「まちの課題をアートで解決できたら、素敵じゃないか」――。
地域活動の活性化や、地域活動の担い手の育成を目指して2015年度より青葉区で行われている「あおばみらいづくり大学」。地域の魅力を発見し、発信することで、青葉区の魅力をますます高めていこうという取り組みです。
2018年度の講座で受講生同士が「地域の課題」について話し合ったところ、「まちですれ違っても挨拶がない。顔見知りを増やせるようなアートイベントをおこないたい」と、横浜美術大学の学生(当時)の池田宣人さんと名倉歩さんの発案で、地域の子どもたちもシニアも一緒に関われる、もえぎ野公園のライトアップが提案されました。
「もえぎ野公園で、池のライトアップをやろう! と決まったのが9月。12月8日の実施に向けて、急ピッチで準備を進めてきました」
こう話すのは、みらいづくり大学のメンバーで、光る池のプロジェクトチームの松尾良信さん。「地域の公園で何かをやる時に、地元の応援は必要不可欠です。上谷本連合町内会の吉田敬雄さんのパワーで、バリバリと地元の応援を取り付けてくださいました」(松尾さん)
吉田さんは「もえぎ野公園は本当に地域の方々に愛されている。光と水の競演というのが新しい切り口で、おもしろいなと思った」と、全面的にプロジェクトに賛同し、町内会や公園愛護会などの地域団体の協力体制をつくりました。
もえぎ野公園愛護会で管理している防災倉庫の備品を借りるなかで、防災備品や拠点のメンテナンスも兼ねてこのイベントを活用したい、という話になりました。充電式のランタンを活用して木のライトアップをする、そのために手回しでランタンを充電するなどの準備を重ねてきました。
当日は、公園愛護会のメンバーや、民生委員、主任児童委員、スポーツ推進員や青少年指導員、地元の消防団など、たくさんの地域の方々の応援で運営をおこないました。
池にライトを浮かべて幻想的な風景を作り出すとともに、夢や願い事を短冊にしたためて、池周辺の木や桟橋に吊るして、夢を未来に託す。この「お願いカード」は地元の幼稚園、保育園や小学生に大好評。
「90歳まで生きられますように」
「お父さんお母さんがケンカしませんように」
「町内会の会員が増えますように」
「**先生に彼氏ができますように」
「大きくなったらパティシエになれますように」
ささやかで夢いっぱいの願いから、クスッと笑ってしまうような夢まで、840枚もの短冊が集まりました。
「あおばみらいづくり大学」のプロジェクトは単年度で終わってしまうけれど、昨年、1500人もの来場者を得て、「町内会の活動として、今年も続けていこう!」と決まったそうです。
「帰りのバスの中で、参加された方が“とてもきれいだったね。来年もやってほしいね”と話していたのを耳にしたんです。終わった後に周りの人たちから“本当によかった”という声が集まって、継続していきたいなと思って」と、松尾さん。
吉田さんも「一言で言えば、三世代交流がこのイベントで叶ったと思います。若い方から現役世代、シニア世代まで、誰もが楽しんで、“きれいだった”と喜んでくれて、それが各地で話題になっていました。自然と、連合町内会で継続していこう、という流れになりました」と振り返ります。
吉田さんは「自治会や町内会など、地域活動の担い手が高齢化してきているのが現状です。私たちが元気に楽しく町内会活動をやっていくなかで、特に子ども会などで活躍している親世代の方々に声をかけて、町内会活動に興味を持っていただくように工夫している」と、地域活動に対する課題感を持っています。
もえぎ野公園は地域の幼稚園や保育園の遊び場として、地域の方々の散歩の場や憩いの場として、目の前にあるもえぎ野ふれあい樹林とともに愛されていて、「公園自体が地域の魅力の一つになっている。そこで、他世代が一緒に集える機会があるのはいいこと」と、今年の成功にも期待を寄せます。
同日、藤が丘駅前公園では「あおばを食べる収穫祭2019」が開催されます。ぜひ一緒に、藤が丘を盛り上げていこうとラブコールをもらい、お互いに広報面で協力し合うなど、いい関係が始まりました。
ぜひ、あおばを食べる収穫祭の後は、もえぎ野公園に行って、光る池の幻想的な風景に包まれながら、お願いカードや、青×6(アオロク:國學院大学、星槎大学、玉川大学、桐蔭横浜大学、日本体育大学、横浜美術大学の青葉6大学の有志学生によるボランティアグループ)の、光と陰で遊ぶワークショップを楽しんでください。
未来を照らす夢のカケラで光る池
日時:2019年11月23日(土・祝)17:00〜20:00
会場:もえぎ野公園
主催:上谷本連合町内会
協力:藤が丘商店会、もえぎ野公園愛護会、もえぎ野ふれあい樹林愛護会、柿の木台郵便局、もえぎ野あったかネットワーク、青×6(アオロク)
問い合わせ: 090-6939-1590(吉田さん)
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