寺家ふるさと村にほど近い、青葉区鴨志田町のとある住宅街。そこに、小さな黄色い看板が一つ。上を見上げると、おうちカフェ&ショップ「etana」とありました。入り口付近には草花がのびのびと広がり、その中を一歩ずつ進むとカフェへと続く扉があります。
扉を開けると、まず目に飛び込んでくるのはかわいらしい雑貨の数々。所狭しと並べられた商品は、店主である高橋典代さんが自ら問屋街へ出向き仕入れたり、友人や知人の作家から買い付けたもの。繊細な刺繍が施されたブローチや選び抜かれた文具など、思わず手にとって、じっくりと眺めがたくなるものばかりです。
etanaでは、靴を脱いでスリッパに履き替えて中へ入ります。何だか友人の家に遊びに来たような感覚になり、思わず「お邪魔します」と言ってしまいそうです。そして、大きなオープンキッチンからは、店主の高橋さんとお菓子を担当している高木愛さんが笑顔で出迎えてくれます。
人と話をすることが大好きな高橋さんは、自宅を新築する際にもいつかカフェのような空間をもつことができたらと考えて間取りをつくっており、etanaとしてオープンする前にも年に数回ほど自宅でイベントを開催していました。その際にもやはり、高木さんのお菓子、友人たちの作品などを中心に、まるで今のetanaのモデルをつくりあげてきました。家族の応援もあり、少しずつ家をオープンにするようになり、2015年1月におうちカフェ&ショップetanaとしてスタートを切りました。
店名のetana(エターナ)とは、フィンランド語で“カタツムリ”を意味しており、カタツムリの渦巻きのように人と人が巡り合えますように……という願いを込めて名付けられました。オープンしてまだ間もないですが、毎週、散歩の途中にお茶をしに寄ってくれるおばあちゃんや、子どもがお小遣いを握りしめてひとりでお菓子を買いに来てくれるなど、週に一度のオープンを楽しみにしてくれる方がたくさんいます。取材に訪れた日も、高橋さんとのお喋りを楽しみながらお目当てのお菓子を買いに来る方がいたり、母娘で買い物を楽しむ方がいたりと賑わっていました。
etanaがもつ、普通の“カフェ”とは明らかに違うこの温かい雰囲気は、やはり自宅カフェならではのもののように思います。その場にいるだけで、家族が集う温かな風景が目に浮かび、また、店主(お母さん)とその子どもたちの「ただいま!」「お帰りなさい」というような日常的なやり取りが何だかとてもゆったりとした穏やかな気持ちにさせてくれます。
お母さんが家に居ながらも地域や社会とつながることができ、大人だけでなくそこにいる子どもや家族も自然とその輪の中へ溶け込んでいけるような不思議な力がそこにはあります。店主である高橋さんが、家庭のなかでこれまで育んできた“心地よい確かなモノ”がカフェを一層居心地のよい空間へとしており、その雰囲気がまた家族へよい影響をもたらしているような気がします。「このままのんびりと続けられたら……」との高橋さんの言葉通り、家族の成長とともにゆっくりとetanaも成熟していくのだろうと思いました。
2016年1月に1周年を迎えるetanaでは、2日間にわたり1周年記念イベントが開催されます。当日はオリジナルの1周年記念エコバッグも登場するとか。お菓子と雑貨、そしてゆるやかな空気が流れるetanaをぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
おうちカフェ&ショップ「etana」
227-0033 神奈川県横浜市青葉区鴨志田557-24
営業日:毎週木曜日 *お菓子教室、イベントなどは不定期に開催。
営業時間:10:00-16:00
TEL:090-2349-3467
E-mail:etana1520@gmial.com
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