【店主に会いに】生活に寄り添う良品でちょっとよい一日に。ドツテテ柿の木台
地域を照らすまちあかりのような商店。目利きによるセレクトやお店でのやりとりは、普段のお買い物をひと味もふた味も楽しくしてくれます。今回は、藤が丘駅から徒歩5分、もえぎ野公園前のドツテテ柿の木台を訪ねました。

横浜市青葉区柿の木台のドツテテ柿の木台は、横浜野菜とコーヒー豆、自然食品をおもに扱うお店です。友人が「ここのコーヒー豆はおいしくて値段も控えめ」と太鼓判を押していたことから、私も足を運ぶようになりました。旭区にある「珈琲工房&百屋」の姉妹店として、2018年に開店。珈琲工房&百屋で自家焙煎した有機認証やフェアトレードの豆を中心に煎りたてのコーヒー豆を提供しています。

こだわりの食品がところ狭しと並ぶ店内

店長の松田渚さんに、お店の品物についてお聞きすると、こんなふうに話してくれました。

 

「私たちスタッフが取り寄せて、実際に試食したものを取り扱っています。コーヒー豆は何度か焼き方を変えて焼いてみて、これだったら!と思えるものだけを置いています。すごくおいしくてすごく高いものではなく、生活に寄り添うようなコーヒーを販売していきたいと思っています。安くはないけれど、おいしかったね、と毎日がちょっといい一日になればと。毎日飲むものなので、生活の中で消費してもらうバランスがとれたら」

煎りたてのピカピカとしたコーヒー豆が並んでいます。産地や味の特徴も説明が丁寧。購入時に挽いてもらえます

毎日の生活をちょっとよくしてくれるものーー。それは、コーヒー豆だけでなく、すべての商品選びに通じています。野菜は横浜市内の近隣区の5〜6軒の農家さんが、直接お店に届けてくれます。化学肥料不使用・減化学肥料、農薬不使用・減農薬栽培にこだわった野菜ばかりです。一つひとつの野菜に、産地と作り手の名前、農薬と化学肥料の使用状況が明示されています。

横浜野菜は旬のものばかり。8月の取材時は夏野菜が並んでいました

体になるべくよいものを、という姉妹店の開業時の考えから、食品は添加物の入っていないものをそろえています。日々の料理に使う調味料や乾物、納豆や豆腐などの豆製品、缶詰やおやつ類、飲料……。選りすぐりの品々は一般的なスーパーでは見かけない商品も多く、気になるものばかり。いくつか、松田さんにおすすめの商品を紹介していただきました。

 

 

開けた瞬間に香り広がる、かつお削りぶし

高知市の森田鰹節株式会社製造。3グラム×10袋入り

「ひとパックに3グラム入っているのですが、けずりが大きいんですね。封を開けた瞬間、かつおの香りが広がります。ひとパックそのままお味噌汁に入れたり、冷やっこやお好み焼きなど定番の使い方にもおすすめです」

 

 

手羽元2本がごろっと。オリジナルの本格スパイスレトルトカレー

岩手県宮古市のNPO法人イーハトーブとりもと製造。岩手県産骨付き手羽元使用

「塩一つからこれを使ってほしいとお願いして、スパイスを調合してもらって出来上がったオリジナルのレトルトカレーです。手羽元2本が入り、お肉は柔らかくスプーンでも食べられます。このまま出して、レトルトと言わなければわからないほど、ちょっとないくらいおいしいです。パッケージのイラストは神奈川県立みどり支援学校高等部のみなさんに1点ずつ彩色してもらっています」

 

 

1番人気の糸こんにゃく!

広島県の新内農園製造

ちなみに、お店で2024年に1番売れた商品は、写真左の生芋糸こんにゃくなのだそう。右は板こんにゃく。広島産在来種生芋100%使用しており、「ちゃんとこんにゃくの味がします」と松田さん。

「その場で作るので少々時間がかかるものもありますが」と松田さん。その分おいしいこと!

お店では、ドリンクのテイクアウトも利用できます。コーヒーはその場で豆を挽き、チャイはブレンドした茶葉とスパイスを注文を受けてから煮出します。ジンジャーエールは手作りのシロップで、これからの季節は夏におすすめの青みかんのシロップも。。私は取材の暑い日にバナナジュースを注文しました。バナナの自然な甘さが夏の体にしみて、思わずほほが緩みました。

旭区の姉妹店はハンディのある人たちが働く場でもあることから、ドツテテ店内には福祉作業所で作られた布小物も並びます

地域の商店の魅力ってどんなところにあるのでしょう、と松田さんに尋ねてみました。

 

「個人商店って入りづらいかもしれないんですけど、もっと気軽に入ってもらって、地域に根付いていけたらと思っています。こういうお店は、お客さんといろんな話ができることがいいところです。おしょうゆだったりお酢だったり、商品の違いを聞かれたら説明できます。味の違いや作り手、農薬の有無など、きちんと情報を提供できる。気軽に地域の方たちとそういう話をできるといいですね」

しょうゆは伝統的な製法でつくられたものばかり。大豆の産地や味の特徴を聞きながら選べます。私は「すっきりとした味」と教えてもらったものを選んでみました

柿の木台にお店を構えて7年。「ここはお子さん連れのお母さんや家族連れでいらっしゃる方が多いお店です。他のエリアと比べて、生活する方が住んでいるという印象ですね」と松田さん。藤が丘駅からもえぎ野公園前に向かう道路沿いには、暮らすまちの中に個性あるお店が並び、まちの景色をつくっているように感じます。ドツテテ柿の木台もその一つ。日々の生活をちょっぴりよくしてくれる、おいしい食品を選びに訪ねてみてください。

もえぎ野公園前交差点の角地のお店です

Information

ドツテテ柿の木台

横浜市青葉区柿の木台3-3

電話:045-482-4884

東急田園都市線・藤が丘駅から徒歩5分、青葉台駅から徒歩10分

営業:10:00〜18:30(日曜10:00〜17:00)不定休

HP:https://dottetegs.wixsite.com/website

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この記事を書いた人
梶田亜由美スタッフ/ライター
2016年から森ノオト事務局に加わり、AppliQuéの立ち上げに携わる。産休、育休を経て復帰し、森ノオトやAppliQuéの広報、編集業務を担当。富山出身の元新聞記者。素朴な自然と本のある場所が好き。一男一女の母。
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