ほうじ茶チーム初企画!絵本座談会 ライターおすすめ「おいしい絵本」前編(小さい子向け)
絵本の楽しみ方は人それぞれ。今回9名のライターが選んだ「おいしい絵本」16冊も、「絵本」×「読む人」の数だけあたたかいストーリーが生まれています。ぜひ、ほうじ茶でも飲みながら、みなさんの好きな「おいしい」を見つけてくださいね。

森ノオト編集部は今年度、ライターそれぞれの関心毎にチームにわかれて記事や企画づくりをしています。「ほうじ茶」は、子育て、教育をテーマにした活動をしていきます。第1回ミーティングではみんなのおすすめの「おいしい絵本」を持ち寄り、ワイワイと座談会を開きました。当日参加できなかったメンバーからも続々とおいしい絵本情報が届き、魅力的な絵本とそしてそれを楽しんだライターの楽しい思い出を知ることができました。

 

絵本からつながるみんなの思い出を読んでいたら、なんとも幸せな気持ちに満たされます。「おいしい絵本」をさらに個性豊かに調理したストーリーがあるのだなあと、しみじみと感じ入っています。今回は、みんなの「絵本+思い出」を私なりにテーマを設けて、前編7冊(主に小さい子から)、後編9冊(主に大きい子、大人まで)とわけて紹介します。

 

(ライターの名前について)

親しみを込めて、愛称、またはファーストネームで書かせていただきました。

今回協力してくれたメンバー:

さおりん(佐藤沙織さん)、ともみさん(松園智美さん)、

ちひろさん(設楽ちひろさん)、はまちゃん(濱田明日美さん)、

なみちゃん(宇都宮南海子さん)、ななこさん(清水菜々子さん)、

でぐさん(出口ひとみさん)、ひろみちゃん(醤野宏美さん)、私(山田麻子)

 

 

「おいしい」+「言葉遊び」を楽しめる絵本

まずは赤ちゃんから楽しめる絵本はこちら。

『もぐもぐ』 作:LaZOO、監修:Sassy/DADWAY、出版KADOKAWA、発行:2018年

さおりんが出産した友人へ送った絵本。赤ちゃんが食べ物に興味を持ってくれたらいいなと思って選んだそう。

赤や黄色といったはっきりした色使いで、果物や野菜がページいっぱいに描かれているこの絵本は、「しゅわしゅわ」「しゃりしゃり」などの食べ物の擬音語が書かれているそうです。音遊びとしても楽しめそうとさおりん。色合いが強烈すぎるのでは?と心配していたそうですが、友人から「各ページにあるニコニコマークを探すのに夢中になっている」と連絡を受け、ほっとしたそう。「赤ちゃんは白や黒、赤などのコントラストの強い模様が好きだということをこの絵本を通じて知りました」とさおりん。

 

 

コール&レスポンスを楽しんでいるというのはひろみちゃん。

『どうぶつクッキー』作:彦坂有紀、もりといずみ、発行:学研プラス、発行年:2020年

丑年に購入したので、丑年のスペシャルとして表紙に「福」シールが貼ってあります。おいしそうな動物のクッキーは木版画で作成されているそう。

動物のクッキーとともに、「うしさーん」、「ねこさーん」とひろみちゃんが呼びかけると「もー」、「にゃーあ」とお子さんが動物の鳴き声で答えるという役割分担で読み進めたそうです。「動物を覚え始めた子どもの興味にバッチリはまったみたいです」とひろみちゃんは教えてくれました。最後は真似っこでクッキーを全部食べておしまい!

 

 

赤ちゃんの反応がびっくりするくらいうれしいのがこちらの本。

語りかけ絵本『いちご』文・絵:こがようこ、出版:大日本図書、発行年:2017年

この絵本の作家さんは、以前取材をさせてもらったこがようこさん

こちら紹介してくれたのはちひろさん。ちひろさんの息子さんは両耳が先天性重度難聴で、幼い頃は、語りかけや読み聞かせへの反応が乏しかったそうです。その後も言葉への反応を育てることに苦戦したちひろさんは、この絵本に救われたと言います。大好きないちごの絵とともに、「パクリ!ポクリ!」と何度も同じフレーズが繰り返されるので、息子さんにもすんなりと理解できたようだとちひろさん。絵本の中のいちごを、「これはママのね」「これはにいにに残しおいてあげる」とママや兄弟にわけてあげる家族思いの面も見せてくれたのだそうです。

