同じ材料でまったく違う食感! ウォームビズしょうがスープ
暖房時の室温を20度にして快適に過ごすライフスタイル「ウォームビズ」。毎日の食事においても「からだの隅々まで温まる」ことを意識することが、ウォームビズを実践するうえで大切です。なかでも「しょうが」はからだを温める作用のある食品です。
今回はそんなしょうがを使い、美味しく食べられてからだも温まるスープのレシピをご紹介いたします。スープにしてまるごと使うことで、からだが芯からぽかぽかしてきますよ。

(この記事は環境省の推進する「WARM BIZ(暖房時の室温を20℃にして快適に過ごすライフスタイル)」キャンペーンの一環として、森ノオトが作成した記事を転載しています)

https://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/warmbiz/info/20170310/index.html

しょうがはきれいに洗って皮ごと使うのがポイント

今回のしょうがレシピは、「しょうがをまるごと食べる」をテーマに、根菜のスープを2種類ご紹介します。一つは豆乳のポタージュで、もう一つは大胆にカットした野菜を使ったすっきり味のスープです。

 

レシピはおなじみ、森ノオト料理部の大西香織さん。更に今回は、管理栄養士の小川亜希子さんにもご協力いただき、しょうがの持つからだを温めてくれる成分や、有効な取り入れ方について教えていただきました。

 

「ほとんど同じ食材を使っていても、ちょっとの工夫でまったく違った風味になるのが面白いですね」と、大西さんは話します。

 

共通の食材は、しょうが、れんこん、長ねぎ、昆布だし、オリーブオイル。れんこんは秋から冬にかけてが旬で、お正月のおせち料理でもっとも需要が大きくなります。長ねぎはいまでは一年を通して出回りますが、晩秋から春先にかけてが甘みも強く、やわらかくて美味しくなります。旬や地産地消を意識することで、輸送にかかるエネルギーの削減にもつながりますし、保存にかかるエネルギーも削減できます。そして、安くて新鮮なのも魅力ですね。

 

いずれもしょうがが味の決め手。ポタージュの方はまろやかな風味のなかにかくし味でしょうがの香りが加わり、しょうがが苦手なお子様でも喜んで飲みきれるまろやかさです。

 

あったか根菜スープは、しょうがを皮ごと千切りにして、スープのなかで丸ごといただきます。昆布だしが効いたすっきり味で、しょうがの香味としゃっきりとした食感が、地味な印象の根菜スープに華やかさを加えます。

 

「しょうがは皮に近い部分にある辛み成分ジンゲロールが加熱されてショウガオールになることで、血行促進や体温上昇に効果があるとの研究結果もあり、しょうがをあますところなく取り入れ、からだを温めるには、スープで飲むのが最も理にかなった方法と言えますね」(小川さん)

 

冬から春にかけて旬の根菜としょうがをまるごと食べて、寒い日を乗り切りましょう。

 

 

■れんこんポタージュ

とろりと口当たりよく、養生レシピに最適

【材料】(2人分)

れんこん……100g

長ねぎ……1/4本

しょうが……1/2かけ

オリーブオイル……大さじ1/2

昆布だし……300ml

豆乳……100ml

味噌……大さじ1/2

塩……適量

オリーブオイル(仕上げ用)……適宜

 

【作り方】

(1) れんこんは薄切りにし、長ねぎは1?の小口切り、しょうがは薄切りにする。

(2) なべに油をしき、れんこん、長ねぎ、しょうがを炒める。

(3) 昆布だしを加え、れんこんがやわらかくなるまで煮て、味噌を加える。

(4) ミキサーにかけ、なめらかにする。

(5) なべに(4)をもどし、豆乳を加え、塩で味をととのえる。あたたまったら皿に盛り付ける。好みでオリーブオイルをたらす。

 

*トッピングにれんこんの皮を素揚げしたものをのせると、彩りもよく、食感も楽しめます

 

■あったか根菜スープ

ごろごろ野菜の食感が楽しい!

【材料】(2人分)

れんこん……100g

長ねぎ……1/4本

しょうが……1/2かけ

鶏もも肉……1/4枚

オリーブオイル……大さじ1/2

昆布だし……400ml

塩……少々

こしょう……少々

 

【作り方】

(1) れんこんは一口大に切り、長ねぎは1?の小口切りに、しょうがは千切りにする。鶏肉は一口大に切る。

(2) なべに油をしき、鶏肉を焼く。そこへ、長ねぎとれんこんを加え炒める。

(3) 昆布だしを注ぎ、しょうがを加え、野菜がやわらかくなるまで煮る。塩とこしょうで味をととのえ、盛り付ける。

 

ちなみに、今回、ポタージュで使った「昆布だし」は、水出しでとりました。2リットルの水に対して昆布を20g入れて、一晩寝かせておくだけ。すっきりとした味わいが特徴です。ガスや電気を使わない分、とってもエコ。何より、手間がかからないのが忙しい家庭にはありがたいですね。

 

「余った昆布の出し殻は、細かく千切りしてからジッパー付きのビニール袋に入れて、冷凍庫で保存しておきます。ある程度の量がストックできたら、しょうゆとみりんで煮付けると、昆布の佃煮ができます。これも、出し殻をごみにせず最後まで使い切るエコクッキングですね」(大西さん)

 

また、れんこんとしょうがのポタージュでは、トッピングにれんこんの皮の素揚げをのせています。

 

「意外かもしれませんが、れんこんや里芋などの根菜の皮は、よく洗って加熱すれば美味しく食べられるんですよ。カラリと素揚げして塩をパラリとふるだけで、カリッとした食感が楽しいおつまみになります。スープのトッピングにも適していて、スープに浸すことで素揚げのコクが加わり、おもしろい風味になりますよ」(大西さん)

 

こうしたコツを覚えていくと、野菜の皮や根っこの過剰除去が減り、生ゴミ削減にもつながります。しょうがも、根菜も、皮ごと食べることで、皮の近くにある成分まで丸ごと取り入れることができます。

 

今回ご紹介したしょうがを皮ごと加熱してスープでいただく「あたためスープレシピ」、毎日の食事で取り組むウォームビズとして、ぜひ、みなさんも試してみてください。

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レシピ提供:NPO法人森ノオト 大西香織さん

女子栄養大学を卒業後、カフェやデリカテッセンの立ち上げや料理研究家のアシスタントを経験し、出産を機に地元にある森ノオトで地産地消のレシピ提案やエコクッキングの料理教室をおこなう。

 

栄養アドバイス:管理栄養士 小川亜希子さん

管理栄養士の資格を生かし、老人保健施設や特別養護老人ホームの給食施設で働き、産後は地産地消のデリカテッセンでの勤務経験を持つ。現在、2人目の産後間もないため育休中。

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この記事を書いた人
北原まどか理事長/ローカルメディアデザイン事業部マネージャー/ライター
幼少期より取材や人をつなげるのが好きという根っからの編集者。ローカルニュース記者、環境ライターを経て2009年11月に森ノオトを創刊、3.11を機に持続可能なエネルギー社会をつくることに目覚め、エコで社会を変えるために2013年、NPO法人森ノオトを設立、理事長に。山形出身、2女の母。
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