのライターおすすめの「おいしい絵本」と、それにまつわるあったかいエピソードのご紹介。テーマ別に紹介しますので、絵本を選ぶ参考にしていただけるとうれしいです。後編は少し大きくなった子から大人まで楽しめるものを選びました。

前編に引き続き、ライター9名のおすすめ「おいしい絵本」。前編は主に小さい子向けの7冊を紹介し、前編は主に小さい子向けの7冊を紹介し、後半は大人まで楽しめる9冊です。

 

ライターの名前は親しみを込めて、愛称、またはファーストネームで書かせていただきました。

今回協力してくれたメンバー

さおりん(佐藤沙織さん)、ともみさん(松園智美さん)、

ちひろさん(設楽ちひろさん)、はまちゃん(濱田明日美さん)

なみちゃん(宇都宮南海子さん)、ななこさん(清水菜々子さん)

でぐさん(出口ひとみさん)、ひろみちゃん(醤野宏美さん)、

私(山田麻子)

 

ロングセラーの絵本

2人から推薦された本がこちらです。

『からすのパンやさん』『にんじんばたけのパピプペポ』ともに作:かこさとし、出版:偕成社、発行年:1973年

かこさとしさんの「おはなしのほんシリーズ」の2冊。

今から50年も前に出版されたこの絵本たちですが、かこさとしさんの絵本はいつでも新鮮で楽しさに満ちています。

 

『カラスのパンやさん』は座談会に参加した2人が持ち寄るという人気(なみちゃん&でぐさん)。なみちゃんは、子どもたちが通っていた保育園で、この絵本の劇を保護者たちと作り上げ、子どもたちの前で発表したのだそう。かなり本気の劇作りだったそうで、真剣に取り組む(遊ぶ?)大人たちの姿を子どもたちに見せられたのではないでしょうか。絵本の中の魅力的なパンを作って子どもたちに配った保護者もいたそうです。実物のパン、食べてみたいです。子どもたち大喜びだったでしょうね。

 

でぐさんは『にんじんばたけのパピプペポ』の楽しみ方を教えてくれました。子どもたちはたくさんいるこぶたさんたちを指差して、「今日はこれやる!」と絵本の中で役割を決めながら読んだそうです。こぶたさんたちは20匹登場しますから、何度読んでも役割には困らなかったでしょうね。そしてでぐさんはこんなふうに分析してくれました。

 

「この本は示唆に富んでいて力を合わせること、助け合うことの大切さが書かれています。例えば、にんじんをわけてあげるときには、お金持ちからは10円、中くらいのかたからは5円、払ってもらい、そして、病気のかたや、困っているかたにはタダでにんじんをあげるところなどにははっとさせられた」と言います。「この仕組みを幼児にわかりやすく説明するための本なのかな」とでぐさん。ちなみに、この写真の2冊はパパが子どもの頃読んでいたもので、子どもたちに引き継がれたのだそう。2人の子どもたちも「パパの小さい頃読んでいた本!」と何度もリクエストしてくれたのだと言います。

 

 

とにかく大人も子どもも楽しめる絵本

このシリーズにはまったという人、多いのでは?

『こまったさんのスパゲティ』作:寺村輝夫、絵:岡本颯子、出版社:あかね書房、発行:1982年

お料理好きにははずせませんね。「おはなしりょうりきょうしつ」という副題がついているこの本は、ストーリーのなかにスパゲティの作り方が載せてあり、読み進めていくうちにお料理のコツなども身につくという実用的な本でもあるそうです。そして、それだけではなく、内容は奇想天外。こまったさんが「アフリカにでも行きたいわ〜」とつぶやくと、スパゲッティを入れたお鍋の水があふれ出し、それに乗ってアフリカへ行くのだそう。すごい展開ですが、「子どもの頃はあたりまえに受け止めていて、子どもってすごい!」とはまちゃん。

 

図書館でも、予約が入っていることが多く、人気があってなかなか借りられないノラネコぐんだんシリーズ。

『ノラネコぐんだん パンこうじょう』著者:工藤ノリコ、出版:白泉社、発行:2012年

親も夢中で読みたくなるとおすすめしてくれたのはちひろさん。ノラネコぐんだんや、工場を営むワンワンちゃんといったキャラクターが魅力的なのだそう。膨大な数のパンがおいしそうに描かれ、息子さんと2人でどれを食べたいかで盛り上がるのだとか。そしてノラネコぐんだんがいたずらで作ったパンが膨らむと……。おとなでもわくわくする展開だそうですよ。これはぜひ読んでみたいです。

 