 

 

作りたい!お料理したい!を盛り上げてくれる絵本

「自分で作って食べてみたい!という気持ちを最高潮にさせる定番絵本」と紹介してくれたのはちひろさん。

『しろくまちゃんのホットケーキ』作:わかやまけん/もりひさし/わだよしおみ、出版:こぐま社、発行:1972年

読み終わると必ず「ホットケーキ作ろう!」ということになるので、家にはいつもホットケーキミックスを常備しているとちひろさんは言います。あまり絵本に興味がないという息子さんも、この本は何度も読んで!とせがんでくるそうです。「ぽたあん」「ぷつぷつ」「ふくふく」とおいしそうなオノマトペと焼き上がっていく様子が描かれたあのページはたまらないですよねえ。「絵本のセリフを真似しながら作る子どもの姿もかわいいんです」と教えてくれました。

 

 

このクッキーが作れたら子どもは喜びます。

『ノンタンのおたんじょうび』作:おおとも やすおみ、さちこ(現在販売中のものは作・絵:キヨノサチコ)、出版社:偕成社、初版1980年

ノンタンには内緒で、お友達がノンタンクッキーやケーキを作ってお誕生日会を開いてくれるお話。「自分の顔でテーブルを埋め尽くされたら愛を感じるなあ」とはまちゃん。

はまちゃんは、子どもの頃から大切に読んでいたこの絵本を娘さんに引き継いだのだそう。自分の子ども時代には作らなかったけれど、娘さんが3歳になった頃、表紙裏の作り方とイラストを参考に、ノンタンクッキーを作ったそうです。子ども時代の夢をお子さんと一緒に叶えるってうれしいですね。

おいしそうに焼けています!

子どもと一緒にわくわくできる絵本

明日へのわくわくにつながるのはこちら。

『おべんとう』

作:小西英子、出版社:福音館書店、初版2012年

 

「一つひとつのおかずやごはんの絵がとてもリアルでおいしそう」と、この絵本を紹介してくれたななこさん。

ななこさんのお子さんは、寝る前に読む絵本として、この絵本をよく選んだそうです。「読んだ後は公園にお弁当を持って行きたい、と言うのがお決まり」だったと言います。ななこさんは、寝かしつけながら、お弁当の材料あったかなあと思案したり、お子さんと天気や公園のお話をしたそうですよ。幸せな時間ですね。楽しい夢が見られそう!

 

 

2人の女の子のママであるひろみちゃんが紹介しくれたのは、こちらです。

『のりまき』作:小西英子、発行:福音館書店、発行年:2019年

同じ作者さんの『サンドイッチサンドイッチ』がお姉ちゃんに大ヒットだったので、試しに別のものも図書館で借りたら、姉妹揃っての大のお気に入りの絵本になったそう。

「大きなのりの上におすしのごはんを広げ、具材をのせていって巻く」というシンプルな内容で、できていく様子を見ている子どもたちのわくわくが伝わってくるのだそう。お姉ちゃんは、平仮名を読めないうちからすっかり内容を覚えて可愛らしい声で「さいしょに巻くのはたまごやきー!」と読んでくれるそうです。のりまきを巻くシーンは2人とも神妙な顔つきになるそうで、山場をちゃんとつかんでいるのですね。最後に一切れだけ登場するのりまきは、「これはお父さんにとっておいてあげようね」とお姉ちゃん。パパ冥利につきますねえ。

 

後編に続く!

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この記事を書いた人
山田麻子ライター
横浜市青葉区在住。中学生女子、小学生男子の母。料理の仕事歴25年以上。管理栄養士。森ノオトでの初めての取材をきっかけに、絵本、詩、素話に出会い、その世界の虜に。以来、絵本と飲み物やお菓子の相性を考えるのが楽しみに。図書ボランティア活動、おはなし会のお菓子作りなどに心ときめく。現在の夢は「語り手」になること。 ブログ:スマイル*ごはんを始めよう
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