ズボラ母さん考案、3つのスパイスで作るグルテンフリーカレー
小麦・卵・乳にアレルギーがある子含む、8歳・5歳・1歳の3人の子どもがいるわが家。原材料が明らかで安心できて、かつ簡単に作れるものをと、試行錯誤して出来上がったのは、3つのスパイスで作る、辛くないルーなしカレーでした。

(text&photo:遠藤千里)

 

子どもにアレルギーが発覚して、カレーについても市販品をいろいろ探してみました。大体のカレールーには小麦が使われているし、いわゆるカレー粉を使うにも、辛味があるので子どもが食べるのには向いていません。

子ども向けの辛くないカレーで、小麦乳不使用で、できたらお砂糖を使っていないものがあると嬉しいなあと思ったのですが、すんなり手に入りません。

 

そうなると手作りか……と、スパイスカレーのレシピを探してみると、少なくとも5・6種類はスパイスを使わないといけないらしい? と、気後れしてしまいました。

私は、もともと手の込んだ料理は苦手。手作りすることは好きなのですが、興味が継続しないタイプです。複雑な工程もできるだけ省きたいし、スパイスを複数取り揃えてみても、使い切れなかったら残念です。

 

そこで、まず手に入りやすい3つのスパイスのみを購入し、私なりのレシピで作ってみたら、なんとなくカレーっぽい味になりました。作るたびにその時家にある材料を加えたり引いたりしていったら、アレンジがしやすく、8歳児も1歳児も同じものが食べられて、親も一緒に味わえる、わが家の定番おうちカレーとなりました。

 

ジャーン!これが、ズボラ母さんが厳選した3つのスパイス。ターメリック、クミン、コリアンダー。厳選、と言っても、スーパーにたまたま陳列されていた3つを購入したのがきっかけなのですが……

 

【遠藤さんちのおうちカレー】キーマ風ベジカレーレシピ

材料 (作りやすい分量・大人4人前くらい)

にんにく 1かけ

しょうが 1かけ

油 大さじ1(無臭のココナッツオイルがオススメ。乳製品が大丈夫ならバターでも)

切り干し大根 1袋

えのきだけ 1袋

玉ねぎ 大1個(小ぶりのものなら2個)

トマトの水煮缶 1缶(350gくらい)

塩  1つまみ

ローリエの葉(なくてもよし)1枚

豆の水煮 1缶(300gくらい)

味噌 大さじ2(味噌の塩味で調整してください)

 

(スパイス)

ターメリック 小さじ2

クミン 小さじ1

コリアンダー 小さじ1/ 2

ガーリックパウダー 少々

ジンジャーパウダー 少々

油 大さじ1

 

材料の決め手はえのき、玉ねぎ、切り干し大根。にんにくとしょうがもなくてはならない存在。

 

下ごしらえ

切り干し大根はさっと洗って水で戻しておく。戻し汁も使うのでとっておく。

 

作り方

1,   にんにくとしょうがをみじん切りにし、油と一緒に鍋に入れてから点火し、弱火で香りがたつまで炒める。

2,   えのきをみじん切りにして⑴に入れ強火にして焼き色がつくまで炒める。

3,   みじん切りにした玉ねぎを⑵に入れ、強火で透明感が出るまで炒める。

この時えのきがこびりついていたらこそげとりながら炒める。

4,   切り干し大根をギュッと絞って水気を切り、みじん切りにして⑶に入れる。

5,   切り干し大根の戻し汁、トマトの水煮を汁ごと、塩をひとつまみ、あればローリエの葉を入れてひと煮立ちさせる。火を弱めて水分が減りもったりするまで煮る。

6,   具材を煮ている間に、スパイスを炒める。

フライパンに、油、スパイスを入れてから弱火にかける。色が黄色からカレー色になったら火を止め、具材を鍋から少しとり、スパイスとなじませてから鍋に戻す。

7,   豆の水煮を入れて混ぜる。

8,   味噌を溶かし入れ、ひと煮立ちしたら完成。

 

ポイントは最初にえのきを水分が飛ぶまで炒めること。これで香ばしさと旨みが出る。後から入れると水分を飛ばしにくくなり、えのきの苦味が出てしまう。

 

このレシピに欠かせないのは、切り干し大根。子ども向けに甘みを出したいけど、砂糖やフルーツ、ハチミツがなくてもいける方法はないかと考えてたどり着いたものです。ひき肉の代わりにもなるし、トマトの水煮の酸味もまろやかにしてくれます。

普段あまり切り干し大根を食べない子どもたちも、単に気づかないだけか、これなら食べてくれます。かさも増すので、私がひき肉料理を作るときは大体切り干し大根とえのきを入れています。切り干し大根の歯ごたえが欲しい場合は水で戻し時間を少なくし、子ども達にもあっさり食べて欲しい時には水分を増やして弱火でコトコト煮ると仕上がりが変わります。

 

豆を最後に入れたのは煮崩れを防ぐため。くったりしたお豆がお好きな方はスパイスの前に入れてもOKです。お肉やお魚を入れたい場合も、スパイスの前に入れて煮込んだ方が、味が馴染みます。お肉やお魚入れる時は、豆を抜いても、そのまま入れていてもいけます。

 

最後に入れる味噌は、甘みをさらに強めたければ白いものを、コクや深みが欲しければ色の濃いものを。私は発酵が進んで少し酸味が出たものを使ってカレーの味わいに奥行きを足しています。

 

塩気のほとんどを味噌でつけているので、分量は味見しながら調整をお願いします。味噌がミソ!

