行きつけにしたくなる! 甘酒と野菜たっぷりランチが楽しめる「888CAFE」
色鮮やかな「あまざけスムージー」に、野菜たっぷりのおいしいランチ。そして抜群の居心地のよさ。そんな心も体も喜ぶカフェが、昨秋藤が丘にオープンしました。毎日のように通う常連客さんもいるなど、早くも地域の方たちの行きつけのお店として親しまれています。そんな、888CAFE(ハチハチハチカフェ)を訪ねました。

東急田園都市線・藤が丘駅から徒歩6分。駅周囲の喧騒から少し離れた静かな住宅街に、888CAFEはあります。甘酒も楽しめるカフェとして、昨年9月にオープン。店主中原啓子さんがお一人で仕込みから接客までを切り盛りする、小さなカフェです。

 

発酵食に興味がある私は、色々な甘酒が楽しめるカフェと聞き、ワクワクしながらお店を訪れ、以来すっかりお店のファンに。多くのお客様の行きつけになっている888CAFE。その魅力に迫るべく、中原さんにお話を伺いました。

住宅街にひっそりある落ち着いた雰囲気が隠れ家のようで気に入り、今の場所に決めたとのこと。「あまざけ」の大きなのれんが目印です

元々中原さんは、2011年から発酵食や薬膳の講師活動をしていました。自宅で教える以外にも、横浜市からの依頼で薬膳料理講座の企画・運営、学校でのイベント開催、生協へのレシピ提供など幅広く活動。

どの講習でも最初に中原さん特製の甘酒を出しており、それがとても好評だったとのこと。皆さんから「おいしい!」という声をたくさんいただくなかで、「甘酒を気軽に飲めるカフェがあったらいいんじゃないか」という思いが芽生えていったようです。ただお店を開くという思いは、実は学生時代から中原さんの心の中にあったものでした。

白を基調としたナチュラルな雰囲気の店内。程よい大きさがアットホームでホッと落ち着きます。ゆったりくつろいでもらいたいと、開店当初よりフリーWi-Fiも導入

学生時代から料理を作ることや接客が好きだった中原さん。当時から、「いつかは自分のお店を持とう」という思いが常にあったと言います。

しかし大学卒業後は、一般企業に就職。お店を開くということからは一旦離れたものの、仕事が忙しいなかで食品衛生の資格を取りに行くなど、お店を開くための準備は続けていたと言います。

店内にいくつか飾られたお花はすべてお客様からのプレゼント。お客様のやさしさが店内にあたたかみを加えています

また、一時期中原さんは、アマチュアゴルフで数々の大会に参加していたことがあったそうです。その際、一緒にラウンドする方たちが甘酒を薄めたものを飲んでいる姿を見かけます。ゴルフは長時間立ちっぱなしで、暑い時期は炎天下でのプレイでかなりの体力を消耗します。そんな時に甘酒を飲むことで、疲労回復の一助となることを中原さん自身も体感し、甘酒に興味を持つようになります。

これから暖かくなる季節におすすめのテラス席。ワンちゃん連れのお客様にも好評です

その後結婚や出産などライフスタイルの変化を経ながらも、中原さんのお店を持つという思いはゆっくり熟し、まずは発酵食や薬膳の講師活動をスタートさせます。そこから町田のコワーキングスペースのカフェでのランチ営業、青葉台での間借りカフェ営業を経て、昨秋独立店舗として現在のお店を開くことに。

店主の中原さん。甘酒のやさしい味わいを連想させるような笑顔です

お店の人気メニューである甘酒は、米麹から作られノンアルコールで砂糖不使用。小さなお子様からシニア層まで幅広く楽しめます。厳選された材料と、これまでの経験や研究から独自に割り出した配合や発酵時間。そこから生み出された甘酒は、すっきりとした飲み口とやさしい甘さ、癖が少なくじんわりとおいしさが体に広がっていくような味わいです。

 

甘酒メニューは「ミルクあまざけ」や「生姜入りあまざけ」などいくつかあり、それぞれで使用する甘酒の分量を変えているとのこと。黒ごまバナナミルク、ブルーベリーヨーグルトなど全4種類ある「あまざけスムージー」は、味ごとにグラム単位で甘酒の分量を変えているそうで、中原さんのこだわりを感じます。甘酒は毎日~隔日で仕込み、1回の仕込み量は数kgにもなるとのこと!

