
環状4号線、緑区から瀬谷区方面へむかう道沿い。霧が丘に、合同会社GreenDesignはあります。入り口からあふれ出す緑の植物たち。一見、花屋さんのようなこのお店、実は植物の販売、弱った植物を持ち込んで治療してもらえる診療室。店内の植物を眺めながら飲食が楽しめるカフェバーを兼ねているお店なのです。
そして植物のお医者さんは、造園、お庭のメンテナンスの出張作業も行っています。

お店の外は植物でいっぱい。ハーブ、サボテン、多肉植物や季節の花があります

店内には、多いときには300種類ほどの植物が置いてあり、カフェで休憩しながら植物を眺められます
「僕が最初に育てたのは食虫植物なのです」滝口さんが小学生の頃、虫を食べる植物がいることを知り買ってもらったのが植物に興味を持つことのはじまりでした。この時は10種類ほどの食虫植物を育て自由研究で発表したといいます。
一度は植物から離れたものの大学卒業後、国立研究所で植物の研究に携わりました。稲の研究をしながら育てていると愛着がわいてきたので、自宅では、観葉植物を育ててみることにしたそうです。育て方を調べてみると同じ植物でも外で育てる、育てない。肥料をやる、やらないとさまざまな答えがでてきました。「研究所では植物の生態がわかっているのに民間(世間)には伝わっていない」という事実を知り「研究所と民間とのズレを感じた」と言います。

食虫植物のウツボカズラ。壺の中をみると大きな虫も捕まっていました。他にもいろんな食虫植物が販売されています
「30歳までにはなにか仕事を立ち上げたい」「世間にも正しい植物の育て方を伝えたい」そんな思いから27歳の滝口さんは研究所を辞め、花屋に就職しました。もっと現場を知りたいと思い、都内の老舗造園会社に弟子入りし、花屋がお休みのときは造園業を学びました。
「師匠から学んだことは現場作業の基礎となり、今に生きています」と滝口さん。平日の花屋、休日の造園業だけでは「すべての植物を覚えられない」と感じ、外出先で出会った観葉植物を最初は本を持ち歩き調べました。次は自分が名前を答えられるまで帰らないと決めて、覚えるまでやってみたそうです。それを続けると「どんな観葉植物が流通しているのかがわかりました。ある程度、観葉植物を覚えた後は樹木も同様に。樹木は種類も多く、『答えられるまで帰らないルール』は難しくなり、わからないものは葉を持ち帰り復習しました」と言います。

造園で依頼があればこんな斜面での作業もします(写真提供:GreenDesign)
そして花屋で働く間、お客様に話を聞いていると「8割の方が植物を枯らしている」ということがわかりました。詳しく聞くと「購入後の相談先がわからない」と言います。そこでアフターサービスがないことに気づきました。滝口さんは正しい植物の知識でサポートしたいと思い、樹医の資格を取得。2019年に個人で植物の訪問診療をはじめました。そこから造園の設備を整え、2022年に合同会社GreenDesignを設立。造園、治療など植物のあらゆるサービスを提供し、2024年11月霧が丘の店舗を構えました。
私がGreenDesignで植物を購入したのが今年の3月です。「玄関に観葉植物を置きたいこと、あまり日当たりがよくないこと、観葉植物を育てるのははじめてで手間がかからない植物を希望していること」をお伝えして条件にあったのは「サンセベリアローレンチ」という植物でした。店にある植木鉢を選び、水がなくなったらわかる水分計、水と同時にあげる活力剤を合わせて購入。初心者の私にもやさしく教えていただきました。

私の自宅玄関にあるサンセベリアローレンチ。水分計は水がなくなると色がなくなるので目でみて水をあげる時期がわかる

お店には観葉植物を育てるのに必要な道具や植木鉢が置かれています。陶器の植木鉢は模様がどれも違って個性的です
「お店で購入した植物が弱ってきたときはいつでも相談してください」と言って下さり「なにがあっても大丈夫」と思えるアフターサービスは初心者に心強いものだと感じました。
お店には弱った植物も入院しています。「治療には植物(身体)と土を診て状態を確かめてから、なるべくケミカルでない薬剤(肥料、活力剤)を使い自然治癒力で治していく」そうです。枯れているように見えるけど生きている可能性も多いといいます。

入院して治療中の植物たち。いちばん左の植物は入院したてのころは葉も一つもなかったそうです。もうすぐ治療終了です
「動物が弱ったときに病院に連れていくように、植物も弱ったときに病院で治療ができる世の中にしたい」と滝口さんは言います。
以前、山口県に住んでいる方から弱った植物を診てほしいと相談をされました。神奈川や東京であれば訪問し、その場で治療もしています。しかし遠く出張し治療することが難しく、この時はオンラインにてお客様自身で処置をしてもらうことで対応しました。
滝口さんは「どこに住んでいても植物の診療ができるように全国に植物のお医者さんを増やしたい」と言います。今後は、フランチャイズ展開で植物のお医者さん事業を全国に広める予定。滝口さん自身が人材育成もしていきたいそうです。

カリンの木の剪定。左がbefore右がafter。お客様の思い切ってという要望にバッサリときれいになりました(写真提供:GreenDesign)
合同会社GreenDesignは造園にも力を入れていて、庭の剪定、植栽デザインも行っています。エリアは神奈川東京全域。1日に4、5件行く日もあるそうです。個人や企業さまざまなところから依頼がきます。
「剪定は虫を防止したり風通しがよくなったり、なにより樹木の生育もよくなります。お客様の大事な植物を手入れし治療すると喜んでくれる。植物を通じて信頼されるのです」と滝口さんは言います。

緑に囲まれたカウンター
「どうして診療所といっしょにカフェバーを作ったのか?」と聞くと「植物をみながらゆっくりできる憩いの場にしたかった」からだそうです。今後、カウンターには苔テラリウムを置いて水を流し、山をイメージした、見て触れる空間に生まれ変わります。そして月に1回、植物のワークショップを滝口さんが講師となり開催していくそうです。植物を囲みながらどんな幻想的な空間に生まれ変わるのか今から楽しみです。

カフェでは盆栽アイスとハーブティーを注文。植木鉢の中にはバニラアイスが隠れていて、石や土に見えるものも、全部食べられます!
盆栽アイスとハーブティーを頂きながらこのお店に出会えてよかったと感じていました。植物を育てるのは難しいと思っていた私。購入時やその後もサポートがあるだけで安心してチャレンジできるのだとわかりました。まずは、カフェでのんびりしてみませんか?植物との暮らしを合同会社GreenDesignはずっと見守り支えてくれることでしょう。

合同会社GreenDesign
住所:神奈川県横浜市緑区霧が丘5-2-12シャトレー寿101
営業時間:10:00~18:00
定休日:日曜日
電話番号:090-3817-4844
HP: https://greendesign-official.com/
e-mail:info@greendesign-offcial.com
オンラインショップ:https://greendesign.shopselect.net
Instaglam:https://www.instagram.com/plants_shop_green_design/
(植物のお医者さん診療・販売)
https://www.instagram.com/plants_doctor_green
(植物のお医者さん植物訪問診療・造園)

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