リユースのお買い物で社会貢献? 20年前から続くチャリティショップ「WEショップ・あおば」
鮮やかなオレンジ色の看板のこのお店。看板の文字はWEショップ・あおば。店内に入ると「ボランティア募集」や「チャリティショップ」の文字が目に入ります。「買い物で社会貢献」ができるそう。どういうお店なのか気になりませんか?

東急田園都市線・青葉台駅から徒歩7分、榎が丘の交差点を過ぎると、オレンジ色の看板のお店があります。「WEショップ・あおば青葉台店」には地域の方からの寄付された衣類や雑貨、キッチン用品や文具などさまざまな商品が並んでいます。

 

私がこのお店を訪れたきっかけは数年前にさかのぼります。両親が他界して空き家になっている実家を少しずつ片付け始めると、全く使っていないタオルやシーツが出てきました。自分では使わないし、捨てるのももったいない。どうしたらよいかしら?と思っていた頃、このお店の前を通りかかり、「そうだここに寄付しよう」と通うようになりました。

 

WEショップ・あおばではリサイクル品を「買取」ではなく「寄付」で受け付けています。ショップはボランティアが中心となって運営し、収益は災害や飢餓貧困といった社会貢献活動に充てています。

WEショップ・あおば青葉台店の店内

店名の「WE」に込められた社会貢献活動への思いを、青葉区内でWEショップ・あおば青葉台店、あおばあざみ野南店を運営するNPO法人WE21ジャパン青葉(当時の柿の木台店)の立ち上げから関わっている宮川郁美さんと、初代マネージャーの齋藤孝子さんにお話を伺いました。

 

活動のきっかけは今から20年以上前までさかのぼります。イギリスのオックスファムというNGOの活動の一つにチャリティショップがあり、メンバーは女性のボランティア。日本では女性の活動の場はまだまだ少ない時代でした。オックスファムに触発された有志が集まり、1998年4月に初めてのWEショップ「WEショップ厚木1号店」が神奈川県厚木市に開設されました。同店をきっかけにいくつものWEショップが並行して立ち上がり、それぞれが連携して「WE21ジャパン・グループ」となっています。

現在は神奈川県を中心に33のWE21ジャパン地域NPOがあり、それぞれがWEショップを運営しています。地域NPOの一つ「WE21ジャパン青葉」が運営するのが、「WEショップあおば」の2店舗です。 WEは、Women’s Empowermentの略なのだそうです。

宮川郁美さん(左)と齋藤孝子さん(右)(WEショップ・あおばあざみ野南店にて)

仲間を募っての物件探しから資金集め、全てがそれまでの日常からはかけ離れていることばかりでした。「でも面白そう。やってみたい」と宮川さん、ついに1999年5月に藤が丘エリアに柿の木台店が誕生しました。

とにかく寄付品を募ることから始めた活動ですが、当時は、知らない誰かが着たものを着ることに抵抗がある方もいらしたそうです。

 

「寄付してもらったものを売る」というチャリティショップの仕組みがまだ知られておらず、不安でいっぱいだったそうですが、趣旨を説明して賛同した方々のお力添えで店舗がオープンできたと二人は振り返ります。

 

齋藤さんはオープン当時を思い出しながらこんなお話をしてくれました。商品陳列の棚が必要で知り合いに棚の寄付のお願いをしたところ、近所の大工さんがやって来て、その場でサイズを測りお手製の陳列棚を作ってくださったそう。「丁寧にショップの説明をしたおかげで理解を得られて協力してもらえたんだ」と思ったそうです。そしてこの棚は今でも「青葉台店」のカウンターの陳列台と電話台として大事に使われています。

2015年8月柿の木台店閉店後も青葉台店で使用している棚

支援先は海外から足元の地域へ

WEショップでは、不要になった品々をリユース・リサイクルして資源循環を進めるだけでなく、寄付品を販売して得られた収益で国内外の社会活動団体を支援しています。

 

実際にどのような支援の仕方をしているのでしょうか?

2023年6月まで代表を務めていた伊藤まりさんから、話を伺いました。

WEショップの支援先は当初は、フィリピンの病院で診療所と子どもの青空教室を支援する団体やイラクでの国内避難難民や小児がんの子どものための医療支援をする団体でした。その他チョコ基金などがあります。

こちらはフェアトレード アレッポの石けん。店頭で販売しています

現在は国内や地元にも目を向け、認定NPO法人いわき放射能市民測定室たらちね(3.11の後放射能検査や子どもドック設立)や青葉台を拠点に子ども食堂・フードパントリーを運営するNPO法人アフリカヘリテイジコミティの、“ガーナの子どもの学校を建てること”への支援を決めました。

