横浜市全18区で開催!グループトーク「みんなで話そう!横浜での子育て」
今、横浜市で子育てをしているなかで、困ったこと、不安なこと、淋しいこと、疑問に感じていることはありませんか? 今、横浜市全18区で、子育ての「あったらいいな」を形にするためのグループトークがおこなわれています。あなたの声を、届けてみませんか。

私は今、NPO法人森ノオトの代表をしながら、横浜市域の子育て当事者団体のネットワーク「みんなで話そう!横浜での子育て ワイワイ会議」(以下、ワイワイ会議)の共同代表を務めています。このグループは法人格を持たない任意団体なのですが、横浜市で現在子育てまっ只中のメンバーが集まり、横浜の中で地域を越えてつながり、子育て当事者の「本音」を拾っていこう、としています。

 

 

メンバーは、NPO法人こまちぷらす(戸塚区)の森祐美子さん、北本若葉さんNPO法人つるみままっぷ(鶴見区)の今井幸子さん、郡幸乃さん、大倉山おへそ(港北区)の小松由希子さん、まま力の会(中区)の船本由佳さん(森ノオトのローカルメディア事業担当でもあります)、そして、子どもの未来サポートオフィスの米田佐知子さんの8人が実行委員となり、活動しています。

メンバーの集合写真。左から、北本さん、小松さん、北原、郡さん、今井さん、船本さん、森さん、米田さん

 

ワイワイ会議ではこれまで、個々の団体でお茶会をしながら、子育て中の不安や戸惑い、困った経験談などを聞き、自分ができるアクションを4コマ漫画にまとめてもらい、横浜での子育てに関わるたくさんの声を集めてきました。2017年1月には横浜市開港記念会館(中区)で横浜市こども青少年局と一緒にフォーラムを運営したり、今年は1月に象の鼻テラス(中区)で「子育て当事者のソーシャルアクション見本市 プレイベント」をおこないました。私たち実行委員以外にも、各区で子育て当事者の声を集める場を増やしていこうと、4月にはワークショップのファシリテーター(会議の進行役)を養成する「見本市」をKosha33ライフデザインラボ(中区)で開催しました。

 

4月に開催した「「子育て当事者のソーシャルアクション見本市」では、ワイワイ会議を実演し、参加者に体験してもらって、各地で実施してもらえるようマニュアルを整備した

この度、ワイワイ会議では、横浜市こども青少年局と一緒に「グループトーク みんなで話そう!横浜での子育て」を進めることになりました。

 

 

現在の横浜市の子ども・子育て支援に関わる施策は2015年に新制度としてスタートしました。横浜市では子育て支援に関する9つの重点目標を定め、妊娠・出産・乳幼児期・学齢期など18歳までの「子ども」を支える、様々な取り組みをおこなっています。保育園を増やしたり、障害児支援、ひとり親家庭の自立支援や、子育て支援拠点の充実、児童虐待防止、妊娠・出産期のケア、ワークライフバランスなど、多岐にわたる施策を実施していくにあたり、「実のところ、今子育てしている人は、本当は何を求めているのか?」というリアルな声を集めていこうというのが、今回の取り組みです。

 

 

ワイワイ会議では、参加する子育て当事者が自分の気持ちを話しやすくできるよう、どのような場をつくっていけばいいのか、グループトークの進め方の案を考え、また、ワークショップの進行を担当しています。

10月26日に都筑区で開催した初回のワークショップの様子

 

ワークショップを実施する際にいつも使っているのが、90枚の「葉っぱ」です。これは、今から4年前、2015年に横浜市で子ども・子育て新制度がスタートするにあたって、その前年にあたる2014年に集めたパブリックコメント(行政が政策を実施する際に、広く市民から意見を募集するもの)の中から、9つの政策ごとに分類した声を拾って、「葉っぱ」の形に落とし込んだもの。

 

 

この「葉っぱ」をワークショップで使うようになったのは2015年からです。9つに色分けされた葉っぱには、例えば「時短で働くと、独身者に負担が寄って、申し訳ない。みんながゆとりを持って仕事ができる世の中になってほしい」「自分のカラダのことがわからない。本当に悪いのか、ただ疲れているのか。子どももいるので簡単に病院に行けない。もっと子どもと一緒に行ける病院が近くにほしい。歯医者とか…」など、切実な声が書かれています。ワークショップの時に、自分の気持ちに一番近い葉っぱを選び、その理由について語ることで、「今実際に動いている子育て支援制度」に基づいた課題に対して、自分がどんな風に思っているのかという声を拾うことができます。私たちは、この葉っぱを使い続けていくなかで、2020年の制度改定に向けて2019年におこなわれる制度設計の際に活かしていこう、としています。

