トマトに新玉ねぎ…初夏の簡単レシピ集。地元で採れた新鮮野菜のおいしさを味わう
エコや地産地消のテーマに興味を持つ森ノオトライターが集い、2024年4月に「ネイチャーコネクター」と名付けたチームを結成しました。「ネイチャー」は自然、「コネクター」はつなぐ人という意味。日々の暮らしの目線から、自然や環境に心を寄せてもらえるような発信をしていきます。チーム結成後、最初に企画したのは「直売所で新鮮な野菜を買って、みんなで食べてみよう!」という体験型クッキングイベント。当日のメニューから、 この時期の野菜を楽しめる簡単レシピを5つ紹介します。(写真:ネイチャーコネクター)

新鮮野菜を求め、直売所へGo!

4月にしては蒸し暑く、早くも夏の到来を感じさせるような日でした。この日、ネイチャーコネクターのメンバーが向かったのは、JA横浜田奈支店にある「ハマッ子直売所 四季菜館」。ここは、青葉区の地産地消を体感するにはうってつけの拠点で、地域の農家さんたちが旬の農産物を持ち寄って直売するファーマーズマーケットです。土蔵をリノベした店内には、朝採れ新鮮な農産物がずらりと置かれたほか、お肉や卵、ジャム、ドレッシング、お惣菜、お菓子といった加工品が並び、平日にもかかわらず活気に満ちていました。

 

この日集まったライターを紹介しましょう。森ノオトを創刊し長年地産地消を取材し続けてきた北原まどかさん、人と環境に優しい暮らしを探求&実践する塚原敬子さん、ヴィーガンをテーマにした記事を執筆している岡島知美さん、今春新たに森ノオトライターとなった椎橋美月さん、そして横浜の農業や伝統の探求がマイブームになっている私、松園智美の5人です。

 

お買い物のテーマとして申し合わせたのは、「地元産」で「旬野菜」であること。青葉区でも生産されているトマトはハウス栽培がスタンダードで、春はハウストマトの収穫期。その時期に収穫できるものしか並ばないのが直売所ですから、この時期はトマトばかりがたくさん並んでいるだろう……と想像しながら店内に入ってみると、トマトはさほど数は多くなく、ピカピカと白く輝く新玉ねぎや、レストランで使われるようなおしゃれで珍しい西洋野菜が何種類もあって目を引かれました。

 

売られている野菜を一通り見た後は、「一人一品、簡単レシピで作ること」というミッションを果たすべく、それぞれ即興でレシピをひねり出しながら、厳選した野菜を買い物かごに入れていきます。

「さて何を作ろうか?!」と、脳内フル回転中の面々。JA横浜の直売所では、ありがたいことに、野菜の品種の違いやおすすめの食べ方がPOPで紹介されているので、大いに参考にさせてもらいました

初夏におすすめ!簡単野菜レシピ

さあ、買ってきました!

ツヤツヤのハウストマト「桃太郎」2種に、白さが眩しい新玉ねぎ。ふんわりした葉が珍しいイタリア野菜のスティッキオ(スティックフェンネル)とエルバステラ、青汁で有名なケール、紫がかった色味がかわいい小かぶの「あやめ雪」。生で見るのは初めてで、どうしても食べてみたくなった皮つきヤングコーン、そして相模原市産「長寿卵」というラインナップ。

買ってきた青葉区産の野菜の数々は、まどかさんの自宅キッチンをお借りして調理します。皮を剥いたり切っていくと、どの野菜からも新鮮ないい香りが広がって、気持ちが盛り上がっていきます

作り方はどれも簡単、野菜の甘さやフレッシュな香りが生きるレシピが出揃いました!それでは担当ライターより、それぞれおすすめ夏野菜レシピを紹介してもらいましょう……♩

 

 

■トマトときゅうりのガスパチョ(by北原まどか)

熟したトマトの甘味が効いている簡単ガスパチョ

今日のメイン食材はトマトでしょ!ということで思いついたのがガスパチョです。

ガスパチョとは冷製の夏野菜スープのことで、通常はトマト、きゅうり、パプリカ、ピーマン、スパイスなどを入れますが、この日はとってもシンプルに。真っ赤に熟れたトマト2個に、幸い冷蔵庫に残っていたきゅうりが1本、味付けにらっきょうの漬物を3個入れて、スパイスソルトをふりかけたら、ブレンダーでガーッとするだけ。ブレンダーがなければ、ミキサーでもOK!加水なし、トマトときゅうりの水分だけで、しっかり喉を潤すスープができました。仕上げにオリーブオイルをたら〜りと。フェンネルに似た見た目のスティッキオの葉を浮かべたら、あら不思議、とってもおいしそう♪食べたみんなからも「この夏絶対リピする!」「らっきょうの甘酢っぱさが良いアクセントに!」と大絶賛でした。

 

 

■トマトの卵炒め(by松園智美)

卵炒めはいろんな野菜で作れますが、トマトは味が濃くて、よく合います。小松菜やほうれん草でもおいしいですし、豚肉や豆腐、しらすを入れるなどアレンジも自在

彩りよくボリュームもある1 品として、いつもわが家で重宝している「卵炒め」シリーズ。この日の材料は、小さめ中サイズのトマト4個、卵は5個。まどかさんが提供してくれた山形県産のきくらげも適量入れました。トマトは、あらかじめ皮付きのままちょっと大きめの一口大にカットしておきましょう。