NPO法人女性の家サーラー(横浜市外在住の外国籍の女性のDVを受けた人の支援)など、DV被害を受けた女性のための支援も行っています。

NPO法人DV対策センターの運営する女性支援先「ラ・フェリーチェ」は実際にWEショップに女性を連れてきて洋服を選んでもらったそう。

伊藤さんは「支援の押し売りになってはいけない。 声を上げられない人がいる。実際に困っている人は、支援先があることも知らないと思うので、私たちが発信していくことで支援先があることを知ってもらい、こんな支援が受けれるという発信ができたらいいと思う」とおっしゃっていました。

 

近隣ではコミュニティカフェ「スペースナナ」や「横浜市青葉区子どもたち支援ぷぷあ」にも衣類等を支援されています。

SNSの発信から直接連絡を取り、必要な洋服などをお届けする例もあるそうです。

支援の形はさまざまで、ただお金を渡すだけではない支援を今後もしていきたいと伊藤さん。

横浜美術大学への支援は少し変わった形です。近くということから親交が始まり、 Gパンと毛糸で学生の作品を作ったことから、残った寄付品を作品制作に使ってもらうようになりました

寄付品は、もれなく循環させる工夫

寄付された衣類は全てが売れていくわけではありません。WEショップでは売れ残った衣類を廃棄せず、循環できる仕組みをつくっています。

ナカノ株式会社(本社横浜市南区:以下ナカノ)と連携することで、売れ残ってしまった衣類を海外に中古衣料として輸出したり、工場用のウェス(雑巾)として活用したり、再生原料(反毛材料)断熱材や防音材・クッションとして再利用されます。

再生繊維で作られた「よみがえり軍手」。 WEショップに初めて寄付した方に、お礼としてプレゼントされます。ナカノにはスタッフ、ボランティアが工場見学にも訪れ、チャリティショップの意義や、資源の循環への取り組みなど学ぶ機会にもなっています

「売れ残った衣類はナカノで再利用されるのですが、その前段階で地域内の困っている人に循環できれば。必要であるなら学生さんや若者支援につなげたい」と伊藤さん。より身近な地域の必要な方へ循環するシステムができないかと考えているそうです。

あざみ野南店のスタッフのみなさん。左から二人目が2023年7月からWE21ジャパン青葉の代表を務める塚本佳織さん。あざみ野南店では、毎週水曜午後にこだわり野菜のマルシェも始まりました

チャリティショップはボランティアさんがいないと成り立たちません。

人と人をつなぐのがWEショップの役割の一つです。お名前も知らないお客様同士がいつの間にか仲良くなって週に一度ここで待ち合わせしていたり、常連さんが一定期間いらっしゃらないと心配するボランティアさんもいるのです。 ここに来ると安心できる居場所となっています。そんなみんなが集える場をつくるボランティアさんにとっても、ここが生活の一部になっているように感じます。知れば知るほど、ここは魅力ある場所と私は思うのです。

まだ使えるもの、愛着のあるものを次の誰かに使ってもらう。ゴミを減らすことで環境にも優しく、さらには発展途上国や手助けの必要な人々の役にも立つ仕組みがあるのです。寄付文化は、私もあまり馴染みがないことでした。大きな社会貢献をするのは難しくても、買い物で社会貢献ができて、少しの優しい気持ちでどこかの誰かを支援できるなんて素敵なことだと思います。

「限りある資源を大事にしていく、その先に、支援がある」これは伊藤さんの言葉です。

使ってもらうなら誰かの役に立って欲しい、そんな気持ちがある方がこのお店に集っています。

ボランティアの関わり方もさまざま。お裁縫が好きでご寄付の布などで洋服やバック・ポーチや小物を自宅で作ってくれる方もいます。リメイク作品は人気商品の一つです

 

青葉台店のスタッフのみなさん。私もいつの間にか仲間です。一度遊びに来ませんか?

Information

NPO法人WE21ジャパン青葉(具体的な活動や支援の内容をこちらから確認できます)

https://we21aoba.jimdofree.com

 

・WEショップ・あおば青葉台
住所:横浜市青葉区榎が丘26-4
TEL&FAX:045-982-5581
営業:平日10:00~17:00
休業:祝日、日曜日、土曜日

・WEショップ・あおばあざみ野南
住所:横浜市青葉区あざみ野南2-4-3
TEL&FAX:045-915-9606
営業:平日10:00~17:00
休業:祝日、日曜日、土曜日

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この記事を書いた人
塚原敬子ライター
2000年に青葉区に引っ越してから早20年、長男は藤が丘で産まれました。 その頃、これからは介護だ!と介護福祉士やアロマ、ヨガの資格を取りました。「健康は自分で作るもの」がモットー。月や星、石や植物が大好きで山や海での拾い物多し。
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