 

99枚のカードを選ぶだけでも、自分の気持ちを整理できる

 

私が横浜で働いて18年、横浜で子育てを始めて10年が経ちますが、この間、働いていない人でもリフレッシュのために子どもを預けられる「乳幼児一時預かり」や、各区にできた子育て支援拠点、産後ケアなど、子育てに必要な場や支援が充実してきています。今では当たり前のように利用している子育て支援サービスも、たった10年前まではなかったなんて、信じられませんよね。これは、私たちよりも先に子育てをしてきた市民活動の先輩方が、子育て中に感じている不安や孤独、そして不便に対して、声をあげ、声を集め、行政と時にたたかい時に手を取り合いながら、ないものをつくってきてくださったからなのです。その時に中心メンバーの一人として活動していた米田さんが、私たちに自身の経験を伝えながら、今の時代にあったやり方を常に提案し続けてくれています。

 

都筑区では「公園では禁止事項が多すぎて、もやもやしてしまう」「無認可の幼稚園や保育園も平等に無償化してほしい」「もっと行政の方々とフランクに付き合いたい」などの声が聞かれた

 

今、私が感じているのは、私たち世代は充実した子育て支援制度や、インターネットやSNSによる利便性の恩恵を受けながらも、地域でつながりながら支え合い声を届ける力が弱くなっているのではないか、ということ。

 

 

便利になったがゆえに、たとえ困りごとが起こっても実際に顔を合わせて語り合わなくても解決できるような気がしたり、たとえば子ども同士がケンカをしても親との軋轢をおそれるあまりに顔色をうかがって話し合うことを避けたり、クレームやリスクを避けるために禁止事項ばかりの公園になってのびのびと子どもが遊びにくくなったりと、意見を言ったり、言葉を交わしたりという当たり前のやりとりが、やりにくくなっているような気がします。そんな積み重ねが、「地域の子育て、こうしたい」「私の困りごと、こう解決したい」を口に出しにくい雰囲気をつくっているように思えます。

 

グループトークの会場では保育もあるので、お子さん連れでも安心して参加できる

 

都筑区で進行役を担当した私は、「こうした場があちこちであるとよい」「意見を集める場にくる人が限られている」という声を聞き、多くの親がフラットに意見をかわすような文化をつくるには、どうしたらいいだろう、と考えました。

 

 

また、同じく進行役の森さんは「数年前に声を聞いた時と今とで、個々人が抱える課題が大きく変わっていないことに驚いた。皆さんの真摯な意見にうなずくことばかりだった」と、聞いた意見や要望を、誰がどのように実現していくのかをしっかり考えていきたいと話しました。船本さんは「やはり、声は出さないと、書いて残さないと、(行政に)届かない」と、出ていた話を書き留める大切さを指摘しました。

 

グループトークでは「子育てをして困ったこと」を先に話し、次に「うれしかったこと」、そして最後に「私にできること」を話して終わる

 

私は、ワイワイ会議でいろんな子育て中の方の声を聞くたびに、たとえどんなに便利になっても、支援が行き届いても、地域の中で人と人がつながり、挨拶を交わしたり、おせっかいをするような関係性に勝る子育て支援はないのかもしれない、と感じています。地域のNPOとしてできることと、行政の制度としてできること、それから個人レベルでもできることがたくさんあります。グループトークでは最後に「私にできる一歩」を一人ひとり書いてもらい発表するのですが、たとえば電車の中で泣いている子どもを抱えて困っているお母さんを見たらちょっと声をかける、それだけでも、周りの人をホッとさせる一歩になるかもしれません。

 

これから各区で始まるグループトーク。ぜひ、ご自身の区や、お近くの区で参加し、声を出してほしい

 

私たちはこのグループトーク「みんなで話そう!横浜での子育て」をきっかけに、子育て当事者の声を縦に横に広くつないでいきたいと思っています。それには、多くの声が必要です。声は出さなければ届きません。安心して話せる場を用意していますので、ぜひ、ご自身の区でも、そうでなくても、どこでも話せるので、お越しください。

Information

グループトーク「みんなで話そう!横浜での子育て」

http://urx3.nu/N3sj

 

開催区、日程は下記写真をチェックしてください。働いている方が参加しやすいよう、土日開催の区もあります。

 

 

参加申し込みは、横浜市こども青少年局企画調整課グループトーク担当まで

メール

kd-kikaku@city.yokohama.jp

電話 045-631-3722

 

<必要事項>

・参加を希望する開催区

・名前(ふりがな)

・メールアドレス

・住所

・お子様の年齢・人数

・託児(1歳〜未就学児)を希望する場合は、利用するお子様の年齢と人数

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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