作り方は、一つのフライパンでできる2 ステップ。まずフライパンに油を敷いて、ざっくり炒り卵を作ります。ポイントは、とろっとしたところが残る半熟状態で取り出しておくこと。

卵を取り出したあと、キッチンペーパーで軽く拭き油を敷き直したフライパンで、手早くトマトを炒めます。きくらげもここで投入。塩胡椒をふり、みりんと醤油を同量程度お好みで回しかけ、ごま油をふりかけてもOK。

トマトがくずれる前に火を弱め、先ほどの炒り卵をフライパンに戻し、混ぜたら出来上がり!トマトの酸味と卵のやさしい味で、ごはんが進む一品になりました。

 

 

■とろとろ丸ごと新蒸し(by塚原敬子)

蒸すといってもレンチンでOK!今回は500Wで8分加熱

玉ねぎは、煮ても焼いてもサラダにもと、季節を問わず重宝される野菜です。

今回は旬野菜として「新玉ねぎ」をチョイス。玉ねぎには辛味がありますが加熱すると、びっくりするくらい甘くなります。しかもたっぷり水分を含んだ新玉ねぎはとってもジューシー。私のイチ推しレシピです。

作り方は至って簡単。

玉ねぎの上下をカットしてバラバラにならないよう6等分くらいに切り込みを入れます。優しくラップで包んで、レンジで8〜10分加熱します。たったこれだけ!

とろとろの新玉料理の出来上がりです。かつお節や醤油(私はポン酢が大好きなので今回はポン酢を使用)をかけてどうぞ。ほっこり温かく、ほのかにする甘いかおり、とろとろの食感が優しく体に沁みますよ。

 

 

■エルバステラのナムル(by椎橋美月)

サッと茹でて和えるだけ

聞きなれないけれど、素敵な雰囲気の名前のイタリア野菜「エルバステラ」。鮮やかな緑色で、葉はギザギザしています。イタリア語で「星の草」を意味するそうです。スーパーなどにはほとんど出回らない野菜に出会えるのは、JAの直売所ならではですよね。

今回作ったのは、熱湯でサっと茹でて、オリーブオイルと塩を適量入れ、和えるだけの簡単ナムル。エルバステラはすぐに火が通るので、茹ですぎには注意です。しゃきしゃきした触感とやさしい野菜の甘み、香ばしさを楽しみました。イタリアではサラダやピザのトッピングなどに使われるそうですが、肉や魚の付け合わせにもぴったりですし、和風の味付けも合いそうです。

 

 

■野菜なんでも醤油ダレ(by岡島知美)

余った野菜を入れるだけで作れる万能ダレ。野菜を瓶に目一杯入れるとよりおいしい

私は生野菜のお供に、小かぶと玉ねぎの葉の部分で醤油ダレを作りました。普段は中途半端に残った少量の野菜などで作っています。生野菜のドレッシング、チャーハンや炒め物の調味料や冷奴、餃子のタレとして使えます 。

まずは、保存容器を用意。そこに醤油、お酢、ごま油を順番に容器に対して8割程度の目安で入れていきます。醤油大さじ6、お酢大さじ3、ごま油大さじ1が試しやすい分量です。保存容器に調味料を入れた後は、野菜類を細かく刻んでタレに絡ませながら入れ、よく混ぜ合わせたら完成です。

この醤油ダレは、野菜は基本的になんでも入れて大丈夫で、薬味や生姜、にんにくなどを一緒に入れても相性がよいです。また、お酢や油はお好みでアレンジが可能。お酢は梅酢やバルサミコ酢、油はなたね油、オリーブオイルなどでもおいしいです。その時々家にある調味料と野菜で色々な味を楽しんでいます。

料理が完成した後の記念写真。醤油ダレは、魚焼きでグリルしたヤングコーン&ケールや生野菜にかけていただきました

ライターの皆さん、おいしいレシピとお料理を本当にありがとうございました!

試食してみんなが驚いたのは、どれも短時間で手間をかけずに作れる料理だったのに、野菜の味が濃くって、贅沢な味わいだったこと。

 

冒頭にも書きましたが、直売所では、時期によって登場する野菜がどんどん変わります。スーパーと違って、いつでも同じものが売られているわけではなく、短期間しか収穫されないレアな品種や、おいしさは変わらない規格外のB級品もあったり、予想を裏切るワクワク感があるお店です。何より、同じ野菜でも、農家さんがこだわるそれぞれの育て方によって、違うおいしさが楽しめるのが魅力。誰が作ったか顔がわかるものを食べられるというのも、地産地消をめざす都市農業が盛んなこの地域だからこその豊かさだなあと思います。

 

海が近くておしゃれな街というイメージの横浜ですが、郊外は山あり谷戸(やと)あり。農業が盛んで、特に私たちが暮らす青葉区・都筑区・緑区は、市内でも農地面積や農家数がトップクラスの農業エリアです。

これから、もっともっと多くの人に、地域で作られている野菜や果物といった農産物の良さが知られて、この地域の自慢の一つだと思ってくれる人が増えることを願います。

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この記事を書いた人
松園智美ライター
まちづくりの専門誌、自然派住宅雑誌の編集部を経てフリーの編集&ライター業に。新潟の米どころ長岡市出身、今は港北ニュータウンの団地に暮らす3児の母。子らの育つこのエリアのことをもっと知って楽しみたいです。レイアウトやイラストのお仕事も好き。
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