有機栽培の果物がたっぷりと使われ、果物と甘酒の自然な甘みと旨味が楽しめる「あまざけスムージー」。甘酒が苦手な方でもおいしく飲めると人気の一品

これだけ甘酒にこだわりがあるお店なのに、甘酒専門店にしなかったのはなぜなんでしょう?その答えには、中原さんが昔から大切にしているある思いがありました。

 

「いろんな方に楽しんでいただけるカフェにしたくて、あえて専門店にはしませんでした。発酵食や薬膳を教えている時からの思いですが、これがいい!と一つのものを勧めるのではなく、いいもののなかから、お客様が心地よい選択ができるようにサポートしていきたいんです」。

 

カフェは女性客が多いというイメージを持たれる方も多いでしょうが、888CAFEは男性客も多く、年齢層も幅広い印象です。選べる楽しさ、心地よさが888CAFEにはあり、それが客層の広さにもつながっているのかもしれません。

有機栽培の豆を使用した深煎り珈琲のほか、オーガニックジンジャーエールやバタフライピーチティなど甘酒以外のドリンクも充実。ビールなどお酒もあります

甘酒と共に人気のランチメニューは全5種類で、どれも野菜たっぷり。これは、たくさんの野菜を食べてほしいという中原さんの思いから。ドレッシングも何種類もの野菜を使った手作りで、名付けて「食べる野菜ドレッシング」。オレンジ色が鮮やかで、味が濃厚!これだけでも食べたくなるようなおいしさです。

野菜は、地場野菜や有機野菜を使用。葉物も色が濃く、いつもシャキッと新鮮です。

沖縄タコライスのランチセット(ドリンクは別途)。お肉も野菜もたっぷり使われ、ボリューム満点。ランチのお肉はすべて国産牛が使用されています

甘酒や料理のおいしさはもちろんですが、888CAFEのもう一つの魅力はお店の居心地のよさ。お店に立つときに、中原さんが心がけていることはあるのでしょうか?

 

「お客様は、駅前ではない当店にわざわざ足を運んで下さっています。当店を選んできて下さっている意味をみつめ、それをそっと提供する。お客様の求めているものに、できるだけ応えたいと思っています」。

 

話がしたい人もいれば、静かに過ごしたい人もいる。忙しい合間に甘酒をさっと飲み、仕事や家事に戻る人もいる。それぞれのお客様が求めている思いをくみとり、そっと差し出すことができれば……。そんな中原さんのあたたかな思いがあるからこそ、居心地のよさが生み出され、お客様は何度も足を運びたくなるのかもしれません。

888という数字に昔から縁があったことからつけられた店名。「お店を通じてたくさんのご縁がありますように」という思いも込められています

今後はお店が少し落ち着いてきたら、お客様からの要望も多い、発酵食や手作り食の講座などやっていきたいということ。また888CAFEでは、クリスマスやバレンタインなどに季節のイベントを行っています。他店の焼き菓子販売やお子様へのお菓子のプレゼントなどの企画があり、毎回大盛況のようです。「今後もそういったイベントを通して、地域の方と触れあう場を作り、いつもと違った楽しみを提供していきたいですね」と中原さんは話します。

甘酒のテイクアウトも人気。「1杯からお気軽にどうぞ。事前にお電話いただけたらお待たせ少なくご提供できます!」とのこと

一人でも、家族や友人とでも楽しめる。気軽に行けて、ちょっとしたときに足を運びたくなる。そんな行きつけのお店が自分の住む街にあるのは、なんだかうれしく、日々の暮らしに彩りをそえてくれる気がします。暖かくなり、足どりが軽やかになってくるこれからの季節。みなさんもご近所を散策がてら、行きつけのお店を見つけてみませんか?

Information

888CAFE

住所:〒227-0043横浜市青葉区藤が丘1-24-7-103

アクセス:東急田園都市線・藤が丘駅より徒歩6分

電話番号:045-878-5140

営業時間:火~土曜日11:00~17:00

定休日:日・月曜日

Instagram:https://www.instagram.com/888cafe.k/

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この記事を書いた人
岸真由美ライター
兵庫県生まれ、兵庫県育ち。数年前より横浜に在住。なじみのない街を知るべく色々調べる中で、森ノオトに出会う。食べること、カフェでのんびりすることが至福のひととき。最近は発酵食や手仕事に興味があり、日々の暮らしに取り入れたいと思っている。
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