 

このカレーは、作ってすぐ食べられますが、少し置くとスパイスが馴染んでこなれた味になります。多めに作って保存するのもおすすめです。

また、みじん切りしたにんにく・しょうがが効いて子どもが辛い!という場合もあります。その場合は、生のにんにく・しょうがを抜いてもOK。その場合はスパイスを炒める時のガーリックパウダー・ジンジャーパウダーを各々ティースプーン1/2くらいの量にします。みじん切りの工程が省けて、より作りやすくなります。

生を入れるのに、さらにパウダーも使う「追いガーリック・追いジンジャー」をすることで、口に入れた瞬間のインパクトが生まれます。辛くないカレーでも大人が食べておいしく感じられるポイントかな、と思います。

 

辛味が欲しい人は後からチリパウダーをフリフリ。大人がおおぜいのときは同じものを作って半分わけ、改めてミックスされたカレー粉を追加するのもありです。スパイスを3つも揃えるのは大変・という方には「ロイヤルマサラ」という辛くないミックススパイスもおすすめです。

 

もっと野菜を増やしたい場合は、大概なんでも入れて大丈夫です。

ピーマンやパプリカを入れるとドライカレーっぽくなり、ブロッコリーやホウレンソウなどの緑の野菜を茹でたものを刻んで入れるとベジカレー感が増します。

かぼちゃやさつまいもを刻んで一緒に煮ると、ほっこりして子ども受けするカレーになります。その時は煮込む時に少し水分を増やします。

案外合うのがネギ・ニラ・もやし。我が家の1歳児はもやしそのままだとよく噛めずに消化できないことが多いのですが、刻んで煮込めばそれも解消。もやし独特の香りもスパイスでマスキングされて気にならなくなります。

 

スパイスを入れる前の状態で塩を入れてトマトソースにしたり、スパイスをクミンだけにしてレッドキドニーを入れてチリコンカン風にしたり、クミンにパプリカを加えてタコライスの具にしたりと、いろいろアレンジも効きます。

 

今回はベジ仕様にしましたが、ひき肉を加えたり、ツナ缶やサバ缶などを使ってもおいしいです。豆も、今回はひよこ豆を使いましたが、レッドキドニーでも、白いんげんでも。

 

カレー、というよりスパイス煮、といった感じではありますが、私はこれを「カレー」と言い切って食べています(食べさせています)。カレー作りについてちゃんと習ったことがあるわけでなく、全く独学なのですが……。

でも、もともと各国で違う広まり方をしているカレーは、多様性があるものでしょ、カレー粉やカレールーを使わないとカレーでないわけではないし、家庭料理だし独自性があっていい!……と開き直っております。

 

とはいえ、いわゆる欧風なおうちカレーに憧れる気持ちはあります。いずれ「うちのカレーはよそのカレーと違う!」なんて子どもたちに言われるかも……とビクビクしております。

 

いわゆるじゃが玉人参入りのオーソドックスなカレーも作っておりますが、それはまだ試行錯誤中。なにせ飴色玉ねぎを作るという王道な工程を省こうとしているので……そうなんです。最初に告白したように、私、ズボラなんです。憧れよりズボラが勝ってしまうのです。

きっと市販のルーを入るのと変わらないような簡単な工程で欧風カレーを作ることができるはず、と密かにトライしています。すでにルーを作らず炒めたスパイスをスープに入れてから、水溶き米粉を入れてとろみをつける、というズボラをしています。ダマができず簡単です。

 

ターメリック・クミン・コリアンダーの3つのスパイスに慣れたら、クローブ・カルダモン・シナモンなどを入れると、よりカレーっぽくなります。最初、カレー作りに必要なたくさんのスパイスに怖気づいていた私ですが、使い出したら、結局いろんなスパイスに手を出すことに……。バジルやオレガノなどイタリアンで使うスパイスも合うし、気になる方は色々お試しを。

 

そうは言っても基本のスパイスは最初に手にしたこの3種類。よく使うので、缶はこんな風に切って使っています。

 

にんにくとしょうがで香り、炒めたえのきと玉ねぎで香ばしさ、切り干し大根で甘み、トマトで酸味、味噌でコク……どれも単体でも旨味もタップリの食材を掛け合わせているので、ベジ仕様でも満足できる味になります。お肉やお魚を加えてもいろんなお野菜を足しても味が決まるアレンジしやすいレシピなので、アレルギーがある方もそうでない方も、ぜひ試してみてください。

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