森ノオトには「もったいない」「使い切る」精神の、素敵なおばあちゃん的女子が何人もいますが、実は編集長のキタハラも、「おばあちゃん力(りょく)」はそこそこに高いんです。
小学生のころ、明治生まれの祖母と一緒に暮らしていた経験があるのですが、祖母は食後には必ず、ごはん茶碗にお茶を淹れて飲んでいたんです。ピンと来た方は、かなりのエコ通ですね! そう、洗い物の手間と、水を減らす工夫ですよね。
祖母の暮らしには及びませんが、我が家でも、食器洗いの水を流しっぱなしにしない、小さな工夫をしています。炊飯からの一連の流れがあります。
我が家では、ごはんは白米でいただいています。一時期、玄米にも凝ったのですが、わたしのカラダにはちょっと重いみたいで、それ以上につややかな白米のごはんがだーい好きなのです。
わたしが幼稚園のころから、30年以上食べている、山形県大江町の有機農家さんと年間契約して、毎月、10kgずつ、玄米を送ってもらっています。
それを、食べるたびに精米しています。白米は、いわば「皮をむいたりんご」のようなもの。食べるたびに皮をむくほうが、新鮮で、美味しいですよね。食べるたびに精米するのは、玄米で保存し、直前にお米の皮をむく、そんな風に、美味しく食べたいからなのです。
精米したお米をとぐと、とぎ汁が出ます。我が家では、お米とぎ専用のボウルを使っていて、5-6回水を換え、とぎ汁はステンレスのたらいにストックしておきます。
家庭菜園をやっている家であれば、とぎ汁を庭にまくのもよいですが、マンション暮らしの我が家では、ベランダのプランターにとぎ汁をまくと、土が固くなってしまいあまり塩梅がよくなかったので、洗い物に使うことにしています。
配膳が終わり、「いただきます」したら、母はちょっと席を立って台所に戻り、余ったごはんをタッパーに詰め替え、たらいにストックしておいたとぎ汁を土鍋に移します。土鍋の底に少しこびりついたお米を「うるかす」のです。
ちなみに「うるかす」とは、「ふやかす」を意味する山形弁です。
「ごちそうさま」したら、家族がめいめい食器を下げ、母はごはん茶碗を土鍋に入れ、うるかしておきます。
その間に、たらいに残ったとぎ汁で、漆の味噌汁碗やおかずをのせた皿、デザートの器、箸やスプーンの汚れを落とします。その時に使うのは、ナイロンのスポンジです。ごはん茶碗にこびりついた米粒なども、とぎ汁でふやかされて、スポンジでこするだけで、するりと汚れが落ちます。
とぎ汁でうるかしておいた土鍋の内側をスポンジで拭うと、表面がつるつるになります。ここで、とぎ汁を流して、蛇口をひねって表面をさっと洗って、土鍋がきれいに。
とぎ汁で表面の汚れを落とした食器は、今度は流水+「ひろりんたわし」で仕上げ洗いをすれば、さっぱり、ぴっかり!
米のとぎ汁は、少しの油分を含んでいるので、汚れを吸着する効果があるらしく、肉+油のギトギト料理でなければ、ちょっとした油汚れにも洗剤不要です。
朝ドラなどで、明治や大正時代の食卓の風景を見ると、ためた水をていねいに使いきっている様子がわかります。
現代の日本のように、水をジャージャー流しっぱなしにできるようになったのは、ここ数十年のことなんですよね。
水に恵まれている豊かさに感謝しながら、水のめぐる道に思いをはせ、なるべく洗剤を使わずに、水を汚さず、川に返していきたいと、一連の「洗い物ルール」にのっとって、食器を洗っています。
今後もなるべく「おばあちゃん力」を高めるべく、色々工夫していきます!
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