地元の恵みをお届け。寺家の新名所「里の恵季-eki-」
その土地ならではの旬の地場野菜や手仕事の品々が楽しい道の駅。豊かな里山の風景が広がる横浜市青葉区寺家町には、道の駅ならぬ「里の恵季-eki-」が2023年6月にできました。何があるのか興味津々。どんな場所なのでしょうか?

旬のおいしい食べ物を求めて、私は旅先で必ず立ち寄るほど道の駅が大好きです。

残念ながら横浜市内には道の駅はありません。寂しく思っているところに、横浜市青葉区寺家町に地元の農産物や加工品、手しごとの品々が並ぶ「里の恵季」が誕生したと聞きました。

道の駅ではなく「里の恵季」という、素敵なネーミングにもワクワクしながら、秋晴れの午後取材に行ってきました。

里のengawaの店主のAlexandre Gerardさん(通称:アレックス)がつくった恵季-eki-はこちら!

取材で訪れた日も、アレックスは何やら作業中、何をしているかと尋ねると、屋台を作っているとのこと。「屋台ができたら次はサウナを作って足湯もできるようにしたいんだ」とアレックス。

ここ里の恵季は、シェアスペース里のengawaの隣にある2階建ての建物を改装してできました。

 

里のengawaの森ノオトの取材記事はこちら。

▼里のengawaのそれから。畑に台所に縁側…。場のわかちあいから新しい種が芽吹いています https://morinooto.jp/2021/10/20/satonoengawa02/

店内の黒板に描かれた里のengawa、はなれ、恵季の紹介

DIYでつくるこの里の恵季の中でも、土間づくりの労力は相当だったそう。改装にあたり、元の床を取り払っての土間づくりは、里のengawaに集う方たちや子どもたちと作業を進めていきました。2023年2月から始めてみんなで協力しながら、3カ月がかりでコツコツと完成させました。

下地作りから始まって、石灰とにがりを混ぜた土を叩く、叩く、叩く……!実はこの土間、石灰とにがりを混ぜた時点で水が少し足りなかったようで……。固まりきらずに、優しい風合いが残っています。ただ、土でできているからか、お野菜たちが呼吸できて長持ちすると、農家さんからの評判はよいそうです。

入り口にはこの看板が。ハイヒールでいらしても大丈夫。“スリッパのご用意あります”

 

スタッフの山田有香さん。お店があることで、お客さんとのコミュニケーションもやりがいになっているそう

ここで扱う商品のメインは、里のengawaから生まれた工房ブランド「made in 寺家」。寺家で育った農産物の加工品を通して、自然豊かな地域の魅力やつながりをつくりながら、地域を盛り上げる取り組みです。
寺家で育てて、寺家で収穫して寺家で加工して、寺家からいろんな人に届けるー。地産地消の「made in 寺家」と名付けられています。最初に手掛けたチリソースをはじめ、柿酢やゆず胡椒など、びん詰めの加工品を商品化しています。

お店の推しの商品を、「made in 寺家」ブランドの立ち上げから協力している山田有香さんに伺うと、浜なしを使った浜なしの肉だれが一番人気だそうです。

季節に応じての商品なので、採れたものを採れただけの量を加工します。無添加での手づくりは、かつては農家で当たり前だったかもしれませんが、今ではとても貴重なものに思えます。

 

made in 寺家の商品のほか、店内には地元のはやし農園さんや、金子ぶどう園さんの新鮮な野菜やお米が並びます。

寺家周辺には農作物の直売所が点在していますが、1カ所で地域の魅力たっぷりの品々が並ぶ場所は、訪れる人にとってもうれしいはずです。

 

さらに、寺家には農作物以外にも木工や陶芸の活動をしている方たちがいます。お店では、カッティングボードやナイフなど、寺家生まれの木工品や陶器の品々が。寺家の石けん工房、aoitoriの手作り石けんや、寺家土や草木で染めたHobosighのストールなども並びます。

地元の方々との交流を大事にしているアレックスは、寺家で活動する方々にここで販売していこうと声をかけていったそうです。

店内には、「made in 寺家」の加工品をはじめ、、地場野菜や手仕事品が並びます

レジのカウンターの上にはおいしそうなcuppaさんのお菓子。

cuppaさんのお菓子は里のengawa2階で作っています。丁度焼いているところだと、アレックスが案内してくれました。

里のengawa2階のcuppaさんがお菓子厨房を作っているところをアレックスが写真をパチリ!隠し味のスパイスの良い香りが漂ってます

普段engawaに出入りしている人からお客さんまでたくさんの人たちの力を、ちょっとずつ借りて生まれた里の恵季。これからも寺家の恵みを中心に、商品ラインナップをどんどん拡充させていくとのことで、とても楽しみです。
奥の小上がりスペースには、定期的に展示が入れ替わるポップアップコーナーが設けられ、森ノオトのめぐる布市も夏に紹介していただきました。
そして秋以降には、軽食のテイクアウトも始まる予定です。

槐(えんじゅ)の木は、ここの改装に合わせて新たに植えられました。木目が美しく工芸品にもなるそうですが、魔除けとか、長寿・安産の木とも呼ばれているそう。里の恵季のシンボルツリーになるかも

アレックスが夢見ている里の恵季とはどんなところでしょう?

 

「自分は場をつくるのが好きだから、あとは場を楽しんでほしいという思い。世代交流があり、にぎやかでみんなが楽しめる場になれば」とアレックス。有香さんも「何かしたい人、探している人をつないでいける場になるといいですね」と話してくれました。

 

取材の最中にも道を歩いてる多くの方々がアレックスに挨拶をしたり、時には立ち止まって話し込んだり。里のengawaからの流れもあり、ここはすでにいろんな方たちの大事な場所になっているようです。

通りを挟むとそこは田園風景が広がり、そろそろ虫の音が聞こえてきます。

こんな風景を見ながら、手作りの屋台でアレックスが語る「おでん屋」さんのおでんを食べたり、お風呂を思い浮かべると、とても素敵だなと思います。

お風呂になる予定の味噌樽をあゆみ編集長と覗き込むアレックス(左)。考えるるだけでワクワクしませんか?

日本には四季があり、昔ながらの里山の風景があります。ここ寺家町は横浜市とは思えないほど、緑豊かでとても長閑です。土着して文化を守っていくことは大切なことと思いました。

帰りに、私も寺家の恵みをいただきました。次はおでんを食べに行きたいです。

取材の後、お土産の柿

Information

里の恵季(横浜市青葉区寺家町337)

10時から15時、火曜・日曜休み。最新情報はインスタグラムをご確認ください。

made in 寺家 https://madeinjike.jp/

里のengawa https://satonoengawa.com/

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この記事を書いた人
塚原敬子ライター
2000年に青葉区に引っ越してから早20年、長男は藤が丘で産まれました。 その頃、これからは介護だ!と介護福祉士やアロマ、ヨガの資格を取りました。「健康は自分で作るもの」がモットー。月や星、石や植物が大好きで山や海での拾い物多し。
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