そしてタイトルを聞いただけでも笑う準備をしてしまう絵本はこちら。

『おもちのおふろ』作:苅田澄子、絵:植垣歩子、発行:学研プラス、発行年:2014年

「わが家でおいしい絵本といえばこの一冊!」とおすすめしてくれたのはなみちゃん。銭湯に出かけたおもちのもーちゃんとちーちゃんが、そこでおいしそうな食べ物たちに出会うお話です。「ちょっとレトロで細かいところまでユーモアあふれる魅力的な絵です」となみちゃん。この絵を描いているのは以前に編集長の梶田亜由美ちゃんが取材した、絵本作家の植垣歩子さんです。子どもたちと読むたびに「見て見て、この子!」と思わず笑ってしまうかわいい子を見つけては楽しんでいるようです。

 

 

おとながじっくり読みたい、眺めたい絵本

 どのページもポストカードにしたいかわいらしさ。

『トルテのピンクケーキ』作:やまだうたこ、発行:学習研究社、発行年:2006年

こちらは私の一押しの絵本です。作者は「カレルチャペック」という紅茶屋さんのオーナーであるやまだうたこさん。イギリスの紅茶の世界に憧れていた私は、なんとなくそんな世界観に通じる絵本も大好きです。お花を飾ったピンク色のケーキ、イギリスのティールームを連想させるお店、お店に並ぶティーポットやカップ&ソーサー、そしてみんなで工夫しながらケーキを仕上げていく工程など、私の好きがぎっしり詰まっています。紅茶とお菓子を用意して読みたい絵本です。裏表紙には作り方も載っています。

 

絵本をじっくり眺めたい方はおいしい図鑑はいかがでしょうか。

ともみさんおすすめの和菓子の本と、さおりんおすすめのごはん図鑑。

こういった類のものが好きな人はかなりの食いしん坊ですよね。

『和菓子のほん』文:中山圭子、絵:阿部真由美、発行:福音館書店、発行年:2008年 たくさんのふしぎ傑作集

この本には四季折々の花や水の流れ、落ち葉や雪といった自然のものをヒントに作られた美しい和菓子が緻密で美しいイラストで描かれています。ともみさんは、和菓子では桜の花を「ひとひら」「桜だより」「花ごろも」「花いかだ」といったように、つぼみから花が咲き、満開になり、そして散っていくまでの様子を表現できるんですよと教えてくれました。また、季節の美しいお菓子を紹介した後は、どのような材料でどんなふうに作られているかということまで書かれています。米や豆といった限られた材料で美しい世界までを投影してしまうという和の文化はすごいと、ともみさんは改めて思ったそうです。

 

この『和菓子のほん』、実はパパが本屋さんで衝動買いしてきた本なのだそう。小学2年生の娘さんは保育園の頃からのお気に入りで、作りたいものをチェックしたら付箋だらけになったのだとか。ぜひ和菓子職人を目指してほしいですね。

『ごはんのずかん』作:大森裕子、監修:ごはん同盟、発行:白泉社、発行年:2023年

これは、子育て情報誌『kodomoe』のずかんシリーズの一冊。一般的なカレーライスやおにぎりを中心として、世界中のごはんメニューが載っていて、この本で初めて知ったお料理もあるのだとさおりんは言います。ずかんシリーズだけあって、料理が一覧形式になっているところもお気に入りのようです。眺めているだけでお腹が空いてくる本だと教えてくれました。

最後はかわいいミッフィーの食事について知りたい人はどうぞ。

『ミッフィーの食卓』作:林綾野、発行:講談社、発行年:2016年

絵本ではないけれど、ミッフィーの絵本に出てくる食べ物についてオランダの文化なども交えながら紐解いてくれる本です、とさおりん。

 

「アップルパイやサンドイッチ、スタムポッド(オランダ風マッシュポテト)などが再現レシピも載っていて、ミッフィーの絵本の世界を小さくおうちで再現できる」とさおりん。またオランダの子どもたちはどんな甘いものを食べているのだろう?などと実際の暮らしに興味をもつきっかけにもなるそうです。子どもの頃、ミッフィーに出会った人が、もう一度その世界を楽しめる本ですよ、とおすすめしてくれました。

この本を読んだ後に、ミッフィーの絵本を読むとまた違った楽しみが生まれそうですね。

 

たくさんのおいしい絵本たちを前編、後編と紹介してきましたがいかがだったでしょうか。お腹いっぱいになりましたか?それともお腹が空いてしまったでしょうか?みなさんの本棚にある「おいしい絵本」もぜひ引っ張り出してきて、もう一度味わってみてくださいね。

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この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
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