まちの中のアイスクリーム工場〜ハンデルスベーゲン〜
青葉区しらとり台の環状4号線沿いにアイスクリーム工場があるのをご存知でしょうか?平日12時〜17時の間だけ工場直売で買うことができるアイスクリームは、一口食べると素材の濃厚な味が口に広がりちょっと忘れられない味です。そのアイスクリームの名前は「ハンデルスベーゲン」。今回アイスクリーム工場にお邪魔しておいしさの秘密を聞いてきました。

青葉台駅からしらとり台・つつじが丘方面に向かう道路をまっすぐ歩いた道の途中、住宅や病院が並ぶ道沿いに突然牛のイラストが描かれたトラックと「アイスクリーム工場直売」の看板が出現します。初めて見つけた人はその唐突さに少しびっくりするかもしれません。私も子どもと公園に向かう途中で初めて見つけた時は、こんな街中に工場が?と驚きました。お店ではなく工場だから、買うためにはインターフォンを押して訪ねてみるしかありません。少しハードルが高いとその時は感じましたが、その後勇気を振り絞ってピスタチオと苺のアイスクリームを購入!食べてみると、今まで食べたことのないような素材の濃厚な味とミルクのおいしさに感激しました。

 

牛のイラストがかわいいトラックはハンデルスベーゲンの工場の目印。世田谷区の公園で出張販売も行っている

 

工場直売のカップアイスクリームは各500円(税込)。チョコミントはミントのフレッシュな鮮度の良さを味わってほしいからと、通販はしておらず工場のみで販売している

 

スウェーデンで食べた味を目指して

 

アイスクリーム工場を経営するのは、港区に本社を置くフレックス株式会社という車の販売等を行う会社です。2012年に新しい部署として飲食事業部を立ち上げ、アイスクリームの製造と販売を始めたそうです。その理由は実は会社の社長がアイスクリーム大好きだったから!留学先だったスウェーデンでよく食べたアイスクリームの味が忘れられず、日本でその味を再現したいと思ったのがきっかけだったそうです。

お店の名前の「ハンデルスベーゲン」という名前はスウェーデンのストックホルムにある「ハンデルス通り」からつけたのだとか。

 

お話をうかがったフレックス株式会社飲食事業部部長の中野たいじさん。アイスクリームと食材への思いを熱弁してくれました

 

「スウェーデンではアイスクリームの消費量がすごく多いんです。寒い地域では家畜として牛をたくさん飼っているので、アイスクリームの原料となる牛乳がたくさん採れるからです。スウェーデンではアイスクリーム屋さんが街中にたくさんあって地元の人の生活になじんでいます。自分たちは日本で北欧のようなアイスクリームの文化をつくっていきたいと思っているんです」(中野さん)

 

アイスクリームと和食をつなげて

 

アイスクリームの製造を始めるにあたって、どうせ作るならおいしさだけでなく素材からこだわって安心して口にできるものにしたいと考えたといいます。その過程で日本でアイスクリームを作る意味も大事にしたい、そこで参考にしたのは和食では欠かせない「出汁」の考え方でした。

「アイスクリームは元となる液体を冷やし固めて作ります。和食はベースとなる出汁のおいしさで味が決まる、アイスクリームのベースも牛乳に素材の味を染み込ませたものと考えれば、和食と同じ考え方でおいしいアイスクリームを作ることができるのではないかと思いました。ハンデルスベーゲンのアイスクリームの配合のレシピは和食の料理人が作っているんですよ」(中野さん)

 

まさかアイスクリームから和食を連想するとは私は思いつきもしませんでした。確かに和食の出汁は素材の質や鮮度で味が繊細に変わりますね。和食とアイスクリームを同じ液体として考えてみるなんて驚きです。

 

冬の新フレーバーのチェリージュビリー(左上)、クッキークランチ&チョコミルク(左下)、定番フレーバーの京都宇治抹茶(右上)、マダガスカルリッチバニラ(右下)。この他工場限定のチョコミント味も試食させていただきました

 

取材していて、ハンデルスベーゲンさんが素材にこだわっておいしいアイスを作りたいと思っているのがひしひしと伝わってきました。今回5種類のアイスクリームを試食させていただきましたが、そのどれも濃厚でおいしいこと!中野さんのお話の通り試食した全てのアイスクリームでフレーバーの素材の良さがどれも舌で感じられました。果物の皮を一つひとつ剥いたり、クッキーを焼く作業は全て職人が手作業で行っているんだとか。ケーキ屋さんでパティシエが手作業でケーキを作るのと同じ気持ちで、なるべく丁寧に手作りしたいと考えているからだそうです。

 

冬の新フレーバーの「チェリージュビリー」は実の形そのままのチェリーが入って美味!お酒を使用していますがアルコールを飛ばしているのでお子様でも食べられます

 

一番おいしい出来たての味を家でも味わって

 

青葉台の工場でアイスクリームの直売を本格的に始めたのは実は2020年の夏から。以前は各地の直営店で店頭販売を行っていましたが、現在はインターネットの販売をメインに行っています。その中でお客様とのリアルな接点を大切にしたいと思ったのがきっかけだったそうです。工場でしか買えない味も用意しました。

「アイスクリームは出来たてが一番おいしいので通販では工場から直送で出来たての味を家でも食べられるようにお届けしたいと思っています。工場で出来たてが買えるので、近隣の皆様にもぜひその味を知ってもらいたいです」(中野さん)

 

取材は飲食事業部部長の中野さんにご対応いただきましたが、写真撮影をお願いしたところ、奥にいた方も全員外に出てきてくださってなんだかアットホームな雰囲気を感じました。「アイスクリームは子どもから大人までみんなを笑顔にする食べ物なので、社内の雰囲気もみんなが笑顔でいられるように心がけています」とおっしゃった中野さんの言葉が印象的でした。

 

確かにアイスクリームを食べながら怖い顔をできる人はいないですよね、自然とそのおいしさに顔がほころんでしまします。みんなが笑顔になれる濃厚な味のアイスクリームをみなさんも味わってみてください!

Information

HANDELS VAGEN ハンデルスベーゲン

HP: https://www.handelsvagen.com/

ONLINE STORE: https://www.handelsvagen.com/onlinestore/

Instagram: https://www.instagram.com/handelsvagen/

住所:横浜市青葉区しらとり台2-76

TEL:045-507-8271

工場直売営業時間

平日12:0017:00

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この記事を書いた人
神前倫代ライター卒業生
結婚をきっかけに青葉区に引っ越してきて1児を育てる母。一念発起して税理士資格を取得、会計事務所勤務。散歩しながら個人のお店を見つけるのが